23 外へ
気力が回復してきて、どうにか動けるようになる。
まだ体と頭がふらつく感覚はある。
それでも、数分もすれば立ち上がって動けるようになった。
「きっついな……」
この影響は結構大きい。
気力を使うと、数分間はまともに動けない。
危険な状況でそれだけ行動不能になると命に関わる。
どこで使うかは本当に考えねばならない。
最悪の状況で使ったら死にかねない。
たとえその場をしのいでも、直後の虚脱状態の時に攻撃されたらどうにもならない。
とはいえ効果は絶大だ。
怪物共を全滅させる事が出来た。
反動も大きいが威力も絶大だ。
使い方次第なのは言うまでもない。
ともあれ、それなりの数の怪物を倒すことが出来た。
周辺から怪物は消えてるはずである。
『直観』でも何となく安全に思える。
近くをうろつくだけならどうにかなると。
「行ってみるか」
外に。
いつまでも会社のあったビルにいるわけにもいかない。
生活に必要なものを確保する必要がある。
当面はここを拠点にするにしてもだ。
必要なものを確保するために一度は外に出なければならない。
食い物は絶対に必用だ。
ミズも出来るだけ確保したい。
家に帰れないなら寝具も。
衣服も欲しい。
さすがに風呂は無理だが、体を拭うくらいは出来るようにしたい。
なんなら適当な住居にころがりこみたい。
不法侵入に不法占拠はいただけないが。
こんな状況なら、空き家もいくらでもあるだろう。
そこを拝借できればと。
移動用の足も欲しい。
どこかで自動車と燃料を確保したい。
物を運ぶために必要になる。
あとは生存者だが。
これをどうするかは悩ましい。
人手が多ければそれなりに便利だ。
だが、人がいればどうしても面倒が発生する。
人間関係ほど鬱陶しいものはない。
これまでの人生で嫌というほど味わった。
厄介は可能な限り避ける。
そうして生き残るために必要なものを集めていく。
幸い、『直観』と『探知・察知』がある。
面倒な事は事前に分かるはず。
「どうにかなるか」
そう思って気軽に気楽にいく事にした。
出来るだけ使えそうなものは持っていく。
自販機で更に缶ジュースなどを確保する。
喉を潤すだけでなく、投げて使うために。
音を立てて怪物を誘導したり、直接ぶつけて傷を与えるために。
財布も回収していく。
死体は消えたが、それらが身につけていたものは残ってる。
もう使う者のないそれらは有効活用させてもらう。
倫理・道徳や法律的には問題になるだろうが。
それを問うてる場合でも、問う人間もいないのだ。
気にしてもしょうがない。
もっとも、金銭が今後も使えるかどうかは分からないが。
役立つかもしれないから持っていく事にする。
その他役立ちそうなものを鞄にいれていく。
何がどこで役立つか分からないが。
そこは『直観』に頼っていく。
何となく持っていこうと思うものはこの能力が教えてくれる。
一見して無意味に思えるものもあるが、それでも『直観』を信じた。
そうしてからヒロキは外に出た。
不安をあえて忘れ、つとめて気持ちを楽にして。
外が危険なのを承知の上で。
それでも踏み出さねばならないのだから。
とりあえず、一章はここまで
一区切りが入る
明日すぐに続きを出すけど
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