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猫と刀とモルフェウス  作者: 小原ミツマサ
第三話
30/31

(あらすじ:家に帰ると三枝が傷だらけでベッドに倒れていた。三枝は真木にやられたという)


   *


 傷についてたずねると、三枝は戦闘訓練中にケガを負っただけだと言った。が、その傷の中に刃傷も含まれていることに栄治は気がついた。それを栄治に指摘されると、三枝は笑いながら面倒くさそうに言った。


「あの真木って奴、あいつがキリンジを日本刀に変えたんですよ」


「キリンジを日本刀にって、そんなことできるのか」


「〈形次化〉っていう技ですけど、普通は相当な訓練を積まないとできないんです。なのにあの女は当たり前のように戦闘中にやってきた。びっくりしましたよ」


「何でもありだな」


「まあ形次化ができたところで、麒麟との戦闘ではほとんど使わないんですけど。まあ魔師としての技量を見せびらかすには、うってつけの技ですね」


「それでお前、切りつけられたのか」


「てゆーか殺されかけたんですけどね。教官が止めてくれへんかったらほんとにどうなってたか」と言いながらも、三枝はやはり不自然に張り付いた笑顔を絶やさなかった。「たぶん真木ってやつは、絵瑠さんよりも才能あるんじゃないですか。絵瑠さんもまだまだ形次化は無理そうですし」


「……絵瑠は、最近どうだ? 調子は」


「調子? よくわからないですね。普段がどうなのかわからないから。でもとくに変わったことはないみたいです」


「そうか」


 正直、栄治にとっても普段の絵瑠がどういう性格なのかわからなかった。というか、どうしても絵瑠のことを慎重に扱ってしまう心理が栄治の中で働いていたのだ。絵瑠が栄治に一緒に来てくれと頼んだとき、見せられた両腕の傷のことが気がかりだった。なぜ絵瑠はあんなものを抱えているのか、栄治の中で腑に落ちないものがあった。素朴に絵瑠のことがわからない、と思ってしまったのだった。


「明日は絵瑠さんと真木が対戦することになっとるから、栄治さんも訓練所に来ます?」


「え、俺も行っていいのか?」


「そりゃキリンジなんだから、行っていいでしょ。それに、どういうわけか真木が栄治さんのことを知っとったんですわ。休み時間に絵瑠さんの近づいてきて、『あんた、しゃべるキリンジ持ってるんだって?』って。感じ悪かったですよ」


「なんであいつが俺のことを知ってるんだよ」


「考えられる可能性は、真木が魔師協会の上の方と強い繋がりがあるとかですかね。上層部は宮部先生から栄治さんのことを聞いてるはずですし。たぶん僕たちが立川につく前から、栄治さんのことは話題になってたんじゃないですか?」


「じゃあ、もう俺は……」


「魔師協会本部の中では有名人になってるかもですね」


 三枝はひどくあっさりとそう言ってのけた。


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