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ブリターニャ姫の錬金術師  作者: きくみよ
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錬金の日々

俺はハロ爺から初級錬金術の本を貰ったので、ブリターニャと共に錬金の練習をする事にした、ブリターニャにとっては初級錬金術は一度学んでいるが、俺の様な錬金術の使える者とは一緒に学ぶ事が無かったので、初級錬金術を俺と共に練習する事は楽しいらしい、俺は自分の体に素材を収納出来る為、自分の手のひらに錬金の印を刻んで、何もない状態から錬金術を行おうとするとブリターニャが怒る、何故なのか分からないが俺の使い魔のラビットは出来るのに、ブリターニャは自分の体に物を収納する事が出来ないらしい、おそらく自分に出来ない事を俺がやっているのが悔しいのだろう、仕方が無いのでその練習はブリターニャが寝ている時に行う事にした。

そしてレオ爺とアル爺、そしてハロ爺の爺さん達の仕事のお手伝いをしていくうちに住んでいる場所を聞かれ俺が「避難民のキャンプだ」と言うと爺さん達は「何処にあるんだ」と聞いてくるので俺は「今はまだ決まっていないので教えられない」と言うと爺さん達は首を(かし)げながら渋々納得したが、何処か腑に落ちない様子だったので、今後の事も考えて住んでる場所を作っておく事にした。


「よ~し、此処が良いだろう、ご近所さんに挨拶回りしておくか!」


俺達が住んでる場所として選んだのが秘密基地に一番近い避難民のキャンプだ、此処には子供は少なく大人が多い、ロンディニの街に近い為、ロンディニの街に働きに出ている人も多く、治安はあまり良くないが此処に住む訳ではなく、夜中には秘密基地に帰るので、犯罪に巻き込まれる確率は少ないと思う、でも物が盗まれる可能性がある為、高価な物やお金は此処には置いておかない事にした。


「え~、あの場所を使わせて貰おうと思っているんですがいいですか?」

「おぅ、一応、お医者さんに挨拶しておきなさい、この避難民のキャンプをまとめてるのはお医者さんだからな!、なにかトラブルが起きた時、お医者さんに顔を憶えて貰っていれば安全だからな」

「避難民のキャンプをまとめているのはお医者さんなんですか?」

「お医者さん達だな、時々やって来るんだよ、夜には帰ってしまうから、来ている時には夜になる前に挨拶しておけばいいよ!」

「はい、ありがとうございます、これはいっぱい買ったんで食べきれないから、どうか食べてみてください!」

「へぇ~、こんなに沢山ありがとう!」


そんな感じに家の近所の人に挨拶回りをしておく、ブリターニャは「何故そんな事をするの?」と言い、俺の挨拶回りに付いて来てくれなかった為、俺の三人の使い魔達と共に挨拶回りをしたが、その結果この避難民のキャンプで信頼されているのは、時々やって来るお医者さん達である事が判り、ブリターニャと相談する事にした。


「ねぇ、姫様!、この避難民のキャンプにはお医者さん達が時々やって来るらしいんだ、それでご近所に挨拶に行った時、お医者さん達がこの避難民のキャンプに来ていたら、挨拶しておけって言われたんだけど、俺達はお医者さん達には絶対会っちゃダメだよねぇ~!」

「そうね、お医者さんという職業柄、私達の健康状態を調べようと絶対に体を調べようとするでしょうし、私達の体を調べられれば、絶対に面倒な事になると思うわ!」

「困ったねぇ~、早めに他の住んでいる場所を探さなければ駄目だよね、此処にはラビット以外は連れて来れないね、まず逃げる足の速さが無ければ駄目だからね!」

「そうね、でもラビットには絶対に避難民のキャンプのお医者さんと会ってはいけないと伝えておいてね!」

「うん、分かった!、それで俺が考えてる事なんだけど、とにかく仲間を増やしておこうと思う!」

「えっ、仲間を増やす?、どうやって?、それにどうしてそんな事をするの?、私には分からないわ!」

「この辺の子供達に挨拶しておこう、そしてその子供達に俺達の存在を避難民のキャンプにやって来るお医者さん達に伝えて貰う、勿論、お医者さんが大嫌いなので近づかないし俺達を見かけても近づかないで欲しいと言っていたと子供達がお医者さん達に伝えて貰う為に挨拶して仲良くなっておこうと思うんだ!」

「子供達と仲良くしておくってのは分かったけど、どうやって仲間にするの?、そんなに簡単に仲間になってくれないと思うわ!」

「俺達は僅かながらお金が稼げるので、俺達の出来る範囲で子供達の欲しい物を買ってあげればいい、子供ではお金を稼ぐ事が難しいからおそらく仲良くなってくれるさ」

「私はそんな風に子供達と遊んだ事が無いので良く分からないの……、子供達と仲良くしておくのはユキヒコに任せるわ、お願いね!」

「うん、任せてよ!」


俺はラビットと共に避難所の子供達に飴をあげて話を聞く、そして暇そうな男の子にラビットと駆けっこで競争してみないか?と話し掛けると、他の男の子達も参戦してきた、そして安全な道で競争が始まったが、結果はラビットの圧勝だった。

俺はそんな事をしながら避難所の子供達と仲良くなった、そして俺達はお医者さんが嫌いなので近づかない事を話す、後は子供達の欲しい物を聞いていく、子供達の欲しい物は殆どの子供達が食べ物だった、俺は仕事で稼いだら買って来てあげる事を約束した。

これで俺達の仕事を子供達が邪魔する心配が無くなったので俺はブリターニャに子供達と仲良くなったので、ギルドの人や爺さん達に避難民のキャンプに住んでいるという言い訳が出来る事を話すと、ブリターニャも色々考えていた様で俺に馬車を作る計画を話す。


「ねぇ、ユキヒコ!、馬車を作りましょう!」

「馬車?、馬車なら既にあるし、それに馬が居ないのに馬車を作るの?」

「あの馬車をそのまま使う事は出来ないわ!、馬車が無くなっている事に気づいている人から見れば、私達は泥棒と変わらないもの……、だから新しく馬車を作り変えるのよ!、あの馬車の部品の使える部分を使いまわせばきっと私達でも新しく馬車を作れるはずよ!、そして新しく作った馬車を私達が住んでいる場所にすればギルドの人やお爺さん達にも言い訳が出来るし、ユキヒコの使い魔達も全員お仕事のお手伝いが出来る様になるわ!」

「全員の使い魔かぁ……、よ~し、作ろう姫様!、色々工夫して俺の使い魔でも馬車を運べる様にしたいけどいい?」

「勿論よ!、だって私達の馬車だもの、誰も文句は言わないわ、頑張ってね!、私も頑張るわ!」

「うん」


俺達はその日から新しい馬車を作り始める、新たな馬車を作る為に最初から全てが揃っている訳では無いし、馬車の構造も良く分かっていないので、最初にちいさな部品を一つずつ錬金して作っていく、そしてちいさな部品を組み合わせてちいさな馬車を作って、更に少し大きな馬車を作っていった。

その間にも爺さん達のお手伝いをしていると、俺の使い魔達の話題になって、爺さん達は「喋れない他の子達も俺達が面倒を見てやるから連れて来い」と言うので、ラビットを俺の使い魔のリーダーにして喋れない使い魔達の面倒を見ておかせる事にして、俺の使い魔達を全員、爺さん達に預ける事になった、朝は一緒に俺の使い魔を全員、爺さん達との待ち合わせ場所に連れて行き、そこで爺さん達に俺の使い魔達を全員預けて、爺さん達との仕事が終わると夜が来る前にラビットが使い魔達を連れて避難所の住処に帰り、夕方に俺が避難所の住処に迎えに行って、其処から秘密基地に帰るという日々を繰り返した。

そんな日々を繰り返し遂に馬車が完成した、十四人という人数が住む馬車なので、かなり大きくなってしまったが、馬を使わずに移動できる様々な工夫がしてある、俺はブリターニャにその工夫を説明していく。


「姫様!コレが俺の考えた一人で運べる馬車の運転部分です、コレを足で回してこの舵で操縦するんです!」

「へぇ~、凄いわ!、でも足で回す部分が二つあるけど、もう一つはどう使うの?」

「フフフ、姫様!、此処に座って下さい!」

「えぇー、其処はユキヒコの股の間でしょう、嫌よ!、それに操縦はどうするの?、邪魔になるじゃない!」

「大丈夫です!、舵の棒をちゃんと後ろに座っていても手が届くように改造していますから、此処が嫌なら俺の後ろに座って下さい!」

「えっ、こうするの?、座ったわ!」

「それじゃあ、一緒に足で回して、走ってみましょう!」


そう言って俺はあらかじめ整地して走り易くなっている地面で馬車を走らせる、俺が考えた新しい馬車の(こだわ)りは自転車の様に自分で操縦して走れる機能を新しい馬車に付ける事だった。


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