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ブリターニャ姫の錬金術師  作者: きくみよ
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俺達は龍になる

本格的に俺の使い魔の名前が決まってきたので俺の防水対策の服の錬金も第二段階に入る、今まではただの二股に分かれた袋だったが、それを下半身の防具に組み合わせる事にした、靴や靴下、パンツなども作って防具のそれぞれの部分と組み合わせていく、俺がある程度第二段階の錬金をこなしていくが、俺の使い魔達だけで第一段階の防水対策の服の基本である二股に分かれた袋を作れるようになっていて、俺が第二段階の錬金を終えるのを待っている様な状態になったので、たまらず俺は俺の使い魔達に上半身の服を作らせる事にした。


「おい、お前達早いな!、それじゃ袋を作ってくれ!、まずこんな感じの大きな袋を一つ作って、それ揃える形でこの小さくて細長い袋を二つ作るんだ!、簡単に言えば一つの大きな袋と二つの小さくて細長い袋を作ってくれ!、今まで作ってきた二股に分かれた袋と同じ数だけ必要なんだ!、それじゃお願いするね!」

「はいウサ!」


錬金の仕事をしている時は返事はラビットだけが行う事にした。みんなの返事が返って来ると訳が分からなくなるのでそうしている、そうして俺も第二段階の錬金に集中できるようになった、そして俺の隣では傷薬の調合をしているブリターニャが居て、調合の仕事が終わると俺の仕事を手伝ってくれる。


「ユキヒコ!、傷薬を作る仕事が終わったから手伝うわよ!」

「ありがとう姫様!、おれの使い魔が仕事が出来る様になったんで、俺の作るのを待っている状態になってしまっているんだ、後ろから煽られている様でやりにくくてさぁ~、本当に覚えると無我夢中で作ってくるから少し休んで欲しいんだけど、姫様からも俺の使い魔にもう少し休みなさいって言ってくれませんか?、あいつ等は必死になって俺に追いつこうとしてる様な感じがするんですぅ~、そんな事しなくて良いのにぃ~」

「フフフ、みんなユキヒコが好きだからでしょ、みんなユキヒコと一緒に仕事がしたいのよ、みんなで一緒に仕事をする様にすればいいんじゃないの?」

「ふ~ん、分業体制ではなく協働体制か……、分かりました、今度からそうしてみます、今のままでは明日には追い付かれてしまう、今の内に考えておこう、それより姫様!、傷薬なんて作って大丈夫なんですか?、他の専門の薬屋さんから文句を言われそうな気がするんですけど?」

「あぁ、コレの事?、大丈夫よ!、お店には出さないから、コレは緊急用の救急セットを作る為に作っているの!」

「へぇ~、救急セットですか」


ブリターニャが作っていたのは救急セットに入れておく傷薬の一つらしい、俺はブリターニャに何故救急セットを作っているのかを詳しく聞いてみると、どうやら俺達もロチェスターの迷宮の奪還作戦に参加する事が決まったらしい、ブリターニャから話を聞く限りでは俺達は衛生兵の役割が求められている様だ。


「また包帯の服を作る事になりそうですね、そういえばある程度俺達の体も人の肌の様になってきましたけど、また今日もマッサージをしておきますか?」

「えぇ、お願いするわ、それから包帯の服の作り方もあの子達に教えてあげてね?」

「そうですねぇ~、でもまさか俺達も戦争に参加するとは思わなかったなぁ~」

「私だって最初は参加する気は無かったわ、でもドラゴンの力が手に入る事が判ったから、戦争に参加する事にしたの、だってドラゴンの力が手に入れば空を飛べるんでしょ?」

「う~む、こっちでのドラゴンは飛べるんですよね?」

「飛べないドラゴンも居るしあまり飛び方が上手な気はしないわね!」

「そうですか俺の世界での龍はずっと空を飛んでいる様な感じでむしろ地上を歩く方が苦手な感じがしますねぇ~」

「だったら間違いなく空を飛べるわよ!、だってユキヒコの使い魔だもの!」

「そうなるといいですね、それじゃ今日の仕事はこれくらいにして、みんなの体を拭いて綺麗にしてあげましょうか?」

「そうね、それじゃあ仕事をやめてみんな集まりなさ~い、これから汚れた体を綺麗に拭いて服を洗濯した物に着替えてちょうだい!、それじぁ、服を脱いで待っていてね!」

「はいウサ!」


俺とブリターニャは大きな桶を三つ用意してそれぞれにお湯を入れて石鹸を一つの桶で溶かして手ぬぐいで体を拭く用意をする、その間に俺の使い魔を服を脱いで俺とブリターニャの前に並ぶ、コレを一気に洗っていく、最初は俺の列ばかりに俺の使い魔が並ぶのでブリターニャの機嫌が悪くて大変だった、今はそれぞれに六人ずつ並ぶようになった、すすぎは自分達で行って貰う、使い魔達の体を洗ったら、体をすすぎ終わった者から体を拭いていく、そして体を拭き終わったら自分達で洗ってある服を着て貰う、そして着替え終わった者から布団に入って眠る様に指示を出して使い魔達の汚れを取る作業が終わる。

「その後は俺とブリターニャが体を洗って着替えるのだが、いつも俺が先に体を洗い終わるのでブリターニャの体を洗う作業を手伝う、ブリターニャは体をすすいで綺麗に拭いた後、布団に寝転んで俺にオイルを塗らせる、俺達の肌は人に近くなったとはいえ、まだ(あら)が目立つので肌を綺麗にしていく、俺は特別な錬金オイルを使ってブリターニャの肌を錬金術できめ細かくしていく、この作業は俺や俺の使い魔にも行っているがブリターニャの場合はこの作業が出来る時には必ず行っている。

こうした作業に対して俺は最初は戸惑ったがブリターニャは平然としており、お姫様だった貫録を見せつけられて俺もいつの間にか慣れてしまった。


「それじゃあ、姫様!、今度は仰向けになって下さい、顔と手足は俺がやりますから他の部分は姫様が自分でやって下さいね!」

「は~い」

「それにしても綺麗になりましたよね、昔は包帯の服や靴下、それに手袋も作りましたよねぇ~、とても人の肌には見えませんから、全員その包帯の服を着ていたんですよねぇ~、まさか、また作る事になるとは思わなかったなぁ~!」

「意外と便利だからね、それに今度は包帯に回復効果を混ぜるから、前より傷の直りが早くなると思うわ!、それより、アハハ、ユキヒコ!、覗きが居るわよ!」

「はぁ~、見当たりませんよ!、大体姫様!、覗きに覗かれた時は普通の女の子ならキャァァァって言うものなのです!、笑っちゃダメですよ!」

「へぇ~、そうなんだ!、でも本当に居るのよ、ユキヒコ、上を見てみてよ!」

「上を?、ぎゃぁぁぁぁぁ!」

「ちょっとユキヒコ!、キャァァァじゃないの!」

「俺は男だからいいんです!、それより姫様見つけましたよ!、ドラゴンを!」

「そうね!」


俺が天井の方を見ると俺達を見つめる俺の使い魔が居た、だがその俺の使い魔は明らかに他の使い魔とは違う事が一目で分かった、その理由は俺達を覗いていた使い魔は空を飛んでいたからだ!、俺は早速その使い魔を呼んで名前を付ける。


「ヨシッ、お前の名前はドラゴンだ!、これからは話す言葉の終わりにドラという言葉を使って言葉を話すようにしてくれ!」

「分かりましたドラ!」

「よしよし、お前は俺達を護ってくれ、頼むぞ!」

「頑張るドラ!」


こうして俺達は龍を見つけた、直ぐにブリターニャに頼んでドラゴンの体の一部を俺の体に移植してもらう、これから俺達は全員龍になってこの世界を変える為に生きる、それが姫様の願いでもあり俺達の生きる意味でもあるからだ。


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