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飛び上がり自殺

作者: ななる

死にたい。

屋上で柵にもたれ掛かりながらため息のせて呟いた。

実際、本当にそう思っているかどうかは自分でもよくわからない。

けれどこうやってぼんやり下を眺めてるといつの間にかそればっか口から垂れ落ちているんだ。

死にたい?

そう自分に問いかけて、空を向くのがテンプレート。

青い空に白雲がポツポツ。

何が苦しいんだろう。

何が嫌なんだろう。

モヤモヤばかりが集まって、また今日も屋上に来てた。

首が疲れて下を向く。

車と人が移動する点となって、せわしなく喧騒をばらまく。

今自分が突然飛び降りたらどうなるだろう?

驚くかな?

表では嫌がりながら、悦んで写真を撮るのかな?

あはは、どうでもいいや。

全部全部どうでもいいや。

なるほどな。

どうでもよくなってみんな下に飛び込むんだろうな。

悩むのに疲れて、考えたくなくなって、体が重いのがやで飛び込むんだろうな。

死にたい?

また上を向く。

ちょっと雲が減ってた。

でもさ、どうせなら上に行きたいな。

下に身投げするより、上に向かって飛び上がりたい。

花火のように一瞬じゃなくて、ふわっと。

煙のようにさ。

あはは、あーあ。


もうどうでもいいか。


ぐるりと一回転。

一瞬見えた空は雲一つない晴天だった。

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