サイドストーリー: プレゼント
前回の瑛理目線です。
「えーり!おはよっ」
学校への通学路。背後から抱きついてきたのは友達の楓。
今日も朝から元気いっぱいだ。
「おはよう」
「それでそれで?康介さんとはどうなのよ!」
「どうって・・・、別にどうもないけど」
「もう!もっとアタックかけなきゃダメじゃない!」
「でもどうしたらいいのかわからないよ・・・」
「ふむ・・・。じゃあさ、デート行って、もっとスキンシップとっちゃおう!」
「た、例えば?」
「手つないだり、腕組んだり、キスしたり」
「キ、キスって・・・」
「冗談だって!・・・想像しちゃった?瑛理顔赤いよ?」
「・・・、もう!」
そういえば、こないだテレビでやってたとこ行きたいなあ。
カップルが多いとこに行けば、私と康介さんもそう見られるのかな・・・。
週末。どうやってデートに誘おうか悩んでいると、まさかの康介さんのほうから、何かしたいことはないかと聞いてきた!
私はもちろん、デートがしたいと答えた。
まず最初のミッション『手をつなぐこと』
これははぐれないように、という理由でだが、すんなりとうまくいった。
えへへ、康介さんの手って大きいなあ。
包まれている感じがして、それだけで幸せな気分になる。
いろんなお店を回って、ある服屋さんに入ったときのこと。
私はひとつのワンピースに一目惚れをしてしまった。
ぼーっと見ていると、康介さんが「買ってやるよ」と言ってくれた。
私はその場で飛び跳ねてしまいそうなくらい嬉しかった。
もちろん、そのワンピースが嬉しいというのもあるが、康介さんからの初めての『プレゼント』なのだ。
よし、次のデートではこのワンピースを着よう。・・・康介さん喜んでくれるかな。
そして最後に寄ったゲームセンター。
ここでもぬいぐるみに見とれてチャレンジするも、失敗続きの私を見かねて康介さんがサクッととってくれた。
むう。簡単そうに見えて案外奥が深くて難しいですね。
でも、取ってもらえたので、よしとしましょう。
かわいいなあ。うん、毎日この子と寝よう。
そういえば、雷の日、お願いして康介さんが一緒に寝てくれたけど、後ろから大好きな人に包まれて本当に安心したなあ。
また一緒に寝たいって言ったら寝てくれるかな・・・。
そして、本日のラストミッション。プリントシールだ。
もちろんカップルコースを選択。
ポーズを取る時に慌てている康介さんがとても可愛かった。
嫌そうな表情をしながらも、結局付き合ってくれる優しい康介さん。
やっぱり、私は康介さんが大好きだし、誰にも渡したくなんてない。
だから、キスは恥ずかしいけど
――康介さんの頬にそっと口づけをした。
「えへへ、隙アリ!」
お読みいただきありがとうございます。
これまでのように毎日更新はできませんが、お付き合いいただけると幸いです。




