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17-2.看病の仕方

風邪をひいた瑛理目線です。


寝苦しさに目を覚ますと、いつもより明るい室内。

時計を見ると、10:25。


・・・そっか、学校休んだんだっけ。


私は迂闊にも風邪をひいてしまった。

体が熱くて重い。

昨日から少し体調が悪かったが、直ぐに治ると思って油断していた。


「康介さんに迷惑かけちゃったな・・・」

ボソッと呟くと、傍にタオルと干してあったはずのパジャマが畳んで置いてあったのが視界に入った。

その上にはメモ用紙が置いてあり、

『汗をふいて着替えること』

と書かれていた。


驚きつつも、汗をふいて着替える。

脱いだパジャマを持って洗濯機へ向かうと、

『洗濯禁止』

と張り紙がされていた。

仕方なく戻ろうとすると、テーブルの上にレンジでできるおかゆのパックと紙が置いてある。

『冷蔵庫にもあるから食べられる分だけ食べて薬を飲むこと』

と書いてある。

冷蔵庫を開けてみるとヨーグルトやゼリー、スポーツドリンクが入っていた。

軽く食べて、置いてあった薬を飲む。


洗い物をしようと台所へ行くと、そこにも

『置いといていいからさっさと寝ろ』

と張り紙があった。


ベッドに戻って横になる。

康介さんは仕事でいないのに、お世話されてるみたいな不思議な気分だな・・・。

安心すると、睡魔が襲ってきて抗うことなく眠りにつく。




次に目を覚ますと、部屋はもう暗かった。

時刻はもう18:20。

まだ治ったとは言えないが、だいぶ楽になった気がする。


扉がノックされる。

「・・・康介さん?」


声をかけると扉が開いて康介さんが入ってくる。

「気分はどうだ?」

「うん、だいぶ良くなった。ありがとう」

「ごはん作ったけど食べられそうか?」

「少しなら」

食欲はあまりないが、それでも体は食事を欲している。


自分の部屋を出ると、テーブルには土鍋におかゆが入っていた。

「・・・これ、康介さんが作ったの?」

「まあな、料理なんて久しぶりにしたぞ」

そう言って笑う康介さん。


いただきますと言って、茶碗によそわれたおかゆを口にする。


「おいしい」

自然と言葉が出る。


レトルトとは違い、工夫がされていておいしかった。


いつもは自分で作るからあまり感じないけど、誰かに作ってもらうってこんなに嬉しいんだ。

もちろん、そこには風邪で弱っているから、相手が好きな人だから、という理由もあるのだが、そこまで頭が回っていない。



食べ終わって薬を飲み、再びベッドへ。


「すまんな。負担かけちまってたのに気付かなかった。いつもありがとな」

そう言って康介さんが頭を撫でてくれる。



私は温かさに包まれて眠りに落ちていくのだった。

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