表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/22

17-1.気配のない部屋


朝、、スマホのアラームで目を覚ます。

アクビをしつつ、今日も仕事か・・・と思ったところで違和感に気付く。


時刻は朝7時。

いつもならとっくに瑛理が起きていて朝食を作って俺を起こしに来る時間だ。

しかし、カーテンを開けておらず薄暗い部屋に人の気配はなかった。


・・・寝坊か?珍しいな。

と思いつつ、瑛理の部屋をノックする。


再びノックするも反応はない。


「入るぞー」

と声をかけて扉を開く。


ベッドに歩み寄ると、やや息遣いの荒い瑛理が眠っていた。


「瑛理」

声をかけるとようやく目を開く。

「・・・あれ?こうすけさん?・・・あ、もう朝!?ご、ごめん、すぐに朝ごはんを」

しゃべっている途中で意識が完全に覚醒したのか、慌てて起き上がろうとする瑛理を押しとどめる。

まさかと思い、額に手を当てると熱いし、声もいつもと違う。そのまさかだった。

「・・・風邪か」

「え、そんなことないよ。朝ごはん作らないと時間が」

「そんな顔と声で何言ってんだ。いいから寝てろ。今日は何もするな」

「でも・・・」

「無理してこれ以上悪化したらどうすんだよ。まずは治すことが最優先だ」

「・・・うん」

少し強めの口調で言うと、しぶしぶながらも頷く。

「なるべく早く帰ってくるから」

「・・・ほんとう?」

「ああ、だからちゃんといい子にしてろよ」



思えば、昨日帰ってきた時からやけに大人しかったのも体調が悪かったらか。

新しい場所に新しい高校生活。そして家事のほとんどをこなして勉強も疎かにしない。

瑛理は平気そうに振舞ってたけど、無理をさせていたんだなぁ。と今更ながらに実感して後悔する。



会社に連絡して遅れることを伝える。

本当なら休んで看病したいところだが、今日は大事な会議があるからそうもいかない。


まずは私服に着替えて近くのコンビニへ行く。

必要なものが店一軒でたいてい揃ってしまうのだから、便利な世の中になったもんだ。と思う。


外に出ている間に熱を計らせておいたのだが、枕元には37.8℃と表示された体温計があった。

瑛理は眠ったようだ。


俺は色々と準備をして、瑛理の学校に連絡してから家を出た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ