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12.ため息の意味

「よう」

片手を挙げて軽く挨拶をしてくる池田。

イケメンはそれだけで絵になって羨ましいよな。ちょっと滅んでこい。


「おう。お前だけじゃなかったのか」

「まあまあ。たまにはいいだろ?」


「こんにちは、先輩!お久しぶりですね」


そう挨拶をして微笑んでいる後輩は、いつものゆるふわヘアーに少し編み込みを入れている。

服装も清楚な感じのワンピースで、スーツ姿しか見たことがなかったので、新鮮に感じる。


「ああ、久しぶりだな。スーツ以外のお前なんて新鮮だけどな」

「ふふっ。見とれちゃいました?」

「はいはい、似合ってるよ」

「なーんかテキトーでむかつくぅ!」


「ハァ・・・」

隣で池田がため息を付いてるが、どうしたんだ?誘ったのはお前だろうに。


「まあいいか。とりあえず飯行こうぜ」

そう言って歩き出す池田についていく。

どこに行くかも聞いてないが、店も決まっているのだろうか。



数分ほど歩いて到着したのは、一人だったら絶対に入ることのないような、お洒落な喫茶店だった。


各自注文を済まると、さっそく池田が口を開く。

「にしても珍しいな。内田ちゃんが素直に誘いに応じるなんて」

「まあな。今日は瑛理が一緒に勉強するって言って友達連れてきてんだよ。邪魔しちゃ悪いしちょうどいいって思っただけだ」

「ふーん」

なんて感じで話しているとすぐに料理が運ばれてくる。



「で、同棲生活はどうよ?」

突如、池田の口から飛び出した言葉に、口に入れたパスタを吹き出しそうになり、むせる。

「ゲホッゲホッ!きゅ、急に何を言い出すんだお前は・・・」

「いや~、だって気になるじゃん?かわいい女の子と同棲なんて聞いたら」

「同棲って・・・。ただの同居だよ」


同棲と同居の明確な違いなど知らないが、響きが嫌だ。


「お?かわいいってとこは否定しないんだな」

「はぁ。まあ、客観的に見てもかわいい部類に入るんじゃないか?あいつは」

「お~!内田ちゃんの口からそんなセリフが聞けるとはね~」


ニヤニヤしてからかってくる池田は無視して、さっきからやけに静かな保坂を見ると、唸り声をあげそうな顔をして、こちらを見ていた。

訂正。睨んでいた。なんか知らんが怖い。


「どうした?なんかすげー変な顔になってんぞ」

と指摘すると、今度は拗ねたような顔になり、

「べっつにー。センパイのくせに家で女の子とイチャイチャしてるのがむかつくだけですぅ!」

とのたまう。


「あのなぁ。あいつにとっては俺は親代わりだ。イチャイチャなんかしてねえよ」

たぶん。・・・してねえよな?


俺は瑛理の親であり、兄である。

だから、家族としてのスキンシップしかしてない。うん。

俺が決めた。今決めた。


「ふ~~~~ん」

なんだその返事は。


「あ、やっべ!俺、彼女から呼び出されてたんだわ!ってことであとよろしく!」

突如、そう言って席を立つ池田。


おい、急になんなんだ。なにをよろしくなのか分からんし、そもそも飯食おうって言いだしたのお前じゃねえか。


保坂と2人にされたって喋ることなんて仕事関係しかねえぞ。



ハァ・・・。

盛大にため息をつく俺だった。

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