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11.いつからGWが長いと錯覚していた?

GW。ゴールデンウィーク。

それは待ちに待った大型連休。

しかし、学生とサラリーマンでは重要さが大きく異なる。


なぜなら、俺たちサラリーマンにとって大型連休というのは、GW、お盆、年末年始の1年に3回しかない、とても貴重なモノだからである!


ふう。


今年の我が社のGW休暇は、4月28日から5月5日の8連休。

さーて、今年はどうやってダラダラすごしてやろうかぁ!





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




スマホの画面を見て、そこに表示されていたモノに絶望する。



そこに映っていたのは、


『5/4 21:35』


・・・・・・え?


ちょっと待て。落ち着け。

これは夢か?そうか、夢だな。試しに頬をつねってみれば、ほーら痛くない・・・ワケねえだろ。

そうか、これが現実か。ハハハ。


よし。落ち着いたな、俺。


「瑛理さんや」


俺は習慣になってしまっている、瑛理の髪を乾かし終え、腕の中にいる瑛理を呼ぶ。


「なーに?康介さん」

「今日って何月何日だ?」

「うん?5月4日でしょ?スマホ見てるじゃん」

「・・・どうしよう。俺すごく頭がイタイ」

「それ寝過ぎなだけでしょ。それか、どこにも連れてってくれなかったバチが当たったんじゃない?」

いや、だって渋滞何十キロとか見ちゃったら外出る気失せるじゃん。

しかも、仕方なくショッピングモール連れてったじゃん!

サービス業っていうのはな、俺たちがこういう連休の時もちゃんと働いてるんだぞ!

感謝しないとダメだぞ!代わろうとは思わないけど。


と、考えていたが、瑛理の投下した爆弾によって、その思考すらも消え去ってしまう。


「そういえばこないだも言ったけど、明日友達来るから。よろしくね!」


「・・・・・・は?」


トモダチ?ああ、そんな変な名前の知り合いいねえよって思ったら友達のことか。


「ダメ?」


そんな寂しげな表情で言われて断れるワケねえだろ。

「別にいいけど」

「GW明けにね、テストがあって、勉強教えてほしいって頼まれちゃって。康介さんにもいい?って聞いたんだけど、やっぱちゃんと聞いてなかったんだー」

うぐっ。そんな話聞いた記憶もない。

まあ、友達ができるのはいいことだし、呼んでマズイことがあるわけでもないし。

というか、教えるほどこいつ勉強できるのか。


「あとね、康介さんにも会ってみたいって!」

おい。目的はむしろソッチなんじゃねえの?

そりゃあ同級生が叔父とはいえ、男と暮らしてたら気になるお年頃だよなぁ。


はてさて、どんな子が来るのやら。




翌朝。いつもどおり瑛理に起こされて朝食を摂り、ソファでスマホをいじっていると、ピンポーンと来訪者を告げる音。

「はいはーい!」

と言って玄関に駆けていった瑛理が部屋に伴ってきたのは、ボーイッシュな感じの少女だった。


「こんにちは!瑛理の友達の朝比奈楓です!」

元気よく自己紹介して笑う彼女は、太陽のように明るかった。


「ご丁寧にどうも。瑛理の叔父の内田康介です」

こちらも軽く名乗ると、彼女は俺をジーッと見つめてきた。

「ふーん。これが瑛理の言ってた康介さんかぁ。なるほどねえ」

こちらを見ていたかと思うと、今度は瑛理の方を見てニヤニヤしている。

瑛理は慌てたように

「もういいでしょ!お勉強しよ!」

と言ってお友達の手を引っ張って部屋に引っ込んでしまう。


再びソファでダラダラしようとするも、なんとなく居心地が悪い。

隣の部屋から、女の子たちの話し声が聞こえるなんて慣れない環境のせいだ。

というか、そんなに話してて勉強する気あんのかよ・・・。


面倒くさいが、どこか外で時間潰すか・・・そう思っていると、スマホの通知音が鳴った。

メッセージアプリを開くと、同僚の池田から

『どうせ家にいるんだろ?たまには飯でも付き合えよ』

というお誘いが来ていた。


ま、ちょうどいいか、と思い、了承の旨を伝えると、ここから3駅離れた駅前で待ち合わせというメッセージがすぐに返ってきた。


直接声をかけて邪魔しても悪いと思い、瑛理にメッセージを送って家を出る。


意外にもさほど混んでいない電車に揺られて待ち合わせの駅につくと、そこで待っていたのは、メッセージを送ってきた同僚の池田。



―――そして、後輩社員の保坂だった。

読んでいただきありがとうございます!

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