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結論、地道に頑張る

某所。とある一室にて2人の男女が向かいあって座っていた。男の年齢はぱっと見二十代半ばほど。対して女の方はだいぶ若く、十八かそこらである。


「なあ」


「何ですか」


「俺は思ったんだよ。お前って大賢者じゃん?」


「そうですね。」


「俺のおかげじゃん?」


「そうですね。」


「お前は俺の弟子で、今や知らぬ者がいないくらいの大物になったじゃん?」


「前置きが長いですよ。」


「もうちょっとだけ。他の弟子達も立派な大賢者になってマジ有名になったじゃん」


「………」


「でも、未だにお前ら総出でかかって来ても師匠である俺に全く勝てないわけじゃん」


「師匠に勝てる生物はこの世にいません」


「そう、そうなんだよ。なのにさ、その俺がただの賢者っておかしくない?」


「………まあ」


「でしょ?本来なら大賢者でもおかしいくらいなのに、ただの賢者て……」


「師匠の魔法は大賢者に至った私達でも理解できません。凡人が理解できないのはしょうがないかと」


「もうこの際王女に頼んで俺だけの称号……超賢者とかいうの作ってもらおうかな」


「やめてください」


「爆賢者とかのほうがいいかな?」


「そういう問題ではなく。」


「わかった、こうしよう。アルティメット賢者。これなら文句ないっしょ?」


「………私達弟子からすれば、これ以上師匠が有名になるのは嬉しい反面、困るのです。」


「え、なんで?」


「………」


「あわかった。お前らあれだろ。俺が有名になりすぎて自分達の存在が掠れるの心配してんだろ。」


「………それでいいです。」


「小さいなー。小さいぞ。考えが小さい。第一大賢者なんて最近結構いるじゃん。ネームバリューもう既に掠れつつあるじゃん。」


「一国の王と同等の政治的干渉力を有するのが大賢者です。その存在は掠れるどころか益々重視されて来ています」


「さり気に自慢するなって」


「というか、全て師匠の弟子じゃないですか。弟子作りすぎですよ」


「いや育てんのが楽しくてね。」


「大賢者ってそんなにポンポンなれるもんなんですか?」


「いんや、まず無理。なれたとしても類稀なる才能を持った者が必死に必死に必死に努力して何十年もの月日を経て死ぬ間際に達するって感じ。」


「そんな類稀なる才能が結構いるとは思えないんですけど」


「ね。すごいよな。俺も各地飛び回っててびっくりした。アレェ!才能あるやつ多い!!って。そしたらつい育てちゃうんだよ。」


「…………でも私達結構な短期間で大賢者に至ってますが」


「そりゃお前俺がアルティメット賢者だからだよ。才能さえあれば後は導くだけだし。たやすし。」


「さりげなく自身をアルティメット賢者にしようとしないでください。しかし、なんとなく納得はできました。」


「っしょ?あーまじなんで俺がただの賢者なんだよ。ムカつくし魔王城に隕石落としたろうかな」


「魔王城だけで被害がすみそうにないのでやめてください」


「はぁー。地道に有名になってまずは大賢者になるしかないのかなあ。そうだなあ、とりあえず冒険者登録でもしてくるか…」


「くれぐれも有名になりすぎないでくださいね。」


「お前趣旨理解してる?」

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