無題
短いです。(千文字ちょっとです)
気分で書くので文はとても適当です。注意してください。
スライムは震えてその喜びを表しているようだ。スライム語を話せるわけではないので、事実かどうかはわからないが。
それにしても可愛い。一家に一台スライムちゃん、だ。
これは良い拾い物、いや良いスライムを拾ったかもしれない。
今見た限りではスライムに物理攻撃はあまり効かない。ゴムみたいに衝撃を受け流してしまう。
スライムのステータスを見ることはできないが、それでもゴブリン程度と戦うのなら守ってくれるだろう。
ステータスを見てみる。レベルが1上がっていた。
現在は2だがステータスの大幅な上昇はない。
これが普通なのだろうか、それともゴブリン自体が弱くて経験値が少ないのか。
多分後者だ。となれば少ない分だけ多数倒さなければいけないか。
危なくなったら逃げればいいし、スライムがなんとかしてくれるだろう。
死にたてでもう一度死ぬなんてまっぴらだ。できればチート級の力が欲しかったがそれはなかったし。
あったのは四聖獣の加護の二つのみ。
そしていつ手に入れたのかわからない鑑定眼と無限倉庫。
まあスキルの使い方がわからないから使えやしないが。
もしかしたら四聖獣の加護がとてつもないほどのチートなのかもしれない。現に生き返れたのも朱雀の力だろう。
鑑定眼ももしかしたらチートかもしれない。無限倉庫は……お察しだろう。
そこで一度考えをやめ、落ちたアイテムを拾いに行く。
なにか食料を落としたかもしれないから。それが日光で食べれなくなるなんてまっぴらだ。
グーっと腹が鳴る。空腹を知らせる鐘の音だ。
「あっ道具が落ちるだけじゃないんだ」
ゴブリンのいた場所にあったものは、毛皮だけじゃなく何故か葉っぱに包まった肉もあった。
でもいかんせん生肉を食す文化はうちにはない。
火が欲しい、それだけでサバイバルは楽勝じゃないだろうか。
もし無人島に、なんて質問があれば絶対に消えることのない火を求めるね。
魔法を使えれば、そんな淡い期待は不必要だ。さて、どうしようか。
リュックサックは俺を殺した王国が持っているのか、背にはない。
八方塞がりだ。戦おうにも力がでなきゃ意味がない。
あっちから俺は来たはずだ。俺から見て後ろ側、ならこの先を進めばほかの街にも行けるはずだ。
◇◇◇
そして俺は歩き続けた。
そんな大したことない勘に頼って。
だがそれは成功であった。二時間程度だろうか、その位の時間である一つの街の門が視界に入る。
魔物はゴブリンを三体だけ倒した。レベルは3になって、全ステータスはレベル1の時の五倍だ。
戦うのも悪くないと思いながら、俺は門の騎士に話しかけた。
「すいません、中に入りたいんですけど」
おじさんの騎士は俺を見て、営業スマイルのような笑みを浮かべる。
「ステータスを掲示してください」
出す方法はわかっているので表示する。もちろん、名前と職業レベル、テイム魔物の欄だけだ。
服の中に隠れていたスライムがぴょこっと顔を出す。
少し驚きながらもそれを見てうん、と首を縦に振り入口を開ける騎士。だが若い騎士が走ってきて、おっさんの反対側に立つ。
肩を掴んで笑いながら口を開いた。
「冒険者ギルドで首輪を買っておいてね」
そしておっさん騎士と共に入口を指さす。
「いいよ、入っても。ようこそ、エイトの街に!」
二人の声が重なり俺の耳に届いた。
そうして俺は初めての街に足を踏み入れた。
一応、この作品は20話から30話の間にしようと思っています。暖かく見守っててください。
ダンジョン編に入って終わりとなります。