宣戦布告
「全く…。お前以外は女だと言うことが
分かってないのか?」
騒ぎを聞いて寮の部屋に駆けつけてきた
今江先生に俺は呆れられる。
「ルームメイト居るなら居るって言えよ!
後、寮の場所とか教えられてねーし!
しかも、周りの皆よく見たら、護身用の剣
持ってるのに、俺だけねぇじゃねぇか!」
俺は先生に呆れられた事に納得いかず、
むしろ、学園側の準備不足を批判する。
実際、この部屋に居るのはルームメイトの子と
この騒ぎの発見者の雪花、今江先生だが、
実際、先生は抜きにしても、雪花も
ルームメイトの子も剣を持っているし、
寮に帰る途中で見かけた人達も、剣を
持っていた。
という事は、また学園側のミスじゃね?
そうだ、むしろ俺は被害者だろ。
…まぁ、ルームメイトの子には悪いと思うけど…。
「…本当なら、入学式の日に渡されるがな?
だが、入学式の日を間違えたのはどこの誰だ?
それと、普通は部屋に入るときに
ノックぐらいするだろ!
後、その言葉遣いは何とかならんのか?」
先生に正論を言い返され、俺は何も言い返せない。
雪花やルームメイトの子も俺に問題があると
言わんばかりに頷いていた。
「いやでも、この件の原因は…。」
納得いかず、先生に食い下がろうとすると…。
「涼ーくーんー?
確かに先生達にも至らなかった点が、
あるかもしれないけど、それは
…キミもだよ?…また、痛い事する?」
話を聞いていた雪花は、笑ってはいるが、
明らかにお怒りだ…。
ん?あれ?おっかしーなー?何か寒いなー?
「はい…。すいません…。
全て自分が至らなかったです…。」
結局、俺は素直に謝った。
まぁ、確かに入学式の日を間違えたのは、俺だし…。それと、部屋に誰か居るかもと
考えるべきだったな。
うん。そうだ。ここは引こう。
…だって、雪花怖いし…。
「うん♪偉い♪偉い♪涼くん」
「はぁ…。ま、こちらも落ち度があったな」
雪花と先生は許してくれたが…。
「納得いきません!
こんな変態を学園に置いとくのですか?
退学にすべきです!」
ルームメイトの子は許してはくれなかった。
…まぁ、そりゃそうか…。
あんだけ、触っちまったしな…。
しかし、良い体してたな。
なんつーか、日本人離れした…。
「何、見てるんですか変態!
気持ちが悪いです!
ニヤケながらこっち見ないで下さい!」
ルームメイトの子を俺はますます怒らせる。
…ヤベー、見てたー。
「まぁまぁ、ジュリアちゃーん?
涼くんも反省してるしさー?」
「名前で呼ばないで下さい!有原さん!」
雪花がルームメイトの子に俺を許してくれる
ように頼んでくれる。
…勿論、拒否だが。
俺も謝るか…。
…でも、ジュリア?だっけか?
名前で呼ぶなっつたし、どうしよう?
「えっと…。名前知らないすけど…。
許して下さい。
あ、後、俺、上本です…。」
とりあえずルームメイトの子に謝る。
「上本…。」「涼くん…。」
先生と雪花が残念なものを見るような目で俺を見る。
…?俺、ミスったか?
二人の反応が俺は納得いかなかったが、
問題はルームメイトの子だ。
この子にさえ許してもらえばどうでもいいや。
「あ、あり得ないわ!貴方!
この私を知らないっていうの!?」
…何故だか分からないが、ジュリアと呼ばれる
金髪少女はお怒りのようだ…。
「知らないも何も、初日居なかったし…。
自己紹介の場に居なかったんだし、
君の事は分からないよ。」
俺は素直に面識も無いし、分からない事を
お怒りの金髪少女に伝える。
「嘘でしょ…。せ、先生…。
私ってそんな無名だったんですか?」
俺の話を聞き、金髪少女は
今江先生に変な質問をする。
…そんな有名人だっけか?この子?
「はぁ…。安心しろ…。
少なくとも、入学試験3位で、
しかも、初めての留学生の生徒と
いうことで、注目されたお前を
知らんなんて上本ぐらいだ」
…ああ、成る程。だからか。
今江先生の話を聞いて俺は納得した。
そもそも、姫騎士を作ったのは、
日本だ。
今まで、国のお偉いさん達は、姫騎士の力が
他国に流出するのを恐れていた。
だから、日本人以外はこの学校に
入学が許されなかったのだ。
しかし、さっきも見たようにこの金髪少女は
能力者だ。
どーせ、堂上が興味を示して、
無理やり理事長権限とかで、留学生枠とか
作ったんだろう。
…まぁ、そりゃ有名人だわな。
…なら、何で、俺は知らないんですかね…。
あ、入学式居なかったからか。
まぁ後理由あるとしたら、
「俺は男って理由で試験会場が別でしたし、
しょうがないですよ」
分からない最大の理由はこれだろ。
俺1人で何人の試験官と闘ったか…。
「まぁ、それもそっか。涼くんは
知らなくても当たり前か~
むしろ、世界的に有名人は涼くんの
方だしねぇ?」
雪花がやれやれといった感じで、俺を見る。
「そんな事より、ジュ…その子紹介
してくれよ…。ルームメイトになるんだし」
俺はもう、この状況に疲れていた。
それに、飯食ってねぇから腹減ったし。
「貴方とルームメイトなんてゴメンよ!」
金髪少女はまだお怒りだ。
「まぁ…。落ち着け。ヒース。
彼女はジュリア・ヒース。
まぁ、名前の通り、日本人ではなく、
彼女はアメリカ人だ。
さっきも言った通り、入学試験3位。
…ああ、確か上本は2位だったか…。
だから、ヒースと同室な訳か…。」
今江先生が先生が俺のルームメイト…に
なるかもしれない人を紹介してくれた。
「あー…。俺、2位だったんすか。
だから、3位の彼女と一緒って訳ですか」
俺は話が読めてきた。
「そういう事だ。Aは1年の部屋という意味で、
入学試験の順位が高い者ほど、
部屋の番号が若い。有原、鍵を見せろ。」
「はーい♪コレがトップのあ・か・し」
今江先生の指示で、雪花が鍵を見せる。
その鍵を見ると「A101」と書かれていた。
…成る程。
「雪花が、正真正銘のトップって訳ね」
「そうだ」「そゆことー♪」
俺の問いに、雪花と今江先生が頷く。
「てことは、雪花だけが、1人部屋って訳か」
「まぁ、そだねー♪
あたしは襲いに来てOKだよ?涼くん?」
「行くか!誰が!」
…さっきみたいに痛い目に遭わされるだけだ。
「まぁ、そういう事だ。だが、上本。
学校で開かれる選抜戦や順位を掛けた
模擬戦で有原を超えれば良いだけだ。
逆に、超えられれば
部屋の質は落ちていくぞ。
…ふう。これでようやく上本に全部
この学園の大切な所は説明できたな」
「あー…。確かにこの部屋も豪華ですよね。
順位が落ちれば部屋の質が悪くなる。
上がれば良くなる。単純っすね…。」
ふーん。このシチュエーション燃えるじゃん。
「トップの部屋はいいぞー?涼くん?」
「まぁ、この部屋でも十分だけど、
いずれ雪花を超えるからな」
「いつでも掛かってきなさーい」
…うん。これにて一件落…。
「待って下さい。この男が私にした、
不埒な行為には何か罰があるべきなのでは」
ヒースさんはまだお怒りなの忘れてた。
「ヒース。すまんが、今回はこちらにも
落ち度がある。上本を許してくれないか?」
今江先生がヒースさんに頼む。
「すいません。ヒースさん。
すぐに雪花追い抜いて、この部屋から
出ていくんで、許して下さい」
「何だと~涼くん?アタシは負ける気
更々無いからずっと涼くんは
ジュリアちゃんと一緒だから、
許してあげて?」
「いや、おい」
雪花と俺もヒースさんに許しを乞う。
「嫌よ。絶対に嫌」
ヒースさんはそれでも許してくれない。
…段々、イラついてきたな。
更に彼女は続ける。
「大体、この世界で男が優れている
訳が無いのよ。
だから、貴方が私より強い訳がないわ。
さっきは、取り乱しただけなのだから、
余り調子に乗らないで。
遅かれ早かれ、結局貴方は下に落ちるわ。
だから、先に順位に落とせてラッキーね」
容赦ない罵声が俺に飛ぶ。
…クソ!何なんだコイツ!
「ヒース!」「ジュリアちゃん!」
今江先生と雪花も怒り始めてしまった。
「ふん!兎に角!私は貴方なんか…」
「その辺にしろ、クソ女」
俺は言葉を遮り、暴言を吐く。
「何?その態度は!?
貴方は、自分のやった事が分かってる?
これだから男は…」
「黙れよ」
また、俺は彼女の言葉を遮り
今度は俺が続ける。
「もう良い。面倒だからアンタと俺どっちが強いか
勝負しようぜ?
俺が勝ったら、2位のままでここに残る。
アンタが勝ったら、そうだな…。
俺は最下位の部屋にでも行ってやるよ」
俺は模擬戦の提案をする。
「あら、なら貴方、最下位転落決定ね。
…その勝負受けてあげるわ」
「は?2位の俺が余裕で勝つわ。3位が!」
このクソ女から勝負の了承を得た俺は煽る。
「ふん!精々虚勢を張っていなさい!
…先生?構いませんよね?」
クソ女は今江先生に確認をとる。
「はぁ…。やむを得まい…。
この模擬戦を認める!日時は明日の放課後!
双方異論は無いな?」
「はい」「構いませんわ」
模擬戦が認められ、俺らは了承する。
「ジュリア・ヒース。
俺が明日必ず勝って、お前のその
下らないプライドをへし折ってやるよ」
「あら、言うことだけは達者ですわね」
とりあえず、明日の戦いに勝てば
一件落着ってことに…。
「待って」
突然、雪花が物言いを付ける。
「何だよ!どうせこれしか方法は…」
「違うわ、聞いて」
雪花が真面目な態度をとるため
俺は聞くことにした。
「そもそも、模擬戦なんて出来ないよ?
良く考えなよ皆?」
「何故だ?」「は?」「何でかしら?」
突然、真面目になったと思ったら、
訳が分からない事を雪花が良い始めたので、
対応に困る俺達3人。
…いや、何でだよ。
しかし、すぐにそれが分かる。
「涼くん、剣貰ってないじゃん」
雪花の指摘は的確だった。
「そうだったぁァァァァァ!!!」
完全に忘れてた。しまった。
「貴方、明日私に必ず勝つのよね?」
笑いながらヒースが俺を見る。
…クソ!このヤロ~!
「上本…。とりあえず理事長室行くか…。
剣を取りに…。剣がなければ明日不戦敗だ」
今江先生が俺の肩を軽く叩き、慰めてくれる。
…あー勝てる気がしねぇわ…。