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終末捕食

                                        「銃弾(ブレツト)開発(モジユール)試験(テスト)?」

「そうだ。これからお前には銃弾に寄る遠距離攻撃を習得してもらう」

学校帰りに俺はスペルに言われた。遠距離攻撃?言っていることがよく分からなかった。

「そんなもんどこでやるんだよ。普通にやったら周りの人に被害が出るだろ」

「ああ。普通にやったらな。だが習得する場所はもう抑えてある」

「へースペルにしちゃぁ気前がいいんじゃない?で、どこで練習するんだ?」

俺はスペルに言われるがままついて行った。すると意外な場所に連れて行かれた。

「おい、ここって屋上だよな?」

「そうだがなにか問題でもあるのか?」

あれ?俺の期待外れ?場所は抑えてあると言われたけれど、学校の屋上って...てっきりどっかの廃工場

かと思ったけどまぁいっか。

「で、道具はどこにあんだよ。道具がなきゃ練習でき.....」

俺はスペルに言いたいことを言おうと思ったら急にスペルに手を引っ張られた。スペルは俺を引っ張りながら屋上に設置されているフェンスに向かって走って行った。その瞬間、俺の見ている世界が変わった。地面と空が反転した。

「ちょ、ちょーーーーーー!!!!!」

「静かにしておれ!集中できんだろ!」

「なにに集中してんだよ!落ちてるんだぞ!」

世界が反転した理由は簡単だった。地面へ垂直落下していた。

「あーもう!これ絶対に死ぬよね?完全に死亡フラグ立っちゃったよね?!」

俺はもう諦めた完全に死んだと思い、静かに目を閉じた。俺は願った。どうか来世ではこんなやつと出会いませんようにと。

「”開!”」





「・・・ん?」

「何をしておるのだ。さっさと歩かんか」

「あれ?たしか俺は学校の屋上からスペルと一緒に飛び降りて一緒に死んだはずなのに、現に俺は立っている。頭の上に輪っかあるわけでもない。じゃあここはどこなんだ?」

俺はわけのわからないとこに連れてこられた。

「おい。ここは一体どこなんだよ!まずは状況を説明してくれよ!」

「はぁ・・。うるさい奴じゃのう・・・・。ここはグランクラッド。通称GCと呼ばれておる場所じゃ。ここには研究所、図書館、それに戦闘用トレーニングルームが備わっておる。いわばゴースト対策基地と言ったところじゃろう」

俺は度肝を抜いた。俺の知らない事が次々と頭の中に入ってくる。本当にここが現実世界なのか?そのくらい疑ってしまうほど広い土地にこの施設が広がっている。

「で、そのなんだっけ。ブ、ブレ・・・・」

銃弾(ブレツト)開発(モジユール)試験(テスト)じゃ」

「そうそう!そのなんちゃら試験(テスト)っていうやつはどこでやるんだ?」

俺は少しワクワクしていた。現実世界にこんな施設があったなんて知らなかったからすごくワクワクしていた。

「ああ、ちゃんと部屋も用意してある。だが先にここの所長に挨拶しなければならん。それが人に対する礼儀というものじゃろう」

「へ~お前にも礼儀なんてあったんだ。意外だな~」

「う、うるさい!ゴーストの前にお前を血祭りに上げてやろうか?」

「ご、ごめんなさい!ゆ、許してくださいスペル姉さん!」

「ふん!都合のいい男め」

そう言うとスペルはツカツカ所長室へ向かい歩き始めた。さっきの瞬間、俺はまじで殺されるかと思った。それほどスペルの殺気は恐ろしいものだった。

場所は変わり、所長室。スペルとユウジは大きな扉の前に立っていた。

「・・・・・」

「なんだユウジ?まさか腰が引けておるのではないだろうな?」

「う、うっせ!そんな訳ねぇだろうが!」

ユウジは内心びびっていた。ヤクザみたいな人が出て来たらどうしようと。スペルは容赦なく大きな扉を力一杯押して開けた。恐る恐る部屋の中に入っていくとそこには大きな革製の椅子に座ってデスクワークをしている二十代前半の人が座っていた。

「誰だい。僕の部屋にノックもなしに入ってきたのは?」

ユウジはその人の声を聴いた瞬間、なにか感じるモノがあった。すごく聞き惚れてしまいそうなそんな声が聞こえた。

「申し訳ありません所長。ノックもなしに。無断で入ってしまい」

「いやいや、いいんだよスペルちゃん。スペルちゃんにはいろいろと助かっているしね」

「そう言っていただけるとありがたいです。イリーナ・スペルただいま帰還しましたハルト所長」

「任務、ご苦労だったね」

ユウジはあっけにとられていた。なんせイメージとは全然かけ離れていたくらいのイケメンが所長だった。

「初めましてかな?ユウジくん?」

んなっ!俺はまだあの人の前に姿を現していないのに・・・!

「は、はい!初めまして安城ユウジです!」

「ふはは、まぁそんなかしこまらないでいいよ。僕の事はハルトでいいよ」

ユウジはなんて心の広い人なんだと思った。

「さて、君たちはどうしてここに?」

「はい。次回の戦闘は遠距離からの射撃戦を行うため、その訓練をしようと思いましてここまで来ました」

「そうか。ならちょうどいい。君たちに話しておかなきゃならない事がある」

話の話題を切り替えた瞬間、ハルトの顔の表情が少し強ばった。

「君たちはすでに、二種のゴーストの討伐に成功しているね」

「はい。それとなんか関係があるんっすか?」

「うん。僕はゴーストの事についていろいろと調べていたんだよ。そしたらとんでもない事実が分かったんだ」

衝撃の事実?どっかのドラマの見過ぎなんじゃねぇのと思ったユウジ。だがそんな考えは次の瞬間、覆るのであった。

「ゴーストは千年に一度、生まれ変わるとそう本に書いてあった」

「つまりどういう事ですか?」

ハルトが話そうとしたその時、ユウジは二つの人影に気がついた。

「”終末捕食”」

スペルが声のした方へ向くと、ハルトが話始めた。

「君も来ていたのかアクセル」

「久しぶりだねハルト兄さん」

もう一人の声が聞こえた。その人はまさにハードボイルドな感じの服を着ている。年はユウジと一つ二つぐらい上の人だろ。

「紹介しょう。ブレイカーの空条ダイキくん。そしてスペルちゃんの同僚ですべての情報を頭の中に記憶している奇跡の少年、アクセルだ。二人はこの施設の中では知らない人はいないくらいの名コンビだよ」

「ハルトさん。こいつらがこの間言ってた新入りっすか?」

「そうだよダイキくん。君はもう先輩なんだからいろいろ教えてあげるんだよ」

ダイキは黙ってユウジの方を見た。まるで何かを物色するように。

「ところでアクセル。その終末捕食と言うのは一体なんなのじゃ?」

スペルは改めて終末捕食について質問した。終末捕食とは名前からして演技の良さそうな言葉ではない事は誰もが聴いて思うだろう。アクセルは少し周りを歩きながら説明を始めた。

「終末捕食。それはゴースト同士が捕食を続けることで、地球全体を飲み込むほどに成長した存在「ノヴァ」によって引き起こすとされる人類の終末理論。

科学的な根拠はなく、単なる風説に過ぎないと言われている。

グランクラッド本部からの公式発表では、理論上考えられる最大のゴーストに対しても「人間界」が破壊されることはないとされていないと僕は記憶している」

「じ、じゃあ!人間界が崩壊する事はないんだな!」

ユウジはそればかり気にしていた。なぜなら、人間界には数少ない友達や、ユキがその地で生きているから。幸せな未来を送ってもらいたいから。

「だがしかし、ここである問題がある」

アクセルがそう言い放つとユウジは顔の表情を少し濁らせた。

「ゴースト達が捕食を続け、最終的には宇宙を巻き込むほどの究極爆発「ノヴァ」を引き起こすと言われてる。だがそれはただの風説に過ぎない。だから僕はこう考えた。ゴースト達が捕食を続ける。すると、引き起こるのはノヴァではなく、ゴースト達の究極の存在が誕生すると考えた。それがもし起こった場合、人間界は完全に消滅する」

それを聴いたユウジは、血相を変えてアクセルの胸ぐらを掴んだ。

「それって・・・人間を見殺しにしろってことなのかよ・・・・人間を裏切って自分たちだけ助かるってことなのかよ!」

ユウジは泣きながら、アクセルに訴えた。だがアクセルはそう言った感情がまだ分からない。すると・・・・・

「おい、新入り」

泣いているユウジにダイキが近くに寄ってきた。ダイキはユウジの目の前に立つと手お振り上げた。ユウジは殴られるのかと思った。だが、思いとは真反対だった。

「俺たちで、なにか解決策を見つけようぜ。それが今、俺たちに出来る事だろ?」

ダイキは手を差し伸べた。ユウジに手を取り合って助け合おうと。ダイキはそう心に思っているとユウジは思った。するとハルトが咳き込みをし、自分の方に注目するように呼びかけた。

「君たちには、新たな任務を言い渡す。空条・アクセルペア、安城・スペルペア、両ペアは、お互いに終末捕食を止めるのだ!」

ハルトがそう言い渡した瞬間、大きな窓ガラスが割れ、砂埃と一緒に一体のゴーストの影が姿を現した。

「こんなところにまで・・!」

ユウジは剣を出し戦闘態勢に入ったが、ユウジの目の前にダイキが立っていた。

「お前達は下がってろ。ここは俺たちがやる」

「でも、ダイキさん一人で止められるか・・・・」

すると先程の爆風で飛んだ帽子を拾い上げ被りながらこう言った。

「止めてやるよ、俺が。いや、()()が」

するとアクセルがダイキの隣に来てこう言った。

「僕たちは二人で一つのペアで、二人で一人のブレイカーさ」

「いくぜ、アクセル」

そう言うとダイキは左の翼がある剣を、アクセルは右の翼がある剣を手に装備していた。そして二人はこう言った。

「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

すると二人は神速のようにゴーストに斬りかかった。それは目にも止まらぬ速さでゴーストを斬りつけ、ゴーストに攻撃を与え続けた。

「す、すげぇ・・・・」

彼らの戦いに唖然していたユウジの隣に、ハルトがやってきた。

「天使のような可憐な剣裁きで相手を魅了するアクセル。悪魔のようにすさまじい速さで敵を斬るダイキ。二人はブレイカー達の中でこう言われているんだ」

「次で決めるぜアクセル!」

「わかった!」

二人は、自分たちの剣を交互(クロス)させ、そして叫んだ。

天国(ヘブンズ)地獄(ヘル・ザ)制裁(サンクシヨンズ)!」

すると二人の剣にあった羽が大きく広がり、ダイキの方の翼は黒くまるで悪魔のような羽だった。

二人の放った斬激はゴーストに目がけて真っ直ぐに飛んで行き、それを食らったゴーストは真っ二つに引き裂かれ、光りの粒となって消えていった。







「まぁ、なんだ。これからも協力してがんばって行こうな!」

ダイキはユウジにお互いにエールを送るという意味の握手をしてきた。

「はい!俺、ダイキさんに負けないくらいに強くなって見せます!」

ユウジは差し出されていた手をがっしりと握り、そして強くなると誓った。

「そうだ、話の途中で悪いんだけど君たちに言い忘れていたことがあってね」

「なんすかそれって?」

「実はね、君たちの他にブレイカー達は存在するんだよ」

それを聴いたダイキとユウジはハルトに話の真相を聞くためにハルトに詰め寄った。

「一体、どのくらいいるんですか?」

「う~ん・・・ざっと三千人ぐらいかな?ハハハハ!」

ハルトは大きな声で笑った。その瞬間、ユウジとダイキがその場に倒れ込んだ。そしてユウジ達も笑い始めた。人間界の運命を背負われた二つのペアはどう立ち向かっていくのか?そしてここに新たなペア、空条・アクセルペアが加わり、事態は一気に加速していくのであった

今回、後書きを使い皆様に謝罪したいと思います。4ヶ月間も投稿を止めてしまいすいませんでした。前回の回を投稿してからスランプになってしまい、なかなか続きを書くことが出来ませんでした。本当にすいませんでした。今度から随時更新していきたいと思っています。ですが11月ぐらいから3月ぐらいまでまた投稿がストップしてしまいます。受験が近いのでそこの所はご了承ください。待っていてくれた読者の方々、長くなってすいませんでした。

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