第34話. 異世界の少年、地球で合否結果を確認する。
陽川高校の編入試験を受験してから2日後。合否結果当日。
リビングの窓から差し込む陽光が、リビングを明るく照らしている。待ちわびた日の当日で、家の中は静まり返っている。
昼食を終えた俺はソファに座り、セレスティアが陽川高校の編入試験を受けていたことに頭を悩ませていた。それに対して、美咲はリビングの時計を見つめながら落ち着かない様子をしていた。
「美咲?」
俺は美咲の名前を呼ぶ。
「……」
しかし、美咲の返事はない。
「美咲?美咲?おーい」
俺はもう一度美咲の名前を数回呼ぶ。
「……あ、ごめん。シンくん、どうしたの?」
美咲はハッと我に帰り、不思議そうな視線で俺を眺める。
「もう少し落ち着いたら?」
俺は美咲に優しい言葉をかける。
「うん……でも……やっぱり落ち着かないかな。今日は、シンくんが学校に通えるようになるかどうかが決まる大事な日だし。あの短期間であれだけ頑張っていたから、受かっていて欲しいなって。それに……」
「それに?」
「シンくんと一緒に学校行きたいから」
急にそんな発言は禁止だろ。
俺は美咲の言葉を聞いてそんな思いを抱き、顔を少し赤らめる。
どうやら美咲は時計ばかりを気にしていて、俺の今の表情には気づいていない様子だった。
15時00分。合否結果の公開時間。
「シンくん、時間になったよ」
時計の長針が12になった瞬間美咲は、パソコンの画面を立ち上げる。
「うん」
美咲が色々と画面を操作していくと、「合否結果を確認する」というボタンがパソコン画面上に表示される。
「シンくん、自分で押していいよ」
「う……うん」
俺は美咲からパソコンを受け取り、タッチパッドでカーソルをボタンの上に重ねる。
さっきまでは落ち着いていた俺の心が激しく鼓動し始める。
「よし……」
俺は一度深呼吸して、タッチパッドを優しくタップした。
『合格』
「っしゃ!」
「合格」という2文字を確認した俺は、思わず喜びの声をあげる。
「シンくん、おめでとう」
俺の隣で合否結果を確認した美咲は、俺を笑顔で祝福する。
「ありがとう」
「それじゃあ、今日はご馳走だね。私、いっぱい作っちゃうよ!」
美咲は袖を捲り上げてやる気満々の様子だった。
リビングの中は喜びの空気でいっぱいになり、俺はその夜、美咲によるご馳走を堪能した。
* * *
一方、シンと美咲が合否結果を確認している頃––––––––––
『合格』
パソコン画面に表示された2文字を確認したエレスティアは1人で呟いていた。
「久しぶりだなあ、日本の学校に通うのは。彼も受かってるといいなあ」
* * *




