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不思議の国の
卵を割り、フライパンの上へ落とした。卵がフライパン
へ着地するとともに、俺は衝撃を受けた。卵の黄身が青紫
だったのだ。ジュウと音を立てて焼けている"それ"を開い
た口が塞がらないまましばらくボンヤリと眺めていた。す
ると今度はフライパンの取っ手の部分がうねうねとさなが
ら蛇のように動き出した。思わず後ずさりした俺を見たの
かフライパン(?)はさっさと窓の方へと駆け出した。窓
にぶつかったと思ったその時、そいつは窓をスルリとすり
抜けあっという間に見えなくなってしまった。
読んでくれてありがとうございます。