プロローグ: 未来の出来事と研究所
これは未来の物語
2024年
東京都に仮想特区が造られる
2026年
イギリスで、人間の意識をデータ化して、保存することに成功
2038年
日本時間7月17日 イギリス、アメリカ、フランス、中国、ドイツ、カナダ、日本で、人間意識データ化保存法を公布
2047年
「データ化した人間の意識を別の肉体に移す」という論文が日本で発表される
2061年
アメリカで、データ化した人間の意識を別の肉体に移す実験が始まる
2114年
カナダで、空間に謎の亀裂が発生
2115年
スペインを始め、全世界各地で空間に亀裂が発生する現象が発生
2116年
4月
中国に発生した空間の亀裂から、人間が2名、耳が長い人間のような生物が1体頭部が犬で尾骨の辺りから犬の尻尾のようなものを生やした生物が1体現れ、中国政府に保護される
7月
保護した人間たちの話から、彼らはこちらでいうところの異世界からやって来たということが判明
11月
彼らの世界から人間の王族と呼ばれる人々が日本に来訪する
2117年
彼らの世界ことイスタニアの代表者とこちらの世界ことアースの代表者で、世界協力宣言ならびに世界平和条約を結ぶ
2167年
アメリカで耳が長い人間のような生物ことエルフの王族と異種族共同宣言を発表する
2209年
ロシアで頭部が犬で尾骨の辺りから犬の尻尾のようなものを生やした生物こと獣人の長と異種族保護条約を結ぶ
2305年
スウェーデンで 魔族の王族と魔獣保護条約ならびに魔獣保護法を制定
2482年
イスタニアの魔術により、データ化した人間の意識を別の肉体に移す実験が成功
2512年
クローン技術とバイオテクノロジー技術により、人間の体の培養に成功
2589年
ケニアで龍人族の王族と異種族保護条約を結ぶ
2647年
異種族の体の培養に成功
2769年
イスタニアの魔術師とアースの科学者によって、ワープゲートが完成
2841年
イスタニアの代表者とアースの代表者で異世界安全保障条約を結ぶ
2992年
アメリカでイスタニアの魔術を組み込んだロケットの開発が始まる
3011年
日本に「身体培養研究科」と「意識データ化研究科」が大学に設立される
3020年現在
精霊をベースとした身体の培養の研究が始まる
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東京都 檜原村 生藤山麓 培養研究所 ある1室
コンクリートの壁に囲まれた部屋
その壁には、様々な精密機器が設置され、その側には円筒型のカプセルが設置されている
カプセルの中には、緑色の液体が満たされており、その液体の中には管に繋がれた胎児が眠っている
部屋の中央には、周りにあるカプセルよりも二回り程大きな円筒型のカプセルが設置されている
その周りには、更に緻密な精密機器が設置されている
そのカプセルの中には、淡い光を放つ緑色の液体で満たされている
液体の中には、管に繋がれていない子どもがいた
部屋の中には、数名の白衣を着た研究者たちがいた
その内の3名は中央のカプセルの側で何か話していた
「なあなあ、聞いたか?あの噂。」
「あぁ、聞いたよ。あの噂、本当の話らしいぞ。」
「マジかよ!うっっっわ!最悪だなぁ〜。」
「ほんとそれな!最近むっちゃくちゃ物騒になってきたよな。」
「ほんと、最近増えたよなぁ〜。研究所襲撃事件。」
「おいっ!やめろ!その話をでかい声でするんじゃねえ!」
「悪りぃ。」
「たくっ。ほんと気を付けろよな!」
「そこまで怒ることか?」
「怒るに決まってるだろ!」
「最近、みんなほんっとうにピリピリしてるよなぁ〜。何?もしかして襲撃されるのが怖いのお〜?www」
「当たり前だろ!それと笑うな!襲撃された研究所からは、今まで研究してきた研究のデータが全て処分されたんだぞ!少しは危機感を持て!」
「ハイハイサーセンしたぁーwwwwwwwww」
「でもさ、流石に噂だからそこまでしないんじゃない?」
「だが、実際起きたんだ。」
「だったらさ、もっと大事にならない?」
「政府がこの事実を隠蔽しているから大事にはなってねぇよ!」
「んじゃ、安心だな。」
「はぁ?そんな訳ねぇだろ。ここもいつ襲撃されるのかわかんねぇんだぞ。バッカじゃねえの?」
「今直ぐ襲撃されたりして〜。」
「ハハッ!こんな時にフラグ立てんじゃねぇっつー(ドッガアアアアァァァン)のー…」
突然の破壊音
そして次の瞬間
ヴーヴー、ヴーヴー
赤いランプがつくと同時に警報が鳴り響き出す
そして…
「侵入者発見、侵入者発見。ただいま、この研究所は襲撃を受けています。研究員たちは、直ちに外へ避難してください。警備員は直ぐ様対処してください。場所は、中央棟5階502。繰り返します。…」
直ぐに辺りを見回すと、入り口付近の壁が壊されている
その壁の穴から、3人の人が現れる
全員黒装束でフードを深く被り、1人は覆面のような布を顔の前に下げ、1人は長いスカーフのようなものを首に巻き付け、1人は白い狐の面を被っている為、顔は見えない
だが、3人とも身長的に子どもに見える
この部屋に向かって来る警備員達
慌てふためく研究員たち
そして、壁の穴に佇む3人の襲撃者
部屋の中にいる研究員たちは、この混乱の中、冷静に状況を分析した
今分かること
この研究所が襲撃に遭ったこと
この部屋の壁が破壊されたこと
その壁の向こうから襲撃者が現れたこと
警備員たちがここに向かって来ていること
そして…
襲撃者が子どもであるということ
すると、白い狐の面を被った襲撃者が
「こんにちは、研究員さんたち。」
と、笑っているかのように言った。
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