第四話:また不運に巻き込まれることになりました
前回は魔王とその四天王が動き始めました。
前回とその前を見ていない方は是非とも宜しくお願い致します。
※今回は特別更新です
結局ドラゴンは持って帰ってギルドに出しました。
受付のローリエさん気絶してるし、冒険者の方々も興奮したり気絶したり混沌としてるよ。
「ぶぃ~!」
当の母さんはVサインしてるし・・・。
「なんだ! この騒ぎは・・・」
あ、何かいかついおっさんが来た。・・・誰だ?
「見ない顔だな。始めまして、冒険者ギルドマスターのギルティギアだ。よろしく頼む」
ギルドマスターだったのか!
「始めまして、アーサー・ペンリオと言います。こっちは母のメイプル・ペンリオです」
「はじめまして、ギルドマスターさん」
ニコッと微笑む母さん。いいぞ、好印象間違いなしだな。
「どうも・・・ってな、なんじゃこりゃぁ!!」
あ、ギルドマスターも驚いてるわ。やっぱり見た目がいかつくても驚くものは驚くのか。
折角の好印象が・・・。
「これはお前らがやったのか?!」
震えながらドラゴンを指差すギルドマスター。
「あ、それはかあ・・・」
「息子がやったの! 自慢の息子よ!」
どや顔でギルドマスターに嘘つく母。ちょ、ちょっと?!
「か、母さん!!」
時すでに遅し。母さんがドラゴンを倒した経緯を語り始めた、もちろん俺が倒したことになっている。
「すげぇぞ! 坊主!」
「ドラゴン倒すなんて英雄級だな!」
次々巻き起こる黄色い声援。は、恥ずかしい!!
「アーサー? 顔を隠さないで・・・」
誰のせいだよ・・・。
「なるほど、あなたがドラゴンを倒したのね」
冒険者ギルドの入口から声が聞こえた。とても嫌な気配だ。
『っっ!!』
その場にいた(母さんを除く)全ての人間が声のする方向を見た。
そこに居たのは上半身が二人に別れている明らかに異形の何かだった。
「魔王様の命令により」 「お前を殺す」
二人は交互に話している。
ん? 今殺すって言わなかった??
「『火球』」
そう唱えると火の玉がこちらに向かって飛んできた。
ドン!!
目の前で炸裂する爆発音。俺死・・・んでない。
母さんがバリアを張っていた。
「いきなり危ないじゃない。きしょいモンスターさん」
きしょいだなんて最高神が言うもんではありません。
「私たちの」 「『火球』を受けて無傷なんて」
驚きを隠せない異形のモンスター。
「女」 「名前は何?」
「名前を聞く前に自分が名乗ったらどうかしら?」
明らかにモンスターにガンを飛ばす母さん。最高神様、そういうの本当に良くありませんから・・・。
「私たちは」 「魔王四天王にして魔王城専属魔法使い」 「「サリファス」」
魔王四天王?! 四天王って冒険者初めてこんな早く来るものだっけ?
「『勇者』であるそこの男を殺すよう」 「魔王様に命じられた。だから殺す」
しかも完全に勘違いされていらっしゃる!
「よくわかったわね。そうよ! この子、アーサー・ペンリオは『勇者』なの!(私の中では)」
母さん何てこと言ってるの?! しかもそんな俺にしか聞こえないように言ったらダメだから!
「やはり」 「『勇者』」 「ここで殺す」
殺気を醸し出すサリファスという化け物。あ、俺死んだ・・・。
「大丈夫! アーサーならあんな雑魚勝てるから!」
母さん! 火に油を注ぐような事言わないで!!
これは戦いになりますね・・・うん、戦闘なんて初めてなんですが。
いかがでしたでしょうか。
四天王『サリファス』が来て遂に戦闘です。しかも勇者扱い! どうなることやら・・・。
是非とも感想等宜しくお願い致します。