第一話:冒険者になりました
冒険者になることを勧められた(ほぼ強制)アーサー。どうなることやら・・。
前話を見ていただきましてありがとうございます。サクッと読めるチート転生モノを目指していますので何卒よろしくお願い申し上げます。
母さんから言われ、突然ですが冒険者になることになりました。
「成人したら稼ぎぐらいは自分でやらないとね。いつまでもお母さんに面倒を見てもらうのも・・・お母さんはいいのよ? でも、世間の目的にそれはどうかなとお母さん思っちゃう訳で・・・」
・・・・・・。
「か、母さん・・・」
「でね、お母さん考えたの。やっぱりアーサーには一人前になってお母さんの自慢の息子だと世間にも胸が張れるぐらいの男になってもらいたいの。これも親心なのよ?」
こ、これは言わないと俺が死ね。
「母さん!」
「何? アーサー」
きょとんとする母さん。
「母さん、ここ冒険者ギルド・・・」
超絶恥ずかしい。授業参観ではしゃいでいる親を見ている思春期男子の気分だ。
周りを見るとニヤニヤと笑っている他の冒険者たちが。あぁぁぁぁぁ!! 恥ずかしいぃぃぃ!!
「おーい! 坊主! ママと一緒に冒険者になりに来たのかー?」
茶化してくるおっさん冒険者。こうなるから母さんと一緒に来たくなかったのに!
俺は顔を真っ赤にしてその場にふさぎこんだ。
すると急に寒気が・・・というかこれは『殺気』だ?!
「ねぇ。『私』の息子の何が面白いの??」
母さんはスッと急に無表情になり、視線だけで超級の氷魔法が放てそうなそんな恐ろしい顔になっている。美人だけに余計に怖い。
(や、やっば!)
母さんは怒ると一人称が『お母さん』から『私』という神様時代の話し方になる。
「か、母さん!!」
俺は必死に止めた。そりゃそうだ。下手したらこの世界が滅びる!
「あら、ごめんね・・・。お母さん反省」
何とか怒りを収めてくれた。生きた心地がしない。現にあの視線を向けられたおっさん冒険者は泡を吹いてぶっ倒れているしな。
あれ、大丈夫か?ショック死してなきゃいいけれど・・・。
昔、母さんについて調べたことがある。
母さん・・・原初神にして最高神コスモスは沢山の世界を創った。一つ一つの世界に神々と生命体を創造し、その神々に統治をさせたという。
母さんとこの異世界に来たときはこの世界担当の神々がすっ飛んできて土下座してきた。その光景を見ると母さんは本当に偉いというのが嫌でも分かった。
またコスモス神は全生命体はもちろん、神々にも恐れられいる。それは偉いとか森羅万象の母とかそういうことだけではない。
コスモス神が真に恐ろしいのは世界をいとも簡単に『破壊』できることだ。
コスモス神の怒りに触れて、滅んだ世界がそれこそ星の数ほどある。それをコスモス神は淡々と、無感情に、そしてまるで息をするが如く簡単に行うことに神々は恐れている。俺もこの異世界での生活を始めてから一度だけ見たことがある。普通に
「【破壊】」
と一言。無表情で言っていただけで世界が滅んだ。理由は
『担当の神の一柱が私の息子を千里眼で見て鼻で笑ったから』
そんな理由であんな簡単に世界を滅ぼすこと。そしてあの『表情』。氷なんて生易しい程に冷たくて、底が見えない・・そんな表情だった。
どんな神話体系にも創造神と破壊神がいる。しかし、コスモス神のそれはその範疇にはおらず、正に『神』そのもの。だから最高神なのだ。
絶対に母さんを怒らせてはいけない。
『おっさん冒険者に息子が馬鹿にされてイラッっと来たので神々や全生命体ごと世界破壊しちゃいました★』
とか本当にシャレにならない。
そんな事を考えていたら母さんがカードを持ってきた。
「はい!ぼーっとしていたからお母さん、登録しちゃったわ」
誰のせいで考え事をしたと思っているの? ・・・ん? 何これ。
「冒険者カードよ。これでランクとパーティーメンバーが分かるみたいね」
いや、それは見たら分かるけれど・・・。
「ねぇ、母さん」
「なぁに?」
「なんで俺と母さんがパーティー組んでいるの??」
「・・・・・・てへっ♡」
『てへっ♡』じゃないわぁぁぁ!!
「どこの世界に母親とパーティー組んで冒険者やるやつがいるんだよ!」
「え、でもお母さんとパーティー組んで冒険している転生者もいたわよ」
それは小説の話! 都合よく解釈しないで!
「というか自立させる話はどうしたの?!」
「自分の体で働くという意味なの。親離れなんてお母さん認めません!」
そんなぷりぷり可愛く怒ってもダメだから!
神様、俺はどうすれば・・・。あ、目の前にいたわ、最高神が。
はぁぁぁ。前途多難だなぁ。
いかがでしょうか。
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