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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第六章 伝説との契約
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魔法の説明

 私は魔法陣から出て服を着直す。

 着終わった後、池の近くにあった細い倒木に座り、ネロアさんが用意してくれた水で落ち着いていた。


 そんな私を見ていたオリジン様が、魔法について説明を始めた。


「まずあなたは我々精霊と契約を成した事で、アイラさんの中にあった微量の魔力が大きく底上げされ、魔法の発動が可能となりました」

「ハルク様から説明を受けた事があるのですが、内容は一緒ですかね?」

「どのような説明を受けましたか?」

「水たまりを作る要領で洪水を起こせるとか言ってました」

「またざっくりすぎる説明…」


 オリジン様は自分の額を抑えながら呆れた表情を見せる。この呆れはハルク様に対するものだろう。


「確かにハルクの言っている事も間違いではありません。やろうと思えば災害級の魔法を発動出来ます。

 しかしそれは精霊だけでなく、神獣とも契約を交わして自身の魔力量を限界ギリギリまで上げなくてはいけません。

 でも精霊と契約しただけでも、この世界の人々の中でもトップクラスの魔法が発動出来ますよ」

「そうなんですか。確か魔法ってその事象を想像して発動するんですよね?」


 この世界の魔法の発動には詠唱は存在せず、頭の中にその事象のイメージを浮かべながら発動する事が出来る。

 だからといって、想像力豊かだから魔法が強いというわけじゃないけど。


「ええ、確かにそうです。あなたの場合神力が魔力と混ざり合っているので、欠点も克服出来ますよ」

「欠点の克服?」

「例えば爆発魔法を放った場合、自身の手に発動してから、放って爆発させるところまでを想像し続けていなければなりません。つまり魔法を一回発動したら、その魔法が効力を無くして消えるまで目を離せないのです。要は身動きがとれない。これが魔法の欠点です」


 これ聞いた事ある。この世界の魔法の原理だと、発動から消滅まで魔法の様子を見なくてはならない。発動後に気を逸らしてしまうと、その瞬間魔法は消える。

 魔法を放った者は、その間動けずに集中攻撃されるリスクがある。仮に移動出来たとしても、前方不注意は免れない。

 魔法における絶対的な欠点なのだ。


「神力のある魔法の場合、同じように爆発魔法を放ったとしても、発動と同時にその標的を見てさえすれば、後は魔法が自動的に動いてくれます」

「はい?」


 魔法が自動で動くってどういう事?理解に至れない。


「例えば一軒の家を的にしたとして、アイラさんが放った爆発魔法は、その家にたどり着いた瞬間に勝手に爆発します。本来は放った者の想像がないと爆発しませんから」


 あ~、そーいうことか。本来やるべき魔法の作業を省けるって事だ。

 それなら魔法を放った直後に移動も可能だな。気を逸らして良いんだから。


「後は標的が移動する物だったら追撃してくれますし、アイラさん自身が止めたい場合は、止まるよう願えば勝手に消滅してくれますよ」


 ……なんて賢い神力魔法。


「ご理解いただけましたでしょうか?次に魔力経由を教えますね」

「魔力経由?」


 聞いた事ない言葉だ。経由ってどういう事だろう?


「実は魔法は発動する前、大気中にある魔素や物質等を経由して発動する仕組みになっているのです。例えば火属性魔法の場合、人から魔力が放たれ、その魔力が一旦魔素から魔素へと飛び、火と関わり合いのある物質のもとへと向かいます。そこで火の力を手に入れた魔力は再び魔素を飛び、発動しようとしている人のもとへと戻ります。その瞬間、初めて火の魔法が発動します」


 う、う~ん…。頭痛い~。解ったような…、解らないような…。


「アイラさんの場合、経由ルートが違います。魔素ではなく小精霊へ飛びます。そして物質ではなく我々精霊のもとを通り、再び戻ります」

「は、はぁ」


 きっとすごい事なんだろうけど、理解に至れてないから分かんない。


「経由速度も、人が走る速度を通常と考えると、アイラさんの経由速度は光並です」

「魔法発動速度が早いってことですね?」

「その通りです。どの精霊を経由するかは、魔法の属性で別れます。

 火や炎、熱等であればアグナ。

 水や氷等であればネロア。

 風や植物系であればシルフ。

 土系全般はベヒモス。

 光系全般はルーチェ。

 闇系全般はパリカー

 元素や物質はマーナ

 回復魔法や強化魔法、状態異常魔法等は私となります。

 なお、アイラさんの中にいるスルトは、街や国等の広範囲の破壊が必要になった時、またはそれと同等の事が発生した場合のみ、アイラさんに強力な身体強化を施してくれます」


 全然ピンと来ない。頭に入って来ない。理解に至らない。


「……混乱してらっしゃる様子ですね。説明を聞くよりも実践してみた方が理解しやすいかもしれませんね。実際に基礎的な魔法を発動してみましょうか」

「でも私、一切魔法の制御とか分かんないですけど…。間違って大きな魔法放ったりしませんかね?」

「それに関してはご安心ください。今回は私が遠隔操作で制御しますから」


 いや、人の魔法を遠隔操作とか恐いわ。まるでハッキングじゃん。

 恐ろしい能力持ってんだな。オリジン様は。


「ちなみにアイラさんは神の眷属なわけですから、そのうち魔法遠隔操作も覚えますよ」


 私にも出来るんかい。その技。



 こうして、精霊達による魔法講習が始まった。

 ……私、そろそろ眠気が強いんですけど。

 今回投稿の8月26日で、初投稿からちょうど半年が経ちました。

 今日までお読みいただいた方々には、心より感謝申し上げます。

 まだ物語は続きますので、引き続きよろしくお願い致します。

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