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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第六章 伝説との契約
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精霊との契約

 森の中を歩いているうちに、前方が明るくなっている事に気が付いた。

 陽が差し込んでいるわけではなく、その部分だけ明るい状態。そこ以外は真っ暗だ。


 オリジン様と一緒にその場所へ到着すると、そこには大きめの池があった。

 その池を中心として周りの木々にもの凄い数の小精霊達がいた。もう隙間無いくらいギュウギュウ。

 ここだけ明るいのは小精霊が集まって発光しているためのようだ。

 小精霊ってこんなにいるんだね…。


 そして、私とオリジン様の前には、複数の神秘的な雰囲気を纏った者達がいた。


「あの方々が…」

「精霊ですよ。ここが目的地です」


 オリジン様とともに、精霊達の前に行く。


「お待たせしました、皆さん。お連れしましたよ」

「この子が私達の契約者ね。ふぅん、確かに普通の雰囲気じゃないわね。初めて会ったのにこっちが下に感じるわ」

「はるばるお疲れ様でした。こちらをどうぞ」

「あ、ありがとうございます」


 オリジン様が精霊達に声をかけ、赤髪の気が強そうで品の良さそうな女性が私を興味深そうに見てくる。

 その隣にいた青髪の女性が水をくれた。コップは木で出来ていた。

 ずっと歩いてきたので、水が身体によく沁みる。


「皆さん、彼女がこれより我々精霊の契約者となります。アイラです」

「初めまして。よろしくお願いします」


 オリジン様が私を精霊達に紹介し、私も挨拶をして頭を下げる。


「随分落ち着いているのね。私は火の精霊、アグナ・エリートよ。よろしく」


 火の精霊アグナさんは、さっき私を興味深く見てきた女性。

 赤色のウェーブのかかった髪をそのまま流していて、目の周りにもわずかに赤い模様がある。

 肌の色は人間と変わらず、赤色と黄色とオレンジ色が混じった色のドレスを着ている。

 高貴ながらも気が強そうな感じで、貴族の令嬢とかにいそう。


「よろしくお願いします。アグナさん」

「ええ、よろしく」


 一応丁寧な対応をしておいた。何か言われるかと思ったけど、微笑みながらすんなり受け入れてくれた。

 見かけによらず優しい方なのかしら?


「私は水の精霊、ネロア・ウンディーネと申します。お願いしますね。アイラさん」


 水の精霊ネロアさんは私に水をくれた女性。

 青髪のストレートヘアーで肌が純白。

 格好は服を着ているというよりも、青色の何かが肌にくっ付いているような感じに見える。

 物腰が柔らかそうな、おしとやかな精霊だ。常に落ち着いている大人な雰囲気。


「お願いします。ネロアさん」

「はい。末永く」


 ネロアさんは笑顔を見せてくれた。その優しそうな微笑みはまさに大人の女性。


「あの…、私は、風の精霊の、シルフ・ウェントゥって言います。その…、お願いします…」


 風の精霊シルフちゃん。恥ずかしそうに自己紹介してきた。超カワイイ~。

 緑色の髪を首上辺りまで伸ばした、6歳か7歳くらいの見た目の女の子だ。

 格好は身体中にツタや葉っぱを巻きつけたような状態になっている。

 着ているというより巻いている?


「よろしくね。シルフちゃん」

「あぅぅ…。よろしく…です…」


 私が頭を撫でると、シルフちゃんは恥ずかしそうに俯きながら答えた。

 控えめで恥ずかしがり屋な性格なのかな?それがまたカワイイけど。


「俺様は土の精霊、ベヒモス・ノーム様だぁ!よろぶえぇ!!」


 なんかエラそうな態度のこいつが土の精霊らしい。ベヒモスって言ったか。

 見た目完全にモグラなんだけど。身体半分土の中だし。

 しかもなんでサングラスかけてんの?モグラなら必要性無いでしょ?

 そんなこいつは威張った自己紹介が終わる前に、ネロアさんに水をかけられた。


「冷てぇな!ネロア!何しやがんだ!」

「すいません。なんだかムシャクシャしたもので」


 ベヒモスの抗議にネロアさんは笑顔で答える。

 ネロアさんのムシャクシャは、多分ベヒモスの威張った自己紹介のせい。


「ったく!ビショビショじゃねえか…」

「乾かしてあげるからじっとしてて」

「いや大丈夫!必要ないから!やめて!熱い!熱いからやめろおぉぉぉ!!」


 ビショビショになったベヒモスを乾かそうと、アグナさんが手に火を起こしてベヒモスへと近づけた。

 ベヒモスは慌てて地上に出て走って逃げた。

 いやお前モグラだろ。潜れよ。


 約20秒後。ベヒモスは戻ってきた。地上を歩いて。


「はぁ…、はぁ…、まったくどいつもこいつも…。とにかくよろしくな!俺に惚れるなよ?」


 息切れしながら戻ってきて文句言ってると思ったら、私に変な決めポーズをキメてきた。


「惚れるわけないでしょ。何ありえない事言ってんの?気持ち悪い」

「冗談キツイぜ。俺に惚れてるんだろ?」

「いいえ、全く」

「惚れてるんだろ?」

「全然」

「惚れてるって言えよ」

「サングラス割られるのとストレートにぶん殴られるのとどっちが良い?」

「すいませんでした」


 なんか変な事言ってきて変な脅ししてきたから、選択肢をあげたら謝罪してきた。

 とことん変な精霊。いやモグラ。


「まったく、ベヒモスはもう少しおとなしくしなさい。アイラさん、残りの者は会話が出来ませんので、私から紹介します」


 オリジン様はベヒモスに注意した後、残りの精霊を紹介し始めた。


「まずこの子が光の精霊、ルーチェ・アスカです」


 ここに来た時からやたら眩しい存在だったのが、光の精霊ルーチェ。

 人の形こそ認識出来るけど、眩しくてほとんど見えない。目がチカチカする。


「この子が闇の精霊、パリカー・シャドウです」


 闇の精霊パリカーはルーチェと真逆。暗くて見えない。

 なんか黒い靄みたいのがずっとかかってて、全然形が分かんない。


「それと、目を凝らせば何とか見えるのですが、ここにもいます。空間の精霊、マーナ・クロノスです」


 オリジン様が示す所には何もない…と思いきや、目を凝らすとうっすらと、本当にうっすらと人の形だけが見えた。確かにその位置からは気配があったけど。

 そんな空間の精霊マーナは…、見えない。うん、それだけ。


「あともう一体いるのですが、そもそもの実体がない精霊なので、契約後に紹介します」

「はい、分かりました」


 実体のない精霊もいるんだ。こうして見ると、精霊達も個性的だなぁ。


「では紹介も終わったことですし、契約といきましょうか」


 いよいよ精霊と契約する時だ。

 オリジン様は池の水面に大きな魔法陣を作り出した。


「アイラさん。服を全て脱いで、あの魔法陣の中心に行ってください」

「あ、裸にならなきゃダメなんですね?ベヒモス、変な目で見ないでよね?」

「見ねえよ!そんな事したら殺される事くらい俺にだって分かるわ!」


 ベヒモスのツッコミはとりあえずスルーしといて、一糸纏めぬ姿になって魔法陣の中心に行く。

 私が中心に着くと、オリジン様を含めた全ての精霊が私から一定の距離を置いた所で立っていた。


「アイラさん。その場で膝をついた状態で座ってください。手はお祈りをする時の形で。

 そしたら目を瞑って動かないでください。指示あるまで何を感じても絶対に動かないように」


 私はオリジン様の言う通りに座って目を閉じた。

 オリジン様が何やら呪文らしきものを唱えているのが聞こえて、精霊達が何かし始めたのも音で分かった。

 でも言われた通り、私はじっと姿勢を保ち続けた。


「…!」


 私の中に何かが流れ込んでくるのが分かった。

 とても強いエネルギーのような。そして身体中が熱い。いや寒い?

 身体の体温がおかしくなっているのか、熱いのか寒いのかすら分からない。

 この状態はしばらく続くのだった。










「もう良いですよ。目を開けてください」


 オリジン様に言われてゆっくり目を開けると、周囲の光景は目を閉じる前と変わってない。

 でも自分の身体を見て驚いた。

 身体中に大量の紋様や文字らしきものが浮かび上がっていたのだ。様々な色で光っている。


「契約は成されました。これであなたは全ての精霊の正式な契約者となりました」

「あ、はい、どうも。あのこれ、消えたりしないんですか?」


 私は身体の紋様が消えないか焦った。もし消えなかったらヤバい。


「消えますよ。紋様が無い状態の自分の身体を想像してください」


 オリジン様に言われるがまま、自分のもとの身体を頭に浮かべる。


「あ、消えた…」


 するとあっさり、紋様は私の身体の中に溶け込むように消えていった。


「それと、先程申し上げた実体のない精霊も契約済みなので」

「そうなんですか。今どこに?」

「あなたの身体の中にいますよ」

「え!?」

「そういう精霊なのです。契約を成した者の体内に宿る精霊。その名は終焉の精霊、スルト・ハーデスと言います」


 終焉の精霊って。イメージつかないし恐いんだけど。どんな精霊なわけ?


「そのスルトって、どんな精霊なんですか?」

「そうですね…。どうと言われましても、実体がないとしか…」

「じゃあ、どういう力を持ってるんですか?」

「それでしたら、これから私を含め、精霊がそれぞれどんな力を持つか、契約をしたことでアイラさんが何を得るか、説明致しましょう」

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