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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第五章 新たなる舞台へ
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正式就任

 閣僚との初顔合わせから三日後。

 私はシャロルに手伝ってもらうかたちでドレスを着ている。

 今日は私が正式に国家総合監査長官に就任し、セリアから侯爵の地位を賜る日なのだ。


 ちなみにドレスとヒールやアクセサリー等一式は今回もアリスからのレンタル。

 昨日セリアが言っていたのだけれど、私の服を作り始める際、ドレスを作る事も考えたんだそうな。

 しかし日常生活面を重視して服作りに臨んだため諦めたんだとか。

 近いうちドレスを作りたいとセリアはお風呂で語っていた。

 そんなセリアは先に謁見の間へ向かい、玉座で私が来るのを待っている。


 アプテさんにメイクをしてもらって、スンテノさんに髪型を整えてもらった。

 今回の髪型はストレートヘアー。一切結んでない。でも髪飾りは付けている。


 そして今日はノワールも天神界メンバーも正装。

 天神界メンバーはみんなレンタルの服を着ているけど、ノワールはレンタルではない。

 彼女はドレスを元実家のヘルモルト邸から持ってきていた。なんでも姉のレイリー嬢が所有していたドレスなんだとか。

 という事はノワールにとってそのドレスは、自分の姉の形見ということになる。

 レイリー嬢まで黒い服着てたのか。なんで姉妹揃って黒色ばかり?


 そんなノワールも『国家総合監査員』に就任する事が決まっている。つまり私の部下。国家総合監査会のメンバーということになる。しばらくは私の仕事のサポートだ。

 シャロルは私の専属メイドということで変わらず。でも謁見の間には行く。







 別館から移動し、私達は今、謁見の間の扉の前にいる。

 まずは私が役職と地位を賜り、その後にノワール、シャロルと天神界メンバーという順になっている。

 天神界メンバーには既に私が考えた性を教えており、正式にそれを名乗る事が決定している。


(久々に緊張する…。これで私、正式にグレイシアの人間になるんだ…)


 扉が開いて中に入ると、大勢の役人や兵士が並んでいた。奥には会議で会った閣僚達の姿も。

 そして一番奥の玉座にセリアが威圧感満載で座っていた。

 周囲には側近のメンツもいる。


 中心のレットカーペットを歩き、セリアの前に着いた私は、膝をついて座って頭を下げる。

 直後、セリアが発言する。


「私の誘いに応え、隣国より来たれしそなたに、新たなる性と侯爵の地位を与える。今後はアイラ・ハミルトンと名乗り、ハミルトン侯爵として励むが良い。

 同時に新たなる役職、国家総合監査長官の職を言い渡す。私の新たなる側近として使える事、誇りに思うが良い」


 女王として堂々と話すセリアだけど、私には彼女がセリフを噛まないように必死なのがよく分かる。

 時々噛みそうになってたよ?


「新たなる性と侯爵の地位および役職、喜んで頂戴致します。また、女王陛下のお傍で働けること、心から嬉しく思います。女王陛下のため、グレイシアの民のため、グレイシア王国の安寧のため、誠心誠意全力を持って職務に励む所存でございます。これよりどうか、よろしくお願い致します」


 何とかスムーズにセリフ言えたけど、途中で一瞬セリフが飛んだわ。あぶね~。


 セリアは玉座から立ち上がり、私のもとへ近づくと、私に手を差し伸べて立つように促してきた。


「アイラ、段の中腹まで登ったら反転して」


 立ち上がった私にセリアは小声で指示してきた。指示通り、玉座までの階段中腹で役人や兵士がいる側に振り返る。

 同時にセリアが大きめのボリュームで話し出す。


「皆の者!これにて彼女は新たなる同志となった!国家総合監査長官は宰相と同格、時と場合によっては女王である私と同格となる!これよりアイラの発言は私や宰相の発言と同じ事と思え!良いな!」


 役人や兵士からは特に反応なし。まぁ、わざわざこの場で反応する人なんていないだろうけど。


「アイラは玉座の隣に立って。あそこの玉座とリリアの間」


 再びセリアは私に小声で指示した。言われた通り、玉座とリリアちゃんの間に立つ。直後、セリアが玉座に座り直す。

 こうして立ってみると、ホントに女王の側近なんだって思う。すごい新鮮。


「お疲れ様でした。問題なく言えましたね」

「途中で言葉が浮かばなくなっちゃって、内心かなり焦ったけどね」


 リリアちゃんが小声で労いの言葉をかけてくれた。

 様子を見るにリリアちゃんはこの空気に慣れているようだ。すごいな~。


 その後、ノワールが国家総合監査員に正式就任。続くようにシャロルが私のメイドに正式就任。

 さらに、天神界メンバーの役職と正式就任が発表された。

 本来は重要な立場に就任する人でない限り、謁見の間で言う事はないが、「どうせだからまとめてやっちゃえ」というセリアの案で、全員同時就任発表となった。


 これで、私を含めて来客扱いだった人全員の職が決まった。




 私 ハミルトン侯爵当主兼国家総合監査長官

 シャロル・バレスタイン 私の専属メイド

 ノワール・サンドロット 国家総合監査員

 スンテノ・ジーメンス 城内使用人および兵士専門散髪師。

 エウリア・ジーメンス 別館専門警備兵

 メリッサ・ジーメンス 別館専門警備兵

 アテーナ・ホライゾン 私の専属護衛騎士

 アルテミス・クロスナー 私の専属護衛騎士

 ヘルメール・プランタン 農業、林業、畜産、漁業、水産業の専門アドバイザー

 アプテ・プロテニア 私とセリアの専属メイクアップアーティスト

 へーパトス・ラッセル 王国工業部門所属の鍛冶師

 へーメス・ミハイル 国家専属交渉人





 任されている仕事が無い時は、他の人の仕事を手伝う事になっている。人手不足らしいし…。


 こうして就任式は終わった。

 セリアも緊張してたみたいで、別館に戻ってきた後、グッタリしていた。


「お疲れ。あんたも緊張してたわね。リリアちゃんは平然としてたけど」

「リリアは特別なんだよ~。あいつ何故だか知らないけど、昔からあーゆう場所平気なんだよ~」


 そうなのか。不思議なもんだなぁ。


「アイラ~、疲れた~。癒して~」

「はいはい。相変わらず甘えたがりなんだから」


 セリアは私に抱きつく。私はセリアを受け止め抱き返し、彼女の頭を撫でる。


 これでようやく地に足が付いた。あとは精霊、神獣、神龍だ。

 果たしてどういった事が起きるのやら。

 以上で第五章は終了となります。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 今後ともよろしくお願い致します。

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