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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第五章 新たなる舞台へ
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色々決まった日

 天神界の人達が城へやってきた次の日。

 ノーバイン城の閣僚会議室に女王であるセリアを筆頭に閣僚達が集まった。

 議題内容は、突然やってきた者達の処遇をどうするか。つまり天神界から降りてきた人達の対処だ。


 数時間に及ぶ会議の結果、やってきた9人全員をグレイシアの民として迎え、グレイシアのために働いてもらうことが決まった。

 閣僚の一人であり、グレイシア国家実質ナンバー2である宰相のオルシズさんも当然会議に参加していて、会議終了後に私に会議の様子を教えてくれた。


「突然この国に現れ、どこの馬の骨かも分からない集団ということもあって、閣僚のほぼ全員が警戒心から反対をしておりました。ですが女王陛下が反対者の意見をかなりの威圧で潰しまして、会議後半には陛下から凄まじい殺気を感じるようになりまして、結局反対者方はその威圧と殺気に負けて折れました」


 ということだそうな。

 反対する人達の意見はごもっとも。突然現れたのだから無理もない。

 にしても威圧で意見を黙殺するのは解るけど、殺気まで放つって何があったのよ…。

 どうにせよ、今回の会議はセリアの威圧感が活躍するかたちとなった。

 ちなみに天神界メンバーが希望していた役職や役割も、セリアが圧をかけた状態で半ば強制的に決めたらしい。完全に独裁だな。こりゃ。

 同時にシャロルの私の専属メイドとしての確定や、ノワールの新しい役割も決定したそうな。


 その天神界メンバーの役割だが、それぞれの着任は私がグレイシア貴族になって国家総合監査長官に着任してからという流れになった。


 でもって、色々決まったこんな日に私は何をしているかというと…。


「う~ん…、う~ん…」

「お嬢様、一度少し休憩された方が良いかと…。でないと良い性は浮かばないと思いますよ?」

「そうなんだけど~…、もうちょういで閃きそうな気がするのよ。う~ん…」


 私はずっと別館のリビングで唸っていた。実は天神界メンバーの性を考えていたのである。

 天神界メンバーには名があっても性がない。あそこで性があるのはハルク様だけ。

 彼らも生前には性があったはずなんだけど、忘れてしまったらしい。てか、降りるんだったら性くらい事前に考えとけよ。まったく。

 それで天神界メンバーから性を決めてほしいと頼まれて悩んだものの、本人達は考える気ゼロのようだし、他に頼める人もいない状態だったので、引き受ける事にした。

 さらにノワールが自分の新しい性が浮かばないと言い始め、私に性決めを依頼してきた。

 最終的に総勢10人の性を私が決めなくてはいけなくなり、リビングで考え込んでいたのである。

 私の行き詰まり具合を見ていたシャロルが休憩を薦めてきたので、私は休憩をする事にした。


「私だってそう簡単にポンポン浮かぶわけじゃないっての。まったく」

「アイラ様がイラついてらっしゃるのはめずらしいですね」

「私に性決めを頼んできた本人がなんでくつろいでんのよ。くつろぐ暇があるなら考えなさいよ」

「私はもう限界です。もう何年経っても決まりません」

「へぇ~、そう。考える気がないなら適当に恥ずかしい性にしておくから」

「すいません。必死に考えますのでお許しを」


 文句を言う私の向かい側で、ノワールは思いっきりくつろいでいた。

 全く自分の性を考える気がなさそうなノワールにイラついた私は、軽く脅しをかけた。するとノワールはすぐに謝罪してくつろぐのを止めた。


 結局私は、一日がかりで10人の性を考えた。

 朝から考え始めて、終わる頃には陽が落ち始めていた。


 考え過ぎて頭痛い…。

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