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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第五章 新たなる舞台へ
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食事について

 視点がアイラに戻ります。

 しばらくくつろいでそろそろ夕食時だと感じた頃、宰相のオルシズさんとセリアの補佐をしているリリアちゃんがやってきた。

 リリアちゃんは何やら大きなカートを押してきた。


「失礼します。本日の職務を終えましたので、ご報告に上がりました」

「おじゃましまーす!ちょうど使用人さんが夕食を運んできていたのでお持ちしました!」


 リリアちゃんが押してきたカートには、私達の夕食があるらしい。


「今日はオルシズもリリアも一緒に夕飯だよ~。あ、そうそう。今日と明日以降の食事はそこのキッチンを使うから。よろしく」


 セリアはそう言うと、私の肩に手を置いてきた。

 つまり明日以降は私が作れと?


「アイラ、前世での料理の知識は思い出せてる?」

「思い出せてるけど、この世界に生まれてからは一度も料理してないわよ」

「じゃあ、ブランク克服のためにもよろしく」


 セリアはやっぱり私に料理させる気らしい。

 前世でもよく料理作ってあげてたから良いけど、明日以降毎食私が作れと?


「お待ちください。お嬢様に料理させるおつもりですか?」

「アイラは前世では料理上手だったんだよ。今世じゃ料理させなかったみたいだけど」

「料理の知識はあっても、腕が動くかどうか…」


 シャロルは私に料理をさせるのが不安みたい。

 確かに私も長いブランクがあるから不安。


「では、私がお手伝いしましょう。構いませんよね?」

「助かるわ。お願いね」


 シャロルを含め、メイド業を営む者はみんな料理が出来る。

 今日アストラントを出てグレイシアへ向かう途中に食べた朝食もシャロルが作った物だ。

 と、ここで私はふとある事に気が付いた。


「そういえば、昼食とってなかったわね」

「…言われてみれば、そうでしたね…」

「私達も食べてないね」

「思えばそうですね。道理で空腹な状態なわけです」

「え!?お昼ごはん食べてないんですか!?」

「一体何をしていたので?」

「お腹が空いたと思ったら、眠気が…」


 私の発言でシャロルも気付いた。

 セリアとアリスもずっと一緒にいたため、つられて忘れていたようだ。

 リリアちゃんは驚いていて、オルシズさんは呆れている。

 ノワールは眠いって言ってるけど、あんたは空腹満腹関係なく眠いでしょ。学院にいた頃学院長の前で居眠りしてたし。


 私達は食事を始めながら会話を続ける。


「城の食事も良いけど、またアイラの手料理を食べれると思うと嬉しいよ」

「まさかここのキッチン、そのために設置したの?」

「そだよ」

「…私、王城勤めの料理人の食事は出来ないわけ?」

「出来るよ。料理する時間がない時とか、面倒と思ったら料理人の食事をとれば良いよ」

「そう。なら良いんだけど」

「ちょっとお待ちください。女王陛下のお食事をお嬢様が作るのですか?」

「「何か問題でも?」」

「いや、問題と言いますか…、本来ではありえない事ですので…。女王陛下のお食事を侯爵家当主が作るわけですから…」


 私とセリアの会話に驚きを持って突っ込んできたシャロルだけど、私とセリアが同時に同じ反応をすると引き気味になった。

 まぁ、確かに普通じゃありえない事だから、言いたい事は解るけどね。


「あの、私も一緒に食事しても良いですか?時々でも構いませんので…」

「良いわよね?セリア」

「んー。別に構わないよ」

「ありがとうございます!ふふ…、アイラ様の手料理…」


 ノワールは私やセリアと一緒に食事をとる事を願い出てきたけど、許可した時の反応を見る限り私の手料理が食べたいだけのようだ。







 みんなが食事を終え、しばらく経った頃。セリアが話の進行を始めた。


「もうお風呂も入れるよ。そろそろ入る?」

「そうね。いい加減スッキリしたいわ」


 深夜から動いたままだったので、時間的にもお風呂に入って疲れを癒したい頃にはなっている。


「では自分はそろそろ公爵邸に帰りますので」

「私もそろそろ帰ります。あまり遅くなっちゃうと親が心配しちゃうので」

「私は一度客室へ向かいます。泊まるための荷物を整理してきます」

「はいはい~。二人はお疲れ~。アリスは了解~」


 今は既に夜。陽も落ちて人々の営みが終わる時間帯。

 なのでオルシズさんとリリアちゃんは自宅へと退勤していって、泊まる予定のアリスは一旦客室へ向かって行った。

 リビングには私とセリアとシャロルとノワールだけになった。


「じゃあ最初は誰からお風呂入る~?」

「ねぇ、ノワールの着替え、客室にあるんだけど」


 お風呂を薦めてくるセリアに、ノワールの着替えが持って来ないと無い事を告げておく。


「あ、そういえばそうだったね」

「アリスがここに戻ってきたら事情を説明して、ノワールは着替えをアリスと一緒に持ってきて、それまでに私かセリアかシャロルが入れば?」

「私は荷物から取り出すのが少し時間がかかるかと思いますので、お二方お先にどうぞ」

「私は最後ですね。状況的に」

「じゃあ先に入らせてもらうよ。てことでアイラ、お風呂行こ~」

「「「え?」」」


 状況的に私かセリアが先に入った方が良いという話になったと思いきや、セリアがお風呂に行こうと私に言い出した。

 私とシャロルとノワールは同時に驚きの声を上げる。


「え?じゃないよ。お風呂一緒に入ろう?」

「一緒に入りたいのね。分かったわ。二人は…、異論とかない?」

「特に私からは何も」

「なんかもう、ツッコむ気失せました…」


 考えてみれば前世でもどっかに泊まった時は一緒に入浴してたので、私はすぐに理解して承諾した。

 ノワールは驚いておきながら意見はないと言う矛盾な発言。

 シャロルは言いたい事があっても言う気力がないらしい。


「じゃあアイラ!一旦自室に行ってお風呂行こ~!」

「はいはい。シャロル、ノワール、また後で」

「いってらっしゃいませ」

「ごゆっくり」


 リビングにシャロルとノワールを残し、私とセリアは部屋着を取りに行ってから浴室へと向かった。

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