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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第十四章 渦の形成
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ミュウの城案内

投稿期間が大幅に空いてしまい、申し訳ありませんでした。

「この建物は広くて高い階層があるんで一見すると移動に大変そうな印象を持たれるんですけど、実は内部は割と単純構造でそこまで複雑ではないんですよ。

 初めて来た人は迷ったりしますけど、大体の人が一週間くらいでメイン通路を覚えられるくらい簡単です」


 私達を案内しながらスラスラ説明するミュウ。けどツッコみたい点がいくつかある。

 まずどこが単純構造?さっきからあちこち右折左折繰り返してるんだけど。私もう現在地分かんないよ?

 それと建物の通路覚えるだけで一週間もかかんの?ていうかメイン通路ってなに?メインじゃない通路があんの?今歩いてる時点でどこがメインなのかサッパリなんだけど。

 ツッコみたいけど、ミュウが楽しそうな表情で説明してるからどうにもツッコめない…。

 これは各所に案内表記と、商業施設にあるようなマップを置かないと関係者ほぼ全員迷子になりそうね…。


 そんな事を思いつつ、まずは関係者が使用するであろう場所から案内を受けた。


 役人の職務室全般。これらは他の城や屋敷の雰囲気とほぼ変わらない。

 兵士の控室や武器庫。これらも普通。

 メイドや執事等が使用する部屋全般。特に気になる場所はない。


「こちらが住み込みで働く方々用の自室となる部屋です。ここと同じ造りの部屋が城の各所にあります」


 次に見せてもらった部屋が関係者の自室となる部屋なんだけど…。


「ミュウ?ここはお客さんを泊める部屋じゃなくて?」

「いえ?関係者用の部屋です」


 私の問いにキョトンとした顔で返答するミュウ。


「こんな空間が関係者用ってどんだけ豪華だよ。ノーバイン城でももっと質素だぞ」


 セリアの言う通り、関係者用自室はかなり高級感に溢れていた。何ならここに要人を泊めたって何も文句言われないであろうレベルに品がある。それはまさに有名高級ホテルの最高級の部屋。

 人によっては癒しになるかもしれないけど、人によっては居たたまれないかも。ハルク様が生きてた頃はここを関係者が使ってたのよね?ストレス溜まらなかったのかしら…?

 というかこれと同等の部屋が各所にたくさんあるって、ハルク様は当時どんだけの建築費かけたのやら…。


 次に案内された場所が関係者専用の大浴場。

 入口は普通。脱衣所も造りに古さがあるけどおかしい点はない。けど浴場には意見すべき点があった。

 男湯は普通なのよ。けど女湯は…。


「ねぇ、なんで女湯にだけ至る所に像が設置されてるの?」


 女湯にはたくさんの像があった。真っ白な女性の像。しかも明らかに裸の。それが浴場内あちこちに。一体二体程度ならともかく、10体以上もあるとさすがに気味悪い。


「これハルクリーゼ様の遊び心だそうで」

「遊び心でこれ置いたのハルク様!?」


 当時のハルク様はどういう心理状態だったのかしら…?そして当時の女性関係者達はどういう気持ちでここを利用したのやら…。


「これ叩いた感じ中身は空洞じゃないね。おそらく石か何かを削って造られた物だろうから、仮にここから撤去しようとしたら、これだけの数だと浴場そのものを改装しないと大変だろうね」


 セリアは何故か解体業者目線で語ってる。でも撤去はしたいのよね…。正直いらないわ。これ…。




 その後は要人専用宿泊室とか、救護室とか、調理区画とか、政務室とか色々見て廻った。年代的な古さはあったものの、そこさえ改装してしまえば何も違和感ない感じだった。

 ただやっぱり広すぎる。ホントに現在地が分かんない。これどうやって避難経路造り出そう…。緊急避難とかあった場合みんな混乱するって…。ハルク様その点考えて造ったのかなぁ…。






「さて、これでほとんどを見終わったぜ」


 と、ロビーに戻ってきてから一言放ったヘーメス。

 ひたすら歩いてひたすら部屋見て、時間をかけてようやく城のほとんどを見終わった。城に入った時からだけで何千歩…、いや何万歩歩いたんだろう…。


「ここからは、城の高層階へご案内します」


 小休憩を挟んで城の高層階への案内を始めるミュウ。しかしここからがキツかった。

 何がキツイって、高層階への移動手段が階段しかない!エレベーターもエスカレーターもない!

 建造が二千年前だからしょうがないだろうけど、階段だけは大変すぎる。

 私もセリアも神の眷属という特種体だから、階段上がり続けた程度でへばったりはしない。けどずっと階段ばかり見るのは気持ちが堪えるし、普通の人間ならかなり体力を消耗する。

 外から建物を見てた時の高層階部分の範囲からすればエレベーター設置できそうなんだけど、果たして骨組みとかがどうなっているか…。


「のわあああああ!!!」

「ちょっと何やってんのあんたは!」


 階段を上がっている最中にセリアがコケて数段分落ちた。


「いててて…。よそ見してたら転んじゃった」

「まったく気を付けなさいよ…」


 苦笑いするセリアと呆れる私。そこにミュウが近寄ってきて、


「まさかここで転ぶなんて、やっぱりハルクリーゼ様と繋がりがあるだけありますね」


 というよく分からない発言をしてきた。


「えっと…?」

「どーゆう意味?」


 私とセリアは首を傾げるしかできない。


「ハルクリーゼ様も昔ちょうど同じところで盛大に転んで階段落ちたんですよ。だからその点引き継いでるんだなぁって思って」

「「……」」


 二千年前に同じ場所でハルク様が今回のセリアと同じ事してた…。


「…ねぇ、アイラ。私今なぜか悔しい気分なんだけど…、なんでだろう?」

「……なんででしょうね。分からないわ。とにかく行きましょ」


 私とセリアとハルク様の眷属関係がミュウに親子関係のように認識されてしまった事に変な気持ちになりつつ、私達は再び階段を上がり始めた。




 そこそこ高い階層まで着くと、その階には廊下が伸びていて、片側に窓、片側に扉が一定間隔で並んでいた。雰囲気はホテルや旅館みたい。


「えっと、こちらの部屋なんですが…」


 ミュウはその中の一室の扉を開け、中へ案内してきた。

 部屋の造りはこちらもまた高級ホテルの最高級客室レベル。けど関係者用自室や要人専用宿泊室よりもずっと広い。


「このような部屋がこの階の他の部屋、ここから上の階の各部屋にもあります。城の中でも特に広い自室部屋になりますね」

「この高層階にある部屋は全て、ハルクリーゼ様がいた頃にハルクリーゼ様と近かった人が住んでた部屋なんだよ。簡単に言えば主の側近専用部屋だな。俺も使ってたけど」


 ミュウの説明に続いて説明してくれたヘーメス。そっか、ここは側近専用の区画なんだ。



 そこからまた数階上がって、いよいよ最上階に到着。

 他の階は階段直後は廊下だったのに対し、最上階は上がってすぐ扉がある。


「こちらが最上階。この城の長、以前はハルクリーゼ様が使用されていた部屋です」


 と、ミュウの説明。この扉の先はハルク様が生前を過ごした場所ってことね。


 扉の先へ進むと、すぐに玄関のような造りになっていた。

 どうやら最上階はペントハウスのようにその人のみの使用となる造りになっているみたい。

 実際に中を廻ってみると、リビングがあって隣にはキッチン。ここ専用のトイレとお風呂もある。それから部屋は複数。寝室やその他色々使えるようにしてあるみたい。家具が残されてるわけじゃないから、ハルク様がどういう感じに使ってたのかは分からないけど。

 食料や生活消耗品さえ揃っていれば、この階だけで十分生活出来てしまう。


「ハルクリーゼ様がおられた頃、ここは他の者は許可なき限り使用できませんでした。アイラ様が規則を変えれば話は別ですが、当時の規則のままならばアイラ様が使用される場所になるかと」

「ノーバイン城の別館より広いじゃん。ハルク神様メッチャ良い生活してたんだなぁ~」


 ミュウの説明を聞きつつ私は部屋を見渡す。

 セリアは別館より広いこの場所をあちこち動き回りながら、生前のハルク様の豪勢さを感じてる。


「あと、こちらからバルコニーに出られまして、城の正面玄関方面の景色を一望できます」

「うわぁ…」

「お~、スゲ~」


 不動産屋さんのようにバルコニーに案内してくれたミュウの後ろで声を上げる私とセリア。

 まさか最上階にバルコニーがあるとは思わなかった。というかもう高層商業施設の展望デッキと変わらない感覚なのよ。

 しかしここから外を見ると城が空にある事が分かる。一面雲だし。

 地上にこの城を降ろしたとしても、かなり遠くまで見渡せるわね。でもその時に下にいるであろう人達は米粒程度にしか見えないでしょうね。

 ……天気悪い日ここ間違いなく雲に隠れるじゃん。


「ここからバンジージャンプしたら楽しそーだよね」

「いやアトラクションじゃないんだから…。それに落下先城のメイン玄関よ?」

「あー、そっか~。惜しいな~。……ノーバイン城の高層階にバンジー場所造ってリリアに試させるか」

「やめなさい」


 バンジー出来なくて何が惜しいのか。そしてなぜ造ったとしてリリアちゃんを実験台にしようとするのか。セリアの発想はたまに分かんないけど、とりあえず止めといた。


「さて…、次が最後の案内場所になります。降りましょう」

「やっと最後~?もう疲れた~」


 ミュウが言うには次が最後の案内になるらしい。普通に付いていく私の後ろで、疲れた様子のセリアはグッタリしてる。


「こらセリア。ウダウダ言ってると置いてくわよ?」

「解ってるって~。ちゃんと付いてくから大丈夫~」

「また階段で転ぶなよ?」

「それは分かんない」

「それこそ大丈夫って言うべきだろ…」


 ヘーメスがセリアに再び階段で転ばないよう言ったら、なぜかセリアは転ぶ可能性を持ってきた。ヘーメスは呆れ顔でツッコむ。




 しかし最上階まで行っておいて、最後に案内したい場所とはどこなのやら?ミュウはどんどん階を下って行って、止まることなく階段を下りていく。


「ミュウ?最後の案内先は何階なの?」

「地下一階です」

「は?」


 私の問いに地下と答えたミュウ。この城に地下階層あるんだ。

 ミュウの返事に反応したのは私ではなくセリア。セリアは反応したと同時に一気に疲れが増した表情になった。


「最後の案内先で、私が何者なのか、どうしてここに居続けているのか、全てお教えします」


 ミュウは階段を下りながらそう言った。つまりミュウの存在の全てがそこにあるってことね。

 それがもしかすると、この城の裏側と呼ぶ何かなのかも。

投稿期間が空いてしまった事に関する説明は、

活動報告にて記載しております。

改めまして申し訳ありませんでした。

そして今年一年ありがとうございました。

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