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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第十四章 渦の形成
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グリセリアの新たな護衛

 お昼時を過ぎて、時間帯は午後へ。ユートピア領からノーバイン城別館へ戻る時間に。もちろんマギルカさんも一緒。

 別館に着くと既にセリアがリビングでくつろいでた。とりあえずセリアにマギルカさんを紹介。

 セリアと対面早々マギルカさんは、


「よく鍛錬等から逃げていると聞いています。しかしそれではいつまで経っても魔力を本当の意味でご自身の物にできませんよ?これからは私も教えに入らせていただきますので、一緒に頑張りましょうね?」


 って言ってセリアに笑顔を向けてたんだけど、明らかに圧かけてる。対するセリアはまだマギルカさんとの接し方を掴めてないのか、イヤイヤ言いながら私に困惑の表情を向けてきてた。でもセリアがこういう羽目になってるのは自業自得なわけで、私は助け船は出さなかった。


 マギルカさんのセリアへの圧が終わるのを待って、私とセリアは天神界へ移動した。






 天神界へ着くと、そこにはハルク様と、見知らぬ女性が立っていた。

 女性は白銀色の髪を肩にかかる程度まで伸ばし、頭の上の方からこめかみ辺りまでを一部三つ編みにしている。

 エメラルドグリーンの瞳の温厚そうな顔つきの美女。雰囲気はメルメールさんに近いかも。

 身長は高めでスタイルが良い。特に胸の主張がすごい。

 今は白色のワンピース着てるけど、天神界メンバーって地上生活始まるとみんな服装様変わりするのよね。

 女性の見た目上の年齢は私やセリアとほぼ同じっぽい。

 そんなスペック高い美女の隣でハルク様は…、


「へっくしょい!」


 くしゃみ。


「へっくしょい!」


 またくしゃみ。


「どしたのハルク神様。風邪?」

「セリア。神は風邪ひかないわよ」

「ちょっと鼻がムズッとしただけ……へ、…へ、…」

「へっくしゅ!」

「「お前がくしゃみすんのかよ」」


 くしゃみをため込んだハルク様の隣で、何故か美女の方がくしゃみ。私とセリアは思わずツッコんだ。ちなみにこれがきっかけでハルク様のくしゃみは治まった。


「あー、どうにかくしゃみは治まったわ。…ヴヴン。改めて来たわね、二人とも。二人にはそれぞれ用事があって呼んだのだけれど、まずは先にグリセリアの方からで良いかしら?」

「良いですよ」

「オッケー」


 本題に入るハルク様の確認に頷く私とセリア。


「アイラ。あなたには今、護衛が三人付いている状態よね?アテーナとアルテミス、そして竜族のアンゴラという子」

「はい、そうですね」

「対してグリセリアの護衛はアリスという子だけ。そうよね?」

「そだね。専属の護衛はアリス以外付けた事ない」

「今回のグリセリアへの用件はその護衛に関してなのよ。アイラに天界から二人、地上界で一人の護衛がいるのに対して、グリセリアには地上界の一人しか付いていないのはどうなのかっていう意見がかなり前からあってね。グリセリアにもアテーナやアルテミスのように天神界から護衛役を降ろしてはどうかっていう意見が上がってたのよ」

「あの、それって誰からの意見ですか?」

「私の下で働いてる者達からよ」

「あぁ、なるほど」


 天神界に残ってるハルク様の部下、レイリーさんの上司達ってことになるのかしら?その人達から意見が上がったんだ。ってか私やセリアと直接会った事もないのに私達の地上での活動見てるんだ…。


「ここまで話せば大体察しは付くでしょ?紹介するわね、ノエル・アティラストよ」

「初めまして。この度ハルクリーゼ様より指令を受けまして、グリセリア様の護衛役を務めさせていただくことになりました。ノエル・アティラストと申します。どうぞよろしくお願い致します」


 ノエルという女性は深々と頭を下げた。やっぱ予想してた通り、セリアの護衛だったんだ。これでセリアの逃走を阻止してくれる人が増えて…って思ったんだけど、けっこう温厚そうだから阻止できるのかどうか…。


「ふ~ん、私の護衛になるってことか。護衛をやれるなら聞くまでもないだろうけど、強いんだよね?」

「初対面相手に上から目線で圧かけようとするのやめなさい」


 セリアったら偉そうな態度をとるもんだから、一発はたいてガチめに注意しといた。


「あはは…。一応そこそこの戦闘はできるつもりです」

「そこそこどころじゃないわよ。ノエルは生前、当時強い騎士がたくさん在籍していたある王国の中でも特に強い騎士だけが集まる王家直属精鋭騎士団の団長を若くして務めてた子なのよ?戦闘力は間違いないわよ」


 セリアの確認に謙虚に返答したノエルだったけど、ハルク様がそれを潰すようにノエルの生前を語った。


「ハルクリーゼ様…、私はそんな強いというわけでは…」

「生前の頃、あなたが団長を務めてた騎士団と私とオリジンで模擬戦やって、他の連中が私とオリジン相手に降参していく中で、唯一全く引く事なく戦ってたのはどこの誰だったかしら?」

「それは生前の話ですし…」


 ハルク様の発言にちょっと困り気味なノエル。ハルク様の発言を聞く限り、ノエルの戦闘力はおそらく相当なもの。けどノエル自身が自分を過小評価してるのね。

 当時アリアンソードを使って無双してたであろうハルク様と、龍帝の肩書を持って敵を木端微塵にしてたであろうオリジン様。この二人は今や神様と精霊女王なわけで、実力はもの凄かったはず。その二人相手にノエルが引き下がらない戦いを展開できたのなら、現在のノエルの実力は期待できる。


「私は何て呼べば良いですか?」

「気軽にノエルとお呼びください。それと畏まらなくても良いですよ。アイラ様もグリセリア様も立場はお二方が上なのですから。アテーナちゃんやアルテちゃんとお話する時みたいに、気軽に声をかけて構いません」


 私は念のため敬語で声かけてみたけど、ノエルは割とフレンドリーなタイプみたい。アテーナやアルテをちゃん付けで呼んでる限り、二人とは親しいみたいね。同じ神に仕えてるんだからそりゃそうか。


「しかしこりゃ周囲への説明考えなきゃなぁ…。あとアリスがうるさくなりそう…」


 なんかセリアが腕を組んで考え事し始めた。


「アリスがうるさくなるって?」

「んいや、アリスって戦闘できる人を見つけると戦わずにいられない奴なんだよ。特に騎士が相手になると。

 普段から鍛錬だ~模擬戦だ~ばっかり言ってるし、軍の制服と鎧を纏う以外の時の服装適当だし。ノエル紹介したら絶対一言目から模擬戦申し込んでくるぞ」

「そういえばシャロルに負けた事も未だ引きずってるっぽいもんね…」


 確かに私も普段アリスと接し続けて気付いてたけど、アリスの思考って丸々騎士の考え方で、乙女的な思考が一切ないのよね。考え方は個人の自由だから悪いとは言えないけど、あんな美人なのに勿体ないなぁって思う時が私にもある。


「模擬戦ですか。私も武器を振るう事は好きですので、ご希望される方がおられるのなら是非!」

「グリセリア。一応言っておくけどノエルも割と筋肉質な考え方するわよ」

「マジか~…」


 ハルク様の言葉に額を抑えるセリア。でもノエルはアリスよりもほわ~としたタイプにも見える。しっかり者っぽいアリスに対して、ノエルは詐欺とに引っかかりそう。あくまで見た目判断だけど。


「まぁ、話はこれくらいにして。私の部下をお願いね。グリセリア」

「私の持てる力の全てでお守り致します。よろしくお願いします」

「あい、よろしく」


 ハルク様は次の要件へ行かせるためか、ここで話を切った。ノエルは改めてセリアへお辞儀をして、セリアも軽く頷いた。


「私の親友は我儘多いから大変だと思うけど、どうかお願いするわね。困った事があったら私に言ってちょうだい。殴っとくから」

「ねぇ、最低限の対処法が暴力って良くないと思うよ?」

「はい、何かありましたら頼らさせていただきます。よろしくお願いします、アイラ様」

「お前も何かある前提になってんじゃねーよ」


 私の言葉にほんわかな雰囲気を出しながら答えるノエル。アリスはクール系美人だけど、ノエルはほわほわ系美人ね。私のところのアテーナとアルテみたいに、ついにセリアも両側美人護衛が並ぶのか。

 なお私とノエルの間でツッコミを入れていたセリアに関してはスルーしておいた。

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