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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第十三章 国の跡
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パンゲア住宅街に潜む者

 住宅街があると思われる方の道を選んで歩き始めて30分。途中に分岐点は見られず、住宅街へと到着した。

 見渡す限り、家一件だけでもそれなりの敷地がある。都会の建物密集型ではなく、地方に見られる庭付き物件みたいな。一軒一軒が相当頑丈な造りになってるのか、見える限りほとんどの家が倒壊してない。半壊すらしてない。

 家の外壁や屋根の色、建物の形やデザインも全て統一されてて、竜族が住んでた頃はきれいな街並みだったんだろうと窺える。これらちゃんと掃除してリフォーム施したらまだまだ蘇るわよ。


 そんな割と範囲を大きい街並みを散策したいと思った私だけど、それ以前に建物のあちらこちらから私は覚えのある嫌な気配を感じ取っていた。


「わ~!ここがパンゲアの住宅街~!」

「ダーナ、待ちなさい。今すぐ止まって」


 好奇心旺盛で現在もテンション上げたまま先行しようとしたダーナを私は呼び止めた。普段はオリガにしか止められないからか、私の制止の声に彼女はキョトンとした表情で足を止めた。


「ダーナ、そのまま止まってて。絶対前にも後ろにも動かないで」

「え?は、はい…」


 私の突然の指示に戸惑っている様子のダーナ。私の後ろにいる視察団の兵士達からもザワザワと戸惑いの声が聞こえる。


「…これは、いますね」

「竜族の先祖が住んだ場所を踏み荒らすとは…」


 シャロルとキリカも気配に気付いたようで、私の両隣で武器を構えた。


「え…?えと…?」


 シャロルとキリカの動きにルルの困惑が増したのか、私の後ろでオロオロしてる。


「総員武器を構えて戦闘態勢に入りなさい!周辺に見える住宅の各場所に魔物が隠れてる!」

「ま、魔物!?」

「どこだ…?どこにいる…?」

「くそ、巨獣だけでも厄介だってのに…!」


 私の声を聞いた兵士達は慌てて武器を構えて警戒姿勢になった。


「ダーナ!絶対むやみに動くんじゃないぞ!」

「わ、解ってるよぅ!」


 オリガはダーナに注意喚起。ダーナは武器を構えた状態で停止を維持してる。


「私には何も感じないが…、気配が分かるのか」

「はい。もう何度も魔物と対峙してますから」


 アンゴラさんは武器を持った状態で私の傍に立って小声で訊ねてきた。他の兵士達と違って冷静。さすがアンゴラさん。


 直後、私は右方向から魔物が動く気配を察知。


(…!)


 同時に魔物の狙いがダーナだと魔物の動きで分かった。私の身体は瞬間的にダーナへ動いていた。


「あっ…」

「ダーナ!」


 魔物は素早い動きで姿を現し、みんなが魔物を目視できた時には既に魔物はダーナへ攻撃を繰り出していた。

 ダーナは一瞬の出来事に動くことができず、オリガも咄嗟に動けなかったため叫ぶしかなかった。でも私は魔物の動きを察知していたわけで、魔物の攻撃がダーナに直撃する前に彼女のもとへ駆けつけられた私は魔物の攻撃を防いで蹴り飛ばした。まさに間一髪。魔物の消滅には至らなかったけどね。


「ダーナ、無事?」

「は、はい…」


 ダーナは武器を構えて警戒していたとはいえ魔物が突然現れた事に驚いたのか、しりもちを着いて座っていた。見たところ怪我はしてないみたい。

 その直後、あちこちから出るわ出てくるわ魔物の群れ。視察団への攻撃を慣行した魔物もいたけど、そっちの方はシャロルとキリカが対処してくれた。


「ようやくお出ましね。竜族の騎士達!今こそ竜族の実力を魔物に見せつける時よ!竜族は魔物には屈しない事をこいつらに思い知らせてあげなさい!」

<<<お、おぉ!!>>>


 私の鼓舞に兵士達は戸惑いつつ答えた。怖がっちゃってるみたいだけど、ここは頑張って対応してもらわないと兵士達の成長に繋がらない。


「ダーナ、立てる?」

「は、はい!大丈夫です!」

「なら武器を構えなさい。一緒にこいつら倒すわよ!」

「はい!」


 魔物が再び向かってくる前にダーナを立たせて、私は以前に創造魔剣形成で大剣を出現させたように、今度は双剣を作って構えた。


 出現した魔物の数は私達視察団の人数とほぼ変わらない。やろうと思えば私が一撃で全部片づける事も出来るんだけど、それだと周辺にある建物にどういう現象が起こるか分からない。

 建物が現在の建造物と違ってどういう素材で造られてるか分からない。そのため下手に広範囲の魔法技を繰り出して、建物が変形または倒壊してしまっては問題がある。

 だからと言って神力技を使っても同じ可能性がある。例えば一見頑丈そうに見える建物でも、操破壊声や操破壊音などを使って空間振動を起こさせて、それが原因で簡単に倒壊してしまう可能性もないとは言いきれない。

 だからここは私も他の面々と一緒に武器を構えて対抗する。だからといって周囲の建物は絶対に壊させないし、仲間達にも一撃たりとも食らわせない。私にはこの視察団の責任者として仲間達を無事に返す使命があるんだから。

 それはともかく、竜族が代々造り上げて守り続けたこのパンゲアの地を生意気にも占領していた魔物達には、キッツイお灸を据えてあげないといけないわね。

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