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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第十三章 国の跡
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山を下ってジャングルへ

 魔法発動から数十秒後。巨獣の気配がなくなったので魔法を止めた。爆発の煙が晴れてくると、眼前に巨獣の姿はなく、元々見えていた景色に戻っていた。


「やった…のか?」

「まさか…、あの数の巨獣を一気に…?」

「すげぇ…。ホントにすげぇ!」

「さすがは龍帝陛下だ!龍帝陛下ばんざーい!」

<<<ばんざーい!>>>


 なんか兵士達が私に向かって万歳し始めた。恥ずかしいけど今回ばかりはしょうがないから耐える。


「アイラ…。君、もしかしてチートとかいうやつなのか?」

「もしかしなくてもチートですよ。自分で言うのも変ですけど」


 アンゴラさんが小声で訊ねてきたから、小声で返しといた。


「あ~…、喉痛い…」

「そりゃそうだろう。あれだけの爆音の中会話していればな」


 魔法によって爆音が轟いていた間、私とダーナは互いに大声で会話を続けていた。勿論私は会話しながら魔法の調整してたよ?

 大声を出し続けていた結果、ダーナは喉が枯れたようで首を触ってる。その隣でオリガが呆れた表情。ちなみに私は一切異常なし。仮に喉が枯れても秒で治るし。


<<<ばんざーい!>>>


 まだ万歳してるよ。せめて万歳三唱とかいう程度で治めておかないと終わりが見えないよ?


「あなた達。あまり長くやっていると声を聞きつけて再び巨獣が向かってくるかもしれませんよ?」

<<<……>>>


 キリカが巨獣再接近の可能性を視野に入れた注意をしたら、みんな一斉にピタッと止まって静かになった。おもろい。





 その後私達は再び山下りを再開…のはずだったんだけど、結局下れそうな道が見当たらなかったため、仕方なくみんな竜化して山を下りる事になった。

 しかし今いる場所は割と狭く、一気に巨体となる竜化は難しい場所。だから物浮遊魔法を発動してみんなを浮かせ、宙に浮いてる状態で竜化させた。みんなヒト型の状態で宙に浮いた経験はなかったようで、空を飛ぶ事に慣れてる竜族であるはずのみんなが「おぉぉ…」ってどよめいてた。


 私としてはせっかく竜化したんだし山を下るだけじゃなくてもう少し先へ進んでもらおうと思ってたんだけど、みんな飛行型の巨獣に襲われる事を恐れたのか、山の麓まで下りきった所でみんなヒト型に戻ってしまった。

 そのまま飛び続けるよう言おうかとも思ったけど、みんなの不安も考えてやめといた。


 てなわけで植物が生い茂るジャングル地帯へとやってきた私達は、地上を歩いてパンゲアを目指す。山を下っている時に方向も確認したから迷う事はないはず。

 ちなみにこの辺、さっき私が堕とした巨獣達の死骸がゴロゴロ転がってる。


「皆さん。山を越えたこちら側は自生している植物が普段目にするものと異なるかもしれません。同時に生息している生物も異なってる可能性があります。巨獣や魔物だけでなく、普通の動物や植物でも毒性があったり獰猛だったりしていても不思議ではありません。十分注意してください」

<<<ははっ!>>>


 私は視察団全員に注意を促しながら歩く。巨獣と魔物以外の生物であれば精霊や神獣を伝って私の事を認識している。だから動物達と遭遇したところで一方的に襲ってきたりする事はないとは思うけど、万が一ということもある。だから念のため言っておいた。





 獣道っぽい所を見つけながらパンゲア目指して歩き続ける。今は割と平坦。


「グギャアアアアア!!」


 おっと、正面に巨獣のお出まし。サイズは割と小型かしらね。……巨獣が現れた途端にみんなして私の後ろに下がりやがった。ちょっとは立ち向かおうとは思わないわけ?


「シャロル、キリカ」

「はい、お嬢様」

「なんでしょうか?」


 私はシャロルとキリカを呼び寄せ、二人は私の傍に寄る。


「今目の前にいる巨獣、あなた達二人で倒しなさい」

「「え?」」

「え?じゃなくて、二人で巨獣を倒しなさい。魔物相手に戦えてるんだからやれるでしょ?」

「「……」」


 私の急な指示に二人は戸惑いの表情を見せる。

 現状況では私が唯一巨獣を倒せる存在となっている。でも魔物討伐経験を既に持っている二人なら、小型の巨獣一体だけなら倒す事ができるはず。


「しかし、魔物とは状況も相手も違い過ぎますし…」

「……」


 戸惑いを言葉にするキリカ。シャロルは何故か黙ったまま目を瞑ってる。この間にも巨獣はゆっくりこちらへと迫って来てる。

 少しするとシャロルはゆっくり目を開けた。


「承知致しました。これより戦闘態勢に入ります」


 シャロルは私の指示を受け入れて武器を構えた。明らかに目つきが変わった。


「シャロルさん!?正気ですか!?」

「正気ですよ。またエキドナ様に指摘されたくありませんし、ここで退いていてはお嬢様に付いて行けませんから」


 未だ戸惑うキリカに冷静なシャロル。シャロルが言うエキドナさんの指摘とは、以前シャロルとキリカが魔物に苦戦した時にエキドナさんが厳しく言ってきた時の事ね。シャロルはそれを思い出してたんだ。


「グギャアアアア!!」


 もう私達と巨獣の距離はほとんどない。巨獣は速度を上げてこちらへ向かってきた。


「キリカさん!来ますよ!」

「……解りました。やりますよ!」


 キリカも覚悟が決まったのか決めざるおえなかったのか。武器を構えた。


 龍帝国のジャングルの中で、シャロルとキリカ対巨獣の戦闘が開始された。

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