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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第十二章 舞台の下準備
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アイラとグリセリアの街中散策

 それから日数が経過していき、何度もの大小様々な会議を重ね、私とノワールの領地開拓計画の準備は少しずつ進んで行った。

 閣僚会議も何度か行ったんだけど、会議の度にセリアが寝坊を繰り返し続けて、酷い時は会議終了間際に来るなんてこともあった。その時はさすがに私も頭来て会議室に入れさせなかったけど。


 私とノワールが領地の事で動いている間、セリアは女王としての仕事をこなしつつ精霊達と爺や、天神界メンバーから神力と魔力に関する技の習得や制御の訓練を(イヤイヤ)やっていた。

 私と同様に前世の記憶が上手い事働いたのか、技の習得に関しては私と同じくらいのペースですんなり覚えて行った。さすがに新技の開発はしなかったみたいだけど。

 でも火の魔法を出した時にうっかり自分の髪を焦がしたらしくて、「せっかくだからチョットだけイメチェンする」と言ってスンテノさんに頼んで毛先をパッツンに変えてた。ロングストレートヘアーなのは変わらないけど。


 こうして各々活動はしてるけど、当然ながら休暇もある。そしてある日。偶然にも私とセリアの休日が一緒の日があった。私とセリアはこの休日を利用して、ある企画を立てた。

 その企画とは、


 ウォーム街非公式街散策計画!


 というもの。

 これはただ単純に私とセリアでお忍びでノーバイン城城下であるウォーム街を散策しようって内容。

 当日の朝。私とセリアはせっせと出掛ける準備を…。……訂正、私の外出準備はシャロルとジーナによって片付けられた。


「もう…。毎回毎回自分で準備させてくれない…」

「いーじゃん。その方が楽で。私、女王なのに自分で準備してるんだよ?楽したいよ」


 私の状況を羨ましがるセリア。確かに一国の女王様が同じ空間で同じ内容の準備をしてるのに誰も何も手伝わないってのは問題なのかもしれない。


「あ~あ~。やっぱメイド雇った方が良いよな~。言う事何でも聞いてくれる優秀なメイドどこかにいないかな~」

「同時にあんたの側近達の事も聞いてくれるメイドね」

「それだと私の行動にさらに制限がかかっちゃうからちょっと…」


 こんな感じでセリアの準備も着々と進み、ウォーム街のお店がそろそろ開店する頃辺りに二人で城を出た。

 私はまだそこまで世間に顔が知れ渡っていないため、変装は基本的にしていない。状況次第で変装が必要になったとしても瞳と髪の色を自由に変えられるし、髪型も常時変更可能だから問題なし。

 対してセリアの場合、女王という立場から世間中に顔と名前を知られている。だから今回セリアは髪を結んでおさげに変更。帽子を被って伊達メガネをかけた。髪型変えて帽子被ってメガネかけただけなのに見た目の印象全然違う。

 服装は私もセリアも勿論カジュアルで一般的な格好。ただ私の場合は露出範囲を出来る限り広くしてるけど。

 ちなみに今回セリアが城の外へ出る事は一部の者しか知らないため、城の外へは浮遊魔法を使ってこっそり城壁を超えて出た。


 ウォーム街に入ると、人通りはまだ時間的に多くはないけど、活気は既にある。

 そんな街の中を私とセリアは手を繋いで歩いていた。


「いやぁ~、アイラとこうして歩くのっていつぶりだろ?」

「多分前世ぶりね。今世で再会して以降一緒に外にいる時なんてなかったわよ」

「そっかぁ。なら思う存分楽しまなきゃね!」

「そうね。楽しみましょう」


 テンションを上げ始めるセリア。そんな彼女に私は顔をほころばせる。こういう流れは前世の頃によくあった事。今じゃ久々ね。


 なお今回、私とセリアの周りにはお付きが一人もいない。これは「二人きりで行動したい」っていうセリアたっての希望でこのかたちとなった。

 でも警備が誰もいないというわけじゃなくて、アテーナ、アルテ、キリカの三人は私とセリアの後方を歩いて尾行してる。シャロルとジーナも隠密術を駆使して別方向から監視してくれている。要は姿が見えないだけでいつものように守られてはいるのよね。


 歩いていると、一軒の総菜屋さんが目に入った。ジオの実家のお店だ。


「セリア。あそこ寄って良い?」

「良いけど…、フツーの惣菜店だよね?」

「うん。ノワールに好意寄せてるジオの実家よ」

「よしすぐに行こう。そうしよう」


 私がジオの実家である事をセリアに教えてあげると、セリアはすぐに食いついた。


「いらっしゃい。…おや?いつぞやの侯爵様じゃないか」

「こんにちは。繁盛してますか?」

「おかげさまで良い状態が続いてるよ。今日もお忍びかい?」

「はい、お忍びです」


 ジオのお母さんは前回と同じ営業スマイルで明るく話してくれる。私が貴族でもエラそうにしない事を解っててこの軽さで話してるんだろうな。でもこれだけのコミュニケーション能力を持てるのはさすがだと思う。


「ところで今日は今まで一緒だった子達を連れてないんだねぇ?そこの子は初めて見るけど、友達かい?」

「はい。私の親友です」

「初めまして」


 セリアは一言だけしか言ってないけど、顔は微笑んでるから愛想は良くしてる。こういう状況の時、前世の頃のセリアは不愛想だったから、こうして見るとセリアも成長したんだなぁって思う。……って私はセリアのオカンか。


「隣の国から来て色々大変だろうけど、親友を作る事が出来たんだねぇ。良かったよ」

「フフ、おかげ様で。ところでちょっと聞きたいんですけど、最近ジオが元気ないって聞いたんですが…」

「あー…、そうなんだよねぇ。ウチの主人と事情を訊ねてみても話してくれなくてねぇ。あの子の同僚から軍の偉い人から厳しくされたっていうのは聞いたんだけどねぇ。

 誰にだって物事に悩む事はあるし、仕事の事ならしょうがないとは思うんだけど、親としてはやっぱり心配だよ」

「「……」」


 私とセリアは黙っておばさんの話を聞いていた。やっぱりジオは未だに元気がないらしい。ドイル将軍から一体何を言われたのかが分かれば解決の糸口が見えてくると思うんだけど。


「にしても侯爵様がウチの息子を気にかけてくれてるのかい。ありがとうねぇ」

「いえ。私もノワールも彼とは交流がありますから。立場違えど困った時はお互い様です」

「まぁ、誰がジオに厳しくしたかは既に解ってるし、それが不当な指導なら罰するだけだけど。状況次第によっちゃあそれでケリが着くでしょ」


 まるでドイル将軍を罰しようとするような考えを出すセリア。解決方法が力任せなところは相変わらず。


「セリア。そういう物騒な事言わないの。しかも当事者の家族の前で」

「へーい」


 私の注意にセリアは素直に従う。これもいつもの事。


「あはは。随分過激な事を言うお嬢さんだねぇ。実は侯爵様と同じで権力者だったり?」


 あ。言い当てちゃった。さすが大衆相手に接客するだけあるわね。


「へぇ。まさかで片付けないとはさすがじゃないか。接客業で鍛えられている証拠だね」


 セリアは見破られたと言わんばかりに、しかも何故か嬉しそうメガネを外して帽子を浮かし、髪の前部分の一部を普段に近い状態にした。

 しかしおばさんは誰だか分からないようでポカンとしてる。


「この子の正体はグリセリア女王陛下ですよ」

「!!!」


 私がおばさんの耳元でセリアの正体を教えてあげると、おばさんは驚愕の表情で固まった。


「以前アイラからここの惣菜を貰ってね。非常に美味だったから来てみたんだよ。ジオの事もアイラから聞いていてね。特にノワールと良い関係を築いていたみたいだったから興味を持っていたんだけど、どこかからか余計な横やりが入ったようでね。アイラとお忍びで出掛けたついでに探ってみてるのさ」


 自分でせっせと変装状態に戻しながらつらつらと事情を語るセリア。でも大半今作ったでしょ?ジオの件を探るなんて予定一切なかったわよ?


「はは…。こりゃぶったまげた…。まさか女王陛下本人が来店する日がやって来るとはねぇ…。ウチの味を気に入ってくださってありがとうございます」


 おばさんが急に敬語になった。やっぱセリアが怖いのかな…。


「ここの惣菜いくつか買わせてもらうよ。これとこれ頂戴」

「は、はい!ありがとうございます!」


 急に注文するセリア。そして急に腰が低くなってるおばさん。

 場所の空気変えちゃったら変装の意味ないんだよセリア。





 結局私とセリアで惣菜をいくつか購入して、ジオの事はこちらでも気にかけると伝えた上で私達は店を後にした。


 その後は雑談をしながらいろんなお店へ。


「う~ん…、良いのないなぁ…」

「何を探してんの?」

「リリアへのお土産に髪留め探してるんだけど、リリアに似合いそうな感じの髪留めが見つからないな~って」

「あら?普段あんだけリリアちゃんの事振り回してるのにそういうところはきっちりするのね」

「え~?振り回してるつもりないんだけど~?」

「……」

「…嘘です。反省してます」

「マジで振り回してる事に自覚がなかったら、それほど最低な奴いないわよ」


 昼食も挟んで洋服店等を巡り、次に向かった場所はバーミンガム教会。オマハ神父とシスターのソニアがいる所。


「前にアイラをストーカーしたシスターがいる教会だよね?フフフ~、会うのが楽しみだなぁ」

「お願いだからその表情をソニアや関係者の前で出さないでよ…?」


 以前に私や一緒にいた面々が尾行された件を出して怪しい笑みを浮かべるセリア。頼むから大人しくしてほしい。


「思ったんだけどさ、こことか他の場所でお祈りをするわけじゃん?」

「そうね」

「その祈りってさ、ハルク神様へ本当に届いてるのかな?」

「う~ん、どうなのかしらね?」

「もし届いてるとしたら、内容部下に全部丸投げしてそうだよね」

「ありうるかも~。そんでオリジン様に怒られてね」

「あはは~、ありえそう。お祈りされてる間も天神界でふんぞり返ってたりね」

「ふんぞり返ってるところにオリジン様が来て仕事しろって怒られたりね」

「メッチャ想像付く~。ウケる~」


(ウケる~じゃないわよ。全部聞こえてるんだからね!)


「…なんか声が聞こえた気がする」

「気がするんじゃなくて聞こえたのよ。ハルク様が私達に念話でツッコミ入れてきたの」


 私とセリアのハルク様に対する好き放題な話題に念話で介入してきたハルク様。

 セリアも念話が使えるようになったため、私と同様にハルク様と交信可能になっている。


(ちょっとせっかくアイラと楽しい時間を過ごしてるんだから邪魔しないでよ。想像程度したって良いじゃん。神なのに心狭いな)

(二人きりの貴重な時間を奪わないでいただけますか?不満はまた今度いくらでも聞きますから)

(え、えっと…、なんかごめんなさい。……なんで私が悪い事になってるの…?)


 セリアと私でハルク様に苦情を出したら、ハルク様は疑問を抱きながらも大人しく引っ込んで行った。


「にしても教会の中は人いないね」

「ちょうど人が引いてるタイミングなのよ。きっと」


 偶然にも教会の中は人がほぼおらず、私とセリアの貸し切り状態となっていた。

 あ、ソニア発見。


「セリア、あの子よ。シスターのソニア」

「あいつがストーカーシスターか」

「それ絶対本人の前で言わないでよ…」


 相変わらずセリアの言い回しはヒドイ。


「こんにちは。元気にしてるかしら?」


 私はソニアに声をかける。今回ソニアは私達に背を向けた状態でいたため、私達の存在には気付いていなかった。

 声をかけられたソニアは私達の方を振り向くと、私を見るや目を見開いた。


「ア、アイラ侯爵様!ご無沙汰しております。ようこそバーミンガム教会へ!」


 ソニアは私に畏まってるけど、お辞儀も態度も硬い。


「そう畏まらなくても良いわよ。聞いたわよ?あなた以前の一件の後、罪の意識から断食してたんですって?」

「…私は愚かにもあなた様のような信頼を集めるお方を一方的に警戒し、強い不快感を与えてしましました。この重い罪を偉大なるハルク神にお許しいただくためには、そしてあなた様やお付きの方々へ反省の意思を見せるためには、断食する事も当然かと…」

「そこまでする必要なんてないでしょう?いくら罪を犯したとはいえ、ハルク神が自分で自分を追い込む事を望むとは私は思えない。それにあの件はあの日のうちに終わった話。それを引きずってそこまでの事をされる方が私にとっては不愉快よ。心配をさせないでちょうだい」

「侯爵様…」


 私が断食行為を叱ると、ソニアは瞳をウルウルさせてきた。やめて、泣かないで。周囲に泣かせたと誤解されるから。


「アイラ侯爵閣下」


 ここでソニアの後ろからオマハ神父がやって来た。


「こんにちは、オマハ神父様」

「今日はいかがされましたか?まさかまたソニアが何か…」

「いえいえ。今日は単純にお祈りに来ただけです。偶然ソニアを見かけましたので、以前の事で断食を行った事を咎めておりました。私からすれば少々やり過ぎな事だったので」

「そうでしたか…。聞いただろう?ソニア。もうこれ以上罪の意識は持たなくて良い。きっとハルク神も許してくださっている」


 ん?今のオマハ神父の言葉が何となく引っかかった。


「あのもしかして、ソニアは断食以外にも何か行ってます?」

「ええ。行っていると言いますか、むしろ行っていない方ですな」

「どういうことです?」


 内容が理解しきれず首を傾げると、オマハ神父はソニアを見た。


「言って良いな?ソニア」

「……」


 オマハ神父の確認にソニアは黙ったまま頷く。


「実は、ソニアは以前まで盛んに街中に出ては、多くの方々と交流しておりました。その影響もあり街ではソニアは有名だったのです。

 しかし例の一件以降、ソニアが外に出る事がほとんどなくなりましてな。街の方々との交流も控えている状況なのです。そのせいか教会に来る近隣住民の方々から心配の声をいただく状況になっているのです。あの一件以来、再び間違いが起きてしまう事を恐れているようで」

「それはいただけないね」


 オマハ神父の説明に、私よりも早くセリアが反応した。


「何かをやらかしたからって今までやってきた事を止めるなんて単なる臆病者がやる事だよ。シスターならいずれ誰かに物事を教える時があるでしょ?むしろ動き回って更なる経験を積む事が神からの許しを得るための行動なんじゃないの?」


 セリアはソニアを臆病者呼ばわり。前世の頃からそうだけど、セリアは長く落ち込んだり、沈み続けたりする人を嫌う。内容や状況がどうあれ容赦なく厳しい言葉を浴びせる。

 基本的に問題に当たってもそれが気持ちの問題ならぶち進め。これがセリアが前世の頃から掲げているモットー。だから留まる人をセリアは許さない。

 ただ前世の頃これが原因で恨みを買った事もあって、セリア本人も解決を手伝うわけではないから、これもセリアの問題行動の一つとも言える。セリアが怒り恨みを買っちゃった時は私が間に入って何とか治めたけど。


 でもって厳しい言葉を浴びせられたソニアは、セリアを見たままポカンとしてる。今まで黙ってた人が急に喋り出したもんだから「誰?」みたいな状況になってるんだ。


「失礼ですが、あなた様は…?」


 オマハ神父もセリアに何者なのか訊ねてる。私の連れである事は認識してるんだろうけど、私からの紹介もなく黙ってたわけだからソニアと同じ状態なのね。


「おや、名乗るのが遅れたね。というよりもオマハ神父?あなたは分かってくれてないと問題なんだけど」


 セリアは総菜屋の時と同様に再び髪を下ろしてメガネと帽子を外した。ここで誰か見たら騒ぎになるよ?まぁ、ちょうど教会内に人がいないから良いんだけど。


「これで分かるよね?」


 強気に微笑むセリアに、オハマ神父の表情が焦りへと変わっていく。


「グ、グリセリア女王陛下…!」

「え…!?」


 セリアの名を発したオマハ神父。直後にソニアも驚きの表情を見せる。


「こ、これは…、女王陛下とは気付かず、大変失礼致しました!」

「別に良いよ。それと今はあまり畏まらないでくれる?アイラとお忍びで来てる事がバレる」

「は、はい…」


 セリアの存在を認知した途端にガチガチになり始めたオマハ神父に、セリアは自然体でいるよう伝える。まぁ、無理だろうけど。

 そしてセリアは未だ戸惑いの表情を浮かべているソニアの肩にポンと手を乗せた。


「君の行動はアイラから聞いていた。君がちゃんと反省してくれて良かったよ。もし反省していなかったら、私が君を拘束して殺していただろうからね」

「ひ…!」

「コラ、セリア。怖がらせるんじゃないの。そういう事ばかりしてるから女王としての好感度が低いままなのよ。ちょっとは優しい言葉をかけなさいよ」

「いやぁ、私に優しい言葉は似合わないよ」

「まぁ確かにあんたが優しい言葉をかけまくってたら国が終わるだろうけど」

「ちょっと待って、それどゆこと!?」


 セリアが思いきりソニアを震えさせてたから、マズイと思って咄嗟にセリアを注意した上にイジって場を和ませた。あれでソニアに泣かれでもされたらこっちが悪者になってしまう。


「ソニア。もう前の事は気にしないで。あなた自身の失敗談として一つの経験にしてちょうだい。街の人々との交流も元に戻して。シスターという立場なら今の状況が良くない事くらい解らないと。自分で消極的になって周囲に心配かける方がハルク神は許さないと思うわよ?

 あなたが真面目で正義感が強い事は前の行動で解ったし、優しい心の持ち主だというのもこうして接していると良く解るわ。だから引きこもるのは止めて、元気に街に出なさい。それが私があなたを許す、最低限の条件よ」

「…ぐずっ、はい、ありがとうございます…!」


 ソニアは私に深々と頭を下げた。これでこの子は私と出会う前の日常へと状態を戻すだろう。






 その後私達はお祈りを‘一応’済ませて、教会を後にした。…私ら教会で祈ってもハルク様に直で会えちゃうから意味ないのよね…。でも教会関係者はそんなこと知らないわけでやらないわけにはいかないし…。


「まったくあんたはまた人に厳しい言葉浴びせて…。毎回フォロー入れてる私の身にもなってよ」

「え~?だって優しい言葉だけじゃ人は救われないじゃん。だからつって黙ってたらあーいう子はどんどんネガティブな方向に行っちゃうし、なら厳しい言葉かけた方が効果良くない?」

「状況や相手の精神状態とか感情とか考えなさいよ。優しい言葉も厳しい言葉も黙っている事もタイミングを間違えば単に傷付けるだけになっちゃうのよ」

「私そーいうタイミング考えるの無理だもん」

「前世はそれで良かったかもしれないけど、今のあんたは女王なのよ?最悪暴動だって起きかねないんだからね?そういう事もちょっとは考えなさいよ。じゃないと私はフォローしないわよ?」

「むむぅ、解ったよ…」


 解ったと言いつつも納得出来てない表情のセリア。この子の子供っぽい考えはちょっと直してあげないとマズイかなぁ…。

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