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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第二章 学院生活
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もう一つの対談

視点がアイラから外れます。

 アイラとグリセリアが対談をしていた時、特別応対室の前では二人の女性が向かい合っていた。


「……」

「……」


 一人は門番をしている女性兵士。もう一人はシャロル。

 二人はお互い何も言わぬまま、無表情で見合っていた。


(この兵士は強者ね。隙が見られない)

(このメイド、只者ではない。全く隙が見られない)


 黙ってはいるが、思っている事は同じだった。

 少し経って、女性兵士が口を開く。


「ここは学院であり、本来従者の立場にいる者は学院内には入らないと認識しています。あなた様は何故アイラ御令嬢と?」

「偶然グリセリア女王陛下と対談する話を聞きつけまして、念のため同行致しました」


(学院の外には対談の話は漏れないはず。アイラ御令嬢から伝わったとも思えない。一体どうやって情報を…)

(やはり怪しんでるわね。無理もないか)


 お互い警戒心を高めながら、再び沈黙が流れる。


「大変失礼かと思いますが、警戒対策の為お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「シャロルと申します。アイラお嬢様の専属メイドをしております」

「シャロルさん、ですね。私は女王陛下専属護衛のアリスと申します」

「アリスさんですね。どうも初めまして」


 意味があるかどうか分からない自己紹介が終わったところで、またまた沈黙が流れる。


「私も念のためお伺いしたいのですが、何故女王陛下はアイラお嬢様との対談を望まれたのですか?」

「武術大会での優勝と、直後発生した爆弾犯騒ぎを鎮めた事に興味を持たれたようです」


(絶対別の理由がある。前世でのお嬢様との繋がりを考えれば今の理由は表向きね)

(本当の理由は違うけどね)


 そしてまた沈黙。


(お嬢様が呼ばれた真意が知りたい)

(この者が何者なのか知りたい)


 内容こそ違えど、知りたいという想いは同じだった。



 その後はお互い何も言わぬまま時間だけが過ぎていき、アイラとグリセリアの対談終了時間がくるまで何も起きない状態が続いていた。

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