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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第二章 学院生活
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爆弾男出現

 会場内は物体の爆発と、それを行った人物の出現に静まりかえる。やりすぎ野郎の手には複数の先程と同じ爆発物らしき物があるのが分かった。

 おそらく物体の正体は手榴弾しゅりゅうだん


 私が前世で過ごした世界にも手榴弾はあったけど、この世界にも軍事兵器等として手榴弾が存在する。

 前世の頃の手榴弾は中身は火薬。ロックを取って狙い場所に投げる使い方だった。この世界の手榴弾は中身が火属性魔法を濃縮したもの。ロックを取って投げるまでは同じだけど…、なんだっけ?何か仕様が違う点があったはず。

 だいぶ前にお父様からちらっと聞いた事があったんだけど、思い出せない。


「ははは!こんな戦いで優勝が決まってたまるかあぁぁ!一番強いのは僕だ…、僕なんだあぁ!」


 やりすぎ野郎もとい爆弾男は何やら意味不明な事を叫んでいる。あんた負けたでしょうに。


「お嬢様!」

「アイラさん!ティナさん!」

「二人とも、無事か?」

「みんなぁ~!」


 私とティナがいる所から爆弾男を挟んで反対側に、シャロルと控え室にいた出場者達がナナカ先生や複数の教員と一緒にやってきた。


「みんな!先生方!気を付けて!あいつはまだ爆弾を所持しています!」


 私は叫んで注意をうながす。会場内もどよめきが出ている。


「会場内のみんな、大丈夫だ。すぐに鎮圧ちんあつされる」


 実況席にいる王子殿下も冷静に会場のどよめきを治めようとしている。

 特別席にいたと思われる軍の兵士達も駆けつけ、爆弾男は取り囲まれるかたちとなった。


「おいオマエ!優勝を僕に譲れ!でないとこれで殺してやるぞおぉぉ!!」


 囲まれている事などお構い無しに、爆弾男は私に脅しと要求を述べてきた。要求が全く意味わかんない。表情からして壊れてるな。こいつ。


 と、ここでピーンと思い出せなかった手榴弾の仕様を思い出した。この世界の手榴弾は振動を感知して爆発するから、投げてきてもキャッチしちゃえば爆発しないんだ!思い出したからには対処法あるじゃん。


「あんたバッカじゃないの?自分の周りがどうなってるか見てみなさいよ。ロクに戦いの礼儀も知らない奴が、爆弾使ったところで勝てると思ってんの?くだらなすぎてあくびが出るわ~」

「貴様…、僕を馬鹿にしたなぁ!」

「あんたが馬鹿にされるような事するからでしょ?私が狙いなら来てみなさいよ。ほら?」


 私はティナから離れ、爆弾男に近づいていく。


「アイラ!待ってください!危険です!」

「大丈夫。対処法思いついてるから」


 ティナは警告してきたけど、私はそれにウィンクで答える。


「このぉー!!」


 爆弾男は再び手榴弾を投げてきた。投げ方がめっちゃユルい。

 私はあっさり爆弾をキャッチする。予想通り爆発する様子はない。

 その爆弾をそそくさとこういった物に詳しい実験室の管理担当の先生に渡しておく。……先生達ワタワタしてる。焦った勢いで落とさないでよ?


「何故だ…。どうして爆発しない…」


 この爆弾男、手榴弾の仕様も知らずに使っていたようだ。


「教えてあげよっか?その爆弾はね、落下時に振動を感知する事で爆発するの。落下前にうまくキャッチしてしまえば、爆発する事はないのよ」

「そ、そんな…」


 爆弾男は残りの手榴弾をその場に落とす。ロック自体解除されてない状態なので、爆発はしないみたい。てか爆弾の仕様を教えただけで戦意消失するって弱すぎんでしょ。


「あんたのせいで大会台無しなんだけど。これから先輩達の試合もあるし、せっかく来賓まで来てるってのにさ」


 私はある程度爆弾男と距離を詰めた後、神力を込めた殺気を爆弾男に向ける。


「ひっ!」

「雰囲気台無しにされてね…、私は本気でイラついてんのよ。勝ちが欲しいならね…」


 私は素早く動いて一気に距離を詰める。


「このぐらいの事してみなさいよ!クズ野郎!!」

「ぶあはあぁぁぁぁ!!」


 私は力を込めて奴をぶん殴った。勿論神力も込めた。私が奴を殴った位置は壁までとは少し間があるため、本来殴り飛ばされたところで壁に当たる事はないはずだけど…。



 ドオオォォォォン!!



 私は試合時よりも強い力で殴っていたため、殴られた爆弾男は吹っ飛んで壁に激突した。


(あ、ヤッバ。勢い任せにやりすぎた)


 周りを見ると、会場内は沈黙。近くにいた出場者達や先生達、軍の兵士達はみんなポカンとしていた。唯一、シャロルだけが「あ~あ」みたいな表情をしている。


「あー、えっと…」


 どう誤魔化そうかと考えた私だったが、同時に会場中から歓声が上がった。なんか誤魔化さなくても大丈夫そう。





 その後爆弾男は取り押さえられた。手榴弾は軍の兵士達によって回収、処理された。

 先生達や実況席にいた王子殿下の呼びかけもあって会場内はすぐに落ち着きを取り戻し、大会は再開された。


「さすがお嬢様です」

「あの戦いの後に良く動けますね」

「爽快でしたわ」

「カッコよかったぞ」


 控え室へ戻った後、シャロル、ティナ、ホウ、レイジから順々に称えられ、他の面々からも称賛された。気持ちは嬉しいけど、恥ずかしい。

 露出した格好を見られるのは平気だけど、こういうかたちで視線を浴びるのは苦手。


 その後、二学年と三学年の試合が開始された。その時に驚いたのだけど、大会参加者が二学年は四人。三学年は二人しかいなかった。

 見応えなさすぎでしょ。三学年とか初戦が決勝戦じゃん。


 そんな短い試合も無事終了。表彰式と閉会式が行われた。


 終了直後にナナカ先生から聞いた話によると、爆弾男はミゲルという一学年の平民生徒らしい。

 ザウスのクラスにいたらしいのだけど、周囲にはいつも人を見下す態度をとっていたそう。

 性格はかなり我儘わがまま傲慢ごうまんでクラス内では評判が悪く、彼の親もしょっちゅう学院側に文句や無茶な注文をしていたらしい。

 周りが見えない我儘なクソガキと、子離れ出来ないモンスターペアレントといったところか。

 手榴弾の入手経路は、軍の方で調査中とのこと。あと現場にいた兵士達も私の事を称賛していたらしい。


 先生との会話の後、ベテランそうな兵士さんがやってきた。

 『相手の動きをいち早く察知し、冷静に爆弾の分析を行い、決勝戦であれだけの戦いをしたのにも関わらず全力で恐れることなく立ち向かった。

 その知勇と勇敢さのおかげで、怪我人が出る事もなかった。今回の迅速な行動は、大きな評価に値する』

 と、兵士さんから国王陛下のお言葉として伝言を受けた時はビックリした。


 なお、大会の優勝と爆弾男討伐の影響で、私の名と存在が学院中に知れ渡る事となった。静かに控えめに過ごせないじゃん!


 こうして、今年の武術大会は幕を閉じたのだった。

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