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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第九章 領地視察へ
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洞窟到着

 洞窟を目指して移動を開始した私達。

 洞窟まではそれなりに距離があるということで、再び影光の高速移動で行こうと思ったんだけど、爺やがある移動の仕方を発案してくれたので、私達は今とても楽をして移動をしている。

 爺やが発案した事とは、目的地まで神獣に乗せて行ってもらおうというもの。


 私はフェニックスの背に乗って上空を飛び、アテーナとアルテはケルベロスの背に、シャロルとキリカはスレイプニルの背に乗って地上を走る。

 他の神獣達や精霊達もそれぞれの移動の仕方で走っているんだけど、みんなけっこう速い。王都出発から領地に入るまでの移動よりもずっとスピードがある。

 それから時々ミノタウロスが「えっほ、えっほ」て言ってるのが聞こえるんだけど、多分ずっと言いながら走ってる。地味に面白い。


 私が乗るフェニックスは、上空を他の神獣達と動きを合わせながら飛行している。なので私からは地上を走るみんなが見えるわけなんだけど、みんなの進行先に熊がいるのが見えた。私が見る限り、推定二メートルか三メートルはあると思う。

 もしこれが人間だけだったら、バレないうちにルートを変更するなり、一旦退き返すなりいろんな対策法があるけど、さすがに神獣がいると違う。

 熊は神獣達が接近してきたら、慌てた様子で進行ルートから避けてた。さすが動物達の王者だよね。






 しばらく移動すると、正面に海が見えた。海との距離が近くなるにつれ、海上にとても平らな島らしきものが見えた。もしかしてあれが小島?なんか埋め立て地レベルに真っ平なんだけど…。


 それはともかく、フェニックスは海岸からほど近い所に広がる岩場の少し開けた地形になっている所に着陸した。他のみんなもそこへ集合。


「ここから近くに洞窟があります。そこへご案内します」

「我を含めた一部の者はここか近くの場所で待機する。洞窟に全員が入ってしまうと窮屈だろうからな」


 洞窟へはオリジン様が案内してくれるみたい。

 バハムートを始め、一部の神獣は別の待機場所へ移動を開始した。すぐ近くにはいるらしいけど。


「さぁ、こちらです」


 オリジン様の案内で移動すると、集合していた広場のすぐそばに洞窟はあった。

 中へ入ると洞窟なのにやたら明るい。奥へ進むとほとんど歩かないうちに最奥まで行き着いた。

 この洞窟、入口よりも奥の方が開けていて、最奥は壁に穴が開いていて大窓のような状態になっている。覗き込むと、真下に川が流れていた。川のせせらぎのおかげで心が落ち着く…。


「どうですか?泊まるには良い場所だとは思いますが」

「確かにここ良いですね。雨風凌げますし、広いですし、壁や天井の凹凸も少ないですし」

「洞窟内で出来なさそうな作業も、さきほどの広場で出来そうですね」

「海の近くですから、場所も分かりやすいですね」


 オリジン様の確認に、私は納得する。シャロルとキリカも同じみたい。


 この洞窟、最奥が数ヶ所に別れている。と言っても枝分かれしている所から奥が見えるのでどこに何を置いたかが分かりやすい。全体的に住居や宿泊施設等にもってこいの形なのだ。

 あー、ヤバイ。ここ開発したい。絶対楽しいって。自分で使うための場所にするのもアリかな?でも施設にしたら儲かりそうだし~。

 んあ~!悩むわ~!ゴメン、セリア。私しばらく帰れそうにない。


「お嬢様?どうしてそんな輝いた表情をされているのですか?」

「ここをどう開発しようか考えたらワクワクが止まらないのよ~!あー!身体がウズウズするわ~!」

「そ、そうですか…。しかしグリセリア女王陛下はあまり長くなり過ぎないようにとおっしゃっていませんでしたか?」

「あぁ、無視するわ。また私の依存症がどうとか言ってたし。どうせ私的な意味でしょ」

「無視なさるのですか!?大丈夫なのでしょうか…?」

「ヘーキヘーキ。何の問題もないって」


 シャロルは心配してるけど、セリアの事だから長引く事も予想してるだろう。


「アイラさん、少々よろしいでしょうか?」

「あ、はい。なんですか?」


 開発妄想の続きをしようとしたら、オリジン様が声をかけてきた。


「実は領地を見回る前に、本日と明日を使ってあなたに魔法や神力能力をいくつか教えたいと思っております。今や廃れてしまった古代魔法や禁忌魔法はもちろん、精霊の特殊能力や神力がなければ使用できない能力も。

 今後は何かと忙しくなるでしょうから、今のうちに収得していただきたいのです。アイラさんの実力と魔法や神力の制御力ならば、簡単に覚えられるはずでしょうから。

 これは我々精霊と神獣の皆さんで話しまして、ハルクにも確認を取ってあります。後はアイラさんさえ良ければ、実行に移せるのですが」

「分かりました。よろしくお願いします」


 オリジン様の話に、私は即答でオッケーを出した。

 今まで覚えてきた魔法や神力に無駄な能力なんて一つもなかった。そして私はまだ収得出来ていない能力が多くある。今後のためにも早めに多く覚えておきたいとは思っていた。

 そのためなら時間は惜しまないし、一日や二日くらい持っていけって感じ。むしろ教えてくれるなら、そこまでありがたい事はない。


「というわけで、今日から明日終日までは移動がないけど良い?」

「私とアルテは既に知っていましたので」

「私達も一緒にお教えしますよ」

「わたくしめも同じく」

「私はその間にご奉仕できる状態を整えております」

「龍帝陛下のお言葉は絶対。仰せのままに待機致します」


 アテーナとアルテはやっぱ知ってたか…。そんな気がした。

 爺やも指導にまわってくれるらしい。まぁ、神獣だしね。

 シャロルは二日間でメイドとしての奉仕準備を整わすつもりらしい。

 キリカは私の言葉を龍帝の言葉として受け入れた。まぁ、適当に過ごすでしょ。


 その後はみんな各自でやりたい行動に移った。私も能力を教わる前に精霊達の案内で大きな木材を集め、アテーナやアルテ、一部の神獣達に『創造魔法』という魔法をかけてもらった。

 この魔法は大昔に廃れてしまった魔法らしいのだけれどアテーナは、


「超便利で絶対重宝出来る魔法です。アイラ様にもお教えする魔法予定項目にも入ってますので、後で実感出来ると思います」


 て言っていた。

 創造魔法は二千年前当時、魔法力に優れた人達なら駆使できた魔法らしい。なのに何故か現在は廃れてしまっていて、ハルク様が天神界からこの世界の魔法師や魔法を駆使出来る人を中心に使える人がいないか探したらしいんだけど、今現在も創造魔法を使える人は見つかってないらしい。


 この創造魔法は、必要な量の材料が揃っていれば、一瞬で作りたい物が出来上がってしまうという魔法。

 例えば木製の棚を作るとした場合、本来ならば寸法通りに切った木材と釘が必要となる。

 しかし創造魔法を使用する場合、適当なサイズの木材と、釘の原料となる金属さえ必要量用意すれば、一瞬で棚が完成する。

 製作時間もかからない上、材料が腐っていようが錆びていようが問題ないらしい。聞けば聞くほど魅力的な魔法…。

 保持している魔力が多ければ多い程大きな物を作れるそうで、私が保持する魔力なら城並みかそれ以上の建物まで建造出来るんだそうな。…でもそれ耐久性大丈夫?


 話を戻して木材に創造魔法をかけてもらって、複数のベッドを作ってもらった。

 私は魔法発動時の光景を見て思った。


(これ私が覚えたら、領地開拓と開発メッチャハイスピードで進められんじゃん)


 私は基礎体力や筋力が普通じゃないので、入手困難な物じゃない限り材料は簡単に集められる。そこに創造魔法を取り入れたら、多分一週間経たずに大きな街が出来上がると思う。


 そんなことを思いつつ、ベッドの設置を完了させ、異空間収納で持参してきた布団を敷いた。

 その後私はオリジン様や他の指導手と集まり、特別講習をスタートさせた。

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