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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第九章 領地視察へ
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精霊・神獣と合流

視点がアイラへ戻ります。

 ひたすら高速移動し続けて、あっという間に私の領地入口付近に到着。

 ここからは普通に歩いて領地内を進み、精霊達や神獣達との合流地点を目指す。距離的にはそこまで遠くない。

 爺やが合流地点まで案内してくれるということで、爺や先導で私達は進む。でもここ背の高い草が生い茂っていて歩きにくい。


「いや~、この辺は長い事手付かずだったのね。地図上だと道があるはずなのに、思いっきり草が伸びまくってるわね。開拓する前に全部刈らないと…」

「それは解りますが、お嬢様はよくその格好でこのような所を歩けますね?」

「別に何ともないし、気にしてないんだけど。そんな不思議?」

「草の葉が当たって痛かったりしないのですか?」

「別に?」

「左様ですか…」


 シャロルは何とも微妙な表情を私に向ける。

 私の今の格好は、王都散策の時と同じ超露出服。今や基本スタイルとなった。当然精霊や神獣から貰った装飾品も身に着けている。靴もウェッジヒール。

 周囲に生えている草は私の背丈ほどある。そんな大きな草をかき分けながら進んでいるため、必ず草が肌に当たる。

 シャロルが気にしているのは、私が草に当たっても何もリアクションしないところなんだろう。


 そんな会話をしつつ爺や先導で進むうちに、広い草原に抜けた。

 そしてそこには、先行していた精霊達と、久々の再会となる神獣達がいた。


「無事ご到着しましたね。お疲れ様です」

「お待たせしました。オリジン様」

「ワンワン!」


 オリジン様が声をかけてきて、会話しているうちにオルトロスが吠えながら神獣達の方へ走って行った。

 私は異空間収納からザッハークを取り出し、足元に置く。


「お待たせザッハーク。仲間達がいるわよ」


 ザッハークは数秒間周囲をキョロキョロと見渡した後、嬉しそうに飛び跳ねながら、神獣達のもとへ転がって行った。

 私もゆっくり神獣達の方へ近づく。


「アイラ様お久しぶりです!」

「お久しぶりです。お元気そうでなによりです」


 私が神獣達へ近づくと、セイレーンとラミアさんが私の前に出て声をかけてきた。


「久しぶりセイレーン。ラミアさんもお久しぶりです」


 二人の対応をすると、他の神獣達も一斉に集まってきた。

 グリフォンとペガサスは私に頭をスリスリさせてきてるし、エスモスは私の足元ウロウロしてる。他の神獣達も、近くで私を見てる。


「グリフォンもペガサスもくすぐったいって!エスモスも足元危ないよ?」


 私はグリフォンとペガサスを撫でる。エスモスはオルトロスやザッハークと一緒に私の足元でくつろぎ始めた。


「久々の再会ですね。アイラ様」

「無事に神龍と契約出来たようじゃのう」

「低能な連中の企てを防いだと聞いている。よくやったな」

「ふ~わぁ~…」


 フェニックス、ケルベロス、バハムートが順に声をかけてきて、スレイプニルはまったりとあくびしてる。相変わらずこの馬はのびのびしてるみたい。

 ちなみにバハムートが言う『低能な連中』とは、おそらく龍帝国でのコアトル達の事ね。爺やが定期的に交信して伝えてたみたいだし、知っていても不思議はない。


「そういえば、私まだみんなの住処を探せてないんです。ごめんなさい、もう少し待っててください」


 セリアにも言われた神獣の住処探し。まったくもって何もしてなかった私は、念のため謝罪する。


「別に急かしはしないわよ」


 私の謝罪に対応してきたのは、強い物言いをするエキドナさん。


「リヴァイアサンから色々報告はもらってるわ。何かと忙しいみたいじゃない。まずは自分の立場とその地盤を盤石にする事が最優先よ。私達の住処探しなんてその後でも構わないわ。むしろそうしないと怒るわよ?」

「エキドナさん…、ありがとうございます」


 相変わらず冷たい態度で強い言い方なエキドナさんだけど、内容的に気遣ってくれていることが分かる。

 私はお礼を言って頭を下げた。


 ところで、さっきから気になる動きをしている神獣がいる。


「あの、さっきからどうしてミノタウロスは筋トレを?」


 一体いつから始めたのか、私がここへ着いた時には既にそうだったんだけど、ミノタウロスがずっと腕立てやら上体起こしやらをし続けている。今やる意味が分かんないんだけど…。


「なんか、アイラ様と真っ当に話せるようになるための修行の一環だとか…」

「あれで会話能力が向上するわけないのよ。頭おかしいわよ、あいつ。単にバカ?」


 セイレーンが苦笑いで説明してくれて、エキドナさんは歯に衣着せない発言をした。

 確かに筋トレでコミュニケーション能力は上がらない。ミノタウロスの中で何がどうなってこういう結論に至ったのかしら?

 そもそも筋トレを始めた時点でみんな理由を知ってるのになんで放置してんの?止めなさいよ。


 と、突然予告なしで私の中から神龍が出てきた。ビックリしたわ。


「久しいな。皆の者」

「神龍!久しいな!」

「久しぶりだな、神龍。オリジンが龍帝だった時以来か?」


 ミニサイズで出てきた神龍は神獣達へ声をかけ、ケルベロスやバハムートが反応している。ここも久々の再会ってわけね。


「アイラ様、そちらのお二人は契約時にお見かけしませんでしたが、アイラ様のお連れ様ですか?」


 フェニックスが私の後ろにいるメンバーを気にしてきたので後ろを振り向くと、シャロルとキリカが呆然としていた。

 言われてみれば、二人をオルトロスやザッハークや爺や以外の神獣と会わせるのは初めてだ。…考えてみれば、シャロルを神龍と会わせる事も初めてだ。


「なんという迫力…。三つの伝説を一度にこの目で見れるなんて…」

「神龍様とお会い出来ただけでもすごい事なのに…、こんな光景って…」


 なんか二人してブツブツ言いながら突っ立っている。そりゃ三つの伝説を一度に見たらこうもなるか。


「二人とも~?そろそろ戻ってきて~!」

「…はっ!これは失礼致しました…。ついうっかり…」

「失礼しました…。あまりに圧倒されてしまって…」


 私が二人に声をかけて手を振ると、二人はフリーズ状態から復活した。

 この間、アテーナやアルテや爺やは、他の精霊達と会話している。暇らしい。


「この二人は私のメイドのシャロルと、龍帝補佐のキリカよ」

「シャ、シャロルと申します…」

「キリカと、申します…」


 神獣達へ二人を紹介したけど、シャロルとキリカはガッチガチに緊張してる。

 普段冷静な二人がここまで緊張を表に出すのは珍しい。


「皆さんそろそろよろしいですかな?アイラ様、視察中宿泊する場所でございますが」


 爺やが一旦みんなの会話を止めて、私に泊まる場所の話をしてきた。

 ていうか『宿泊』じゃなくて『野宿』じゃないの?


「精霊方と我々神獣で、宿泊場所を決めておきました。ここから海の方面に進んだ先、海岸から近い所に小さな洞窟があります。まずはそこへ向かいましょう」


 どうやら精霊達と神獣達で事前に駐屯地を決めていたらしい。

 まぁ、外にテント張る状態よりはマシか。……コウモリとか出ないよね?

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