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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第二章 学院生活
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神様からの新たなお知らせ

 武術大会前日の夜、私は天神界へと呼ばれていた。


「ヤッホー、アイラ」


 軽いノリで挨拶してくる神様。とても神様とは思えない威厳の無さ。黙っていれば美人で神々しいんだけどなぁ…。


「あの、明日大事な事がありますので、御用でしたらまた今度にしてくれません?」

「えぇ~…。アイラ冷た~い…」


 しゅんとする神様。でも私としてはきっちり睡眠して明日に備えたい。今度にしてほしいのは事実。


「明日の武術大会とかなんとかの気持ちは解るけど、今回私が言いたい事はあなたにとって重要かもよ~?」

「重要…ですか?」

「うん。アイラ、ようやく思い出してくれたわね。待ってたのよ」

「何をですか?」


 私は首を傾げる。私が最近思い出した事というと神楽の事くらい。でもそれを思い出すのを神様が待っていた?


「前世で大切なお友達がいた事、そしてそのお友達を庇ってあなたは死んだ。その事を最近やっと思い出したでしょ?」

「ええ、思い出しましたけど…」

「あなたのお友達はあなたと同時に亡くなっているわ。残念ながら、あなたは庇いきれなかったことになるわね」

「そう、ですか…」


(そっか…、庇いきれなかったんだ…。ごめんね、神楽)


「でもね、これには続きがあってね」


 哀しみに浸る私に神様は続きがあると言う。死んだ後に何の続きがあるというのかしら?


「私のミスであなたが前世の記憶持ちで神力を持っていることを説明したでしょ?あれね、実はアイラだけじゃないの」

「……へ?」

「あなたと同様、私が同じミスをしてあなたと同じ状態になっている子がいるのよ。その子が前世であなたとお友達だった宮本神楽ね」

「え?……ええええええ!?」


 私は驚愕した。神楽も転生してたんだ!私と同じ状態で!


「それ本当なんですか!?神楽は今どこにいるんですか!?どうしたら会えますか!?」


 私は嬉しさのあまり神様に迫って質問攻めする。


「まあまあ、落ち着きなさいな。あなたのお友達はグレイシア王国っていう国にいるわ。名前はグリセリア」


 神楽はどうやら隣国にいるらしい。………ん?グリセリア?


「まさか、グレイシア王国のグリセリア女王?」

「うん、そうそう」


 マジでぇーー!!神楽、女王様なのぉーーー!?


「向こうも既にあなたの事を思い出していてね、あなたの現在の事も説明してあるから。会っても当然容姿が違うから戸惑うと思うけど」

「わかりました!ありがとうございます!いろんな意味で!」

「ね?あなたにとって重要な情報だったでしょ?じゃあ言うべき事は言ったわ。無事に再会する時をここから見ているわ。またね」

「はい、また」


 そして私の意識は天神界から離れていった。






 目が覚めて起き上がると、辺りはまだ暗闇だった。まだ深夜の時間帯らしい。

 私は起きたまま少し微笑む。


(神楽、女王様になってたんだね)


 思えば女王に流れている噂も、独裁的なところも、神楽の性格から考えれば納得がいく。多分、コミュニケーション能力の低さとキレて暴れまわるところが前世の頃のまま全開で出てるんだろうなぁ…。


 隣国の女王様が実は前世の親友。私はその事に心躍っていた。


(でもいくらお互いに今の状態を知っていても、貴族令嬢と女王様じゃ立場が違いすぎる。会うのは難しいかも…。でも会いたい!会って久々にギュ~ってハグしたい!)


 そんな事を考えつつも、明日の大会への備えを優先するため、私は再び就寝した。

 親友への悲しみが喜びに変わったせいか、普段よりも気持ちよく睡眠できた。

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