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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第八章 次の道へ進む時
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みんなにもお披露目

視点がアイラへ戻ります。

 桜を見続けていた私とセリアは、時間も忘れてその場にくつろぎ続け、たまたまセリアが持っていた懐中時計を見たら、いつの間にか二時間以上経過していた。

 私とセリアは大慌てで待機していたみんなの下へ駆け、その後二人揃って土下座した。さすがにこれはやらかしたわ。





 翌日、私達は再び桜地域へ向かう事になった。今回は私とセリアの他にオルシズさん、リリアちゃん、アリス、シャロル、キリカ、爺や、アテーナ、アルテ、ノワール、オルトロス、ザッハークが同行する。

 昨日の夕方頃、私とセリアはみんなに声をかけ、明日のスケジュールを確認。ちょうどみんなが共通して空いている時間があったので、みんなを桜の下へ案内し、そこでお花見をしようという事になったのだ。

 このお花見はただ楽しむというわけではなく、今まで誰にも言わずに一人仕事を放棄してまで桜を育てあげたセリアへの不信感を少しでも解消してもらおうという狙いがある。


「苦労したんだよ~、育てるの。やっとみんなにも見せられるってもんだよ~」

「説明はある程度聞きましたけど、そんなにすごいんですか?」


 歩きながらしみじみ苦労を語るセリア。そんなセリアに、リリアちゃんが首を傾げる。


「キレイだよ~。きっとリリアも今までの不満が飛んでいくくらい気に入ってくれると思う」

「不満持ってるの解ってるならサボらないでください。もしかしてアイラさんはそれを見て許しちゃったわけじゃないですよね?」

「許したわよ。1割ね」

「ちょっと待って。9割は?9割許されてないの?」

「当然よ。許せるわけないじゃない。リリアちゃんやオルシズさんやアリスに散々負担かけさせておいて」

「うえぇぇぇ…。今後私メッチャヤバイ罰とか待ってないよね?」


 リリアちゃんの質問に対し、私は1割のみ許している事を伝えた。するとセリアが戦々恐々とし始めた。


「えっと予定だと、まず往復ビンタ50往復に腹パン百回。それからすね蹴り500回と逆さ宙刷り10日間」

「いくらなんでも私死ぬよ!私の行為と代償の割合が合ってない!ぼーりょくはんたーい!イジメはやめよー!」


 私がセリアに罰の内容を伝えると、セリアはツッコみをいれた後におかしくなった。


「なんか壊れたアホは放っておいて、本当にキレイだから。セリアの言う通り気に入ると思うわ」

「そうなんですか。分かりました!楽しみにしてます!主に二つの意味で!」


 リリアちゃんの言う二つの意味とは、おそらく一つが桜。もう一つがセリアへの罰だろう。








 みんなで桜のトンネル前に到着した後、私とセリアは手を繋いでランラン気分で歩こうとしたけど、みんなは桜を見上げたまま呆然としていた。


「ちょっとー?早く来なよー。置いていくよ?」


 セリアの声でみんなはハッとした反応をし、ようやく付いてきた。


「…キレイ……」

「なんと感動的な…」

「まるで別世界に来た気分ですな」

「素晴らしいの一言に尽きますね」

「女王陛下お一人で長年これらを管理していたのですか…」

「なんとも想像しにくいですね」

「ワンワン」


 リリアちゃんとシャロルは、ポツリと呟いた後も呆然とした表情で桜を見てる。マジで感動してるみたい。

 爺やも微笑みながらコメントしてる。神獣に評価されるのはすごいかも。

 キリカは素晴らしい以外の感想が浮かばないようだ。

 オルシズさんはセリアが一人で管理をしていた事に感心し、アリスもそれに同調してる。

 オルトロスとザッハークは舞い落ちる桜の花びらを浴びながらはしゃいでいる。

 アテーナとアルテとノワールが静かだなって思ったら、三人して器用に呆然としたまま上を見て歩いてた。おーい、前方不注意だぞー?







 そのまま桜の大樹前まで到着すると、みんな声すら出さなくなり、完全にフリーズしていた。

 オルトロスとザッハークはさっき以上にはしゃぎまくって、大樹の周りを走り回っている。


「みんなしばらく動きそうにないし、勝手にくつろいでよっか?」

「そうね。時間が経っても動かないようであれば呼びましょ」


 フリーズしてしまった面々は放っておいて、私とセリアは桜の大樹の麓で異空間収納からレジャーシートを取り出し、二人でせっせと敷いた。


「こんにちは。お二人とも」


 急に声がしたと思ったら私とセリアの前にオリジン様が現れ、続くように他の精霊達も現れた。


「こんにちは。オリジン様、皆さん」

「あれ~?なんで精霊達ここ知ってんの?」


 私は普通に挨拶し、セリアは精霊達がこの場所を知っている事に疑問を持っている。


「実は昨日あなた方お二人が他の者を置いて入っていく光景を偶然お見かけしまして、夜に精霊一同で先に何があるのか確認しに行ったのです。勝手な事とは理解していますが自然を司る精霊としては放っておけなくて。ごめんなさい」


 どうやら精霊達は昨日の夜のうちにここへ来たらしい。つまりはパトロール的な?


「ふーん。まぁ、精霊なら当然の事だろうし、踏み入れたのがアイラの後なら文句ないよ」


 どうあっても私を最優先するのね。セリアは。ていうかなんでそんなに上目線なの?


「私とした事が完全に思考を奪われたわよ。すごいわね。これ」

「この場所はグリセリアさんが整備したのですか?」

「そだよ。前世の記憶を掘り返して時間をかけて木々の状態を改善させて、枯れないように改良してようやく今の状態に出来たんだ」


 アグナさんは桜の景色を絶賛してくれている。

 ネロアさんはこの場所の事をセリアに質問し、セリアも嬉しそうに語った。


「私、この場所好き」

「俺も表現できない程感動してるぜ。ところで話変わるけどよ、あいつらはいつまで固まってんだ?」


 シルフちゃんもここが気に入ったみたい。コメントした後、オルトロスやザッハークのはしゃぎの中に混ざって行った。カワイイ。

 ベヒモスは感想を述べた上で、フリーズしている他の面々へと視線を向けた。


「ちょっとー?いつまで固まってんのー?」


 放っとく予定だったけど、ちょっと長くなりそうだったのでセリアが声をかけた。そしたらみんなフリーズから復活した。


「みんな来てー!こっちで座ろー!」


 私はみんなを呼び寄せ、敷いていたレジャーシートに座らせた。

 セリアと一緒に飲み物と軽食を用意して、お花見の始まりだ~!

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