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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第二章 学院生活
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前世の親友

 『隣国のお話』の後に投稿する予定でしたが、話の流れに不自然さを感じたため、割り込みで投稿させていただきました。

 複雑な投稿をしてしまい、大変申し訳ございません。


 定期的に見ている私の前世の頃の夢。私はまた夢の中にいた。

 それは私が街中を歩いている夢。これまで何度も見ていた夢、のはずだった。


 今回私が見ている夢の中には、もう一人出てきていた。

 私と同じ学校の制服を着た少女。私は彼女と談笑しながら街を歩いていた。

 しかし急に金属がぶつかりあうような音が聞こえたと同時に、私と彼女がいる位置に影が被った。上を見上げると、真上から大量の鉄パイプが落ちてきた。


神楽かぐら!」

春華はるか…!」


 私は咄嗟とっさにとなりにいた彼女の名を叫び、彼女を押し倒して上におおいかぶさった。

 そして、その直後に夢が終わった。





「っ!はあ!!はぁ!はぁ…!はぁ…!」


 私は飛び起きた。うなされていたのか、呼吸は荒くなっていて身体も汗だくになっていた。

 ここ最近は裸で寝ていたから服は着てない状態だけど、布団は汗でびしょびしょになっていた。


 私はベッドに座ったまま頭を抱える。

 思い出した。前世で自分が死ぬ瞬間を。そしてあの時一緒にいた親友の存在を。親友の事の全てを。


 私は原因は知らないけど、上からいきなり落ちてきた大量の鉄パイプの下敷きになって死んだ。なんとなく意識を失う前に頭に衝撃が走ったのを覚えてる。

 私は下敷きになる直前、となりにいた親友、宮本神楽みやもとかぐらに覆いかぶさった。咄嗟の判断で逃げるよりも、彼女を守る方に身体が動いた。


(なんでもっと早く思い出さなかったんだろう…。神楽、無事かな…)


 私は死んで、この世界へ転生した。彼女は生きているのだろうか?

 神楽は色々変わった子だった。同時に思い出したのだけど、私が前世で着ていた超露出の過激衣装は全て神楽の手作りだった。裁縫が得意だった彼女は、いつもハイレベルな出来栄えの服を作ってた。当の本人は「春華の露出衣装以外は作ってもつまんない」と言っていたけど。

 さらに彼女は精密機械や電子機器、農作や漁業に関する知識がやたらもの凄かった。親や祖父母や親戚の影響だと彼女は話してたけど。


 様々な分野で天才的で、学業においても優秀だった神楽だけど、私以外には友人と呼べる人がいなかった。

 その理由は二つ。彼女は周囲に対して威圧的な態度をとる事が多かった。相手を畏怖いふさせるような感じというか。これは彼女のコミュニケーション能力の低さによる、彼女自身の緊張が原因。慣れてしまえば、普通の会話が出来るらしかったのだけど。

 もう一つは、対立したり仲の悪かった相手には容赦がなかったという点。一度キレると刃物やかなづち等の凶器を持って追いかけまわしたり、毒性の高い化学物質を理科室から持ち出して相手に投げつけようとしたり。何度私が止めに入った事か。

 しかも相手が学校の先生だろうとお構いなし。今考えるともう完全な殺人未遂だったな…。


 そうして周りが彼女を避ける中、私だけが彼女と普通に接していた。周りの同級生には「どうしてあんなのと普通にしゃべれるの?」と言われた事もあった。

 どういうわけだか話題性や趣味が同じでもないのに、彼女とは妙に気が合った。私と話す彼女はどこにでもいる女の子で、私は彼女が悪い人だとは思っていなかった。そしていつの間にか親友の間柄になっていた。


(神楽、一人にさせちゃったな…)


 彼女は今どうしているだろう?そもそも無事だったのかしら?生きていたとして、うまくやっていけてるだろうか?それとも一人で苦しんでいるのだろうか?

 どういう状態にせよ、私はもう一緒にいてあげられない。解ってはいるけど、そばにいてあげられないのが悔しい。


(もしまた神様に会ったら、聞いてみようかな…)


 その後、身体を拭いて冷えを防止するために寝間着を着て布団に再び入ろうとした私だけど、完全に目が覚めてしまったのと、汗を吸収した事により冷たくなってしまった布団の影響で、眠りにつく事が出来ぬまま朝になってしまった。

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