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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第八章 次の道へ進む時
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特殊な服

 キリカの部屋の準備と案内がひと通り済んだところで、私はセリアやシャロルとリビングにいた。キリカは部屋で荷物の片付けとセッティングをしている。


「今更だけど、はい。お土産」

「これは…」

「何これ?」


 私が出した龍帝国からのお土産に、セリアとシャロルは困惑する。

 それもそのはず。私が出したのは葉っぱと粉末なのだから。でもただの葉っぱと粉末ではない。


「この葉が烏龍茶の茶葉。粉末が香辛料よ」

「え!?マジで!?わーい!やったー!烏龍茶とか懐かし~!香辛料があれば料理のバリエーション増える~!」

「ウーロンチャ?コウシンリョウ?」


 私が出した物がなにか分かると、セリアは喜び、シャロルはカタコトになりながら首を傾げていた。


「シャロル、烏龍茶は紅茶とは違う茶の一種よ。香辛料は香りのある刺激的な調理材料の一つなの」

「そうなのですか。お嬢様の説明である程度解りました。でも龍帝国の物を何故女王陛下が懐かしんでおられるのですか?」

「だって前世以来なんだもん」

「烏龍茶も香辛料を使った料理も、私とセリアがいた前世の世界にあったのよ」

「あぁ、なるほど」


 シャロルも理解してくれたみたい。


「ところで私もアイラに渡したい服があるんだけど。あ、勘違いしないでよ?アイラが龍帝国に行く前には出来上がってた服だからね?決してサボって作った服じゃないからね?」

「保身に必死か。出来上がってたなら、なんで渡さなかったの?」

「他の服と違って特殊形状でさ、形は完成してたんだけど本当の意味では完成じゃなかったんだよね。

 実はその服の事でオリジン様にも相談した事があってさ、最終的にアイラが着ないと完成しないっていう結論に至ったんだよ」

「私が着ないと完成しない?何それ?どういう事?」


 セリアの言ってる事がさっぱり分からない。でもオリジン様に相談したって事は、裁縫の事じゃなくて服の素材とかに何かあったのかしら?


「とりあえず持ってくるよ。待ってて~」


 セリアはバタバタと走って自室へ向かって行った。


「女王陛下は何をどうおっしゃりたいのでしょうか?」

「私も分かんない」


 話を傍で聞いていたシャロルも、セリアが何を言っているのか理解に至らなかったみたい。


 少し経ったらセリアが戻ってきた。


「はい、おまたせ~。これ」

「これ?見た目は何ともないけど…」

「またとてつもない露出面積…」


 セリアが差し出した服に私は首を傾げ、シャロルは露出面積の大きさに頭を抱えている。


「まずこの生地は全て魔力を通せる素材で作ってある。オリジン様が言うには神力も通せるらしい」

「魔力を通せる素材って…。けっこう高価よ?それをよく集めたわね」

「あと、裏面は肌に吸着しやすい素材を使ってる」

「肌に吸着しやすい素材?なんで?」

「構造上吸着させないと確実にポロリする」

「あぁ、なるほど…」


 確かに服の形状上ポロリしそうな感じではある。

 この服は高い襟から前面に二本布が伸びている。腹部辺りで一旦合流して左右に別れ、下腹部で再び合流してスカートとして流れるか、腰へ廻って合流して流れるかという形になっている。

 スカートも非常に細く、股が隠れるかどうかギリギリの範囲しかない。

 肩周り、背中全て、胸のおよそ八割、腕、お腹、脚の内股以外、腰横が完全に露出しているという、前世の頃のコスプレ含めて過去最大の露出面積のある服だ。


「ご歓談中、失礼致します」


 ここで突然オリジン様が現れた。


「あれ?オリジン様。どうしました?もしかしてノワールに何か…?」

「ノワールさんでしたら今は考え込んでらっしゃいます。精霊達で交代で見ていますのでご安心を」


 ノワールは精霊窟から帰って来ても精霊達のお世話になっちゃってるな…。いくら装備で強くなっても、心が強くないと意味ないぞ?

 ……よくプレッシャーでお腹痛くする私が言える事じゃないけどね。


「そろそろグリセリアさんがアイラさんに服をお渡しする頃かと思いまして」

「オリジン様ナイスタイミング!」


 どうやらオリジン様もこの服の要件で来たらしい。この服何かそんなに重要なの?


「アイラさん、今まで精霊、神獣、龍帝国側から渡された物は全てありますか?」

「あ、はい。えっと、これと、これと、あとこれと…」


 私はオリジン様の確認に応え、異空間収納から今まで貰った物を取り出す。


「おお~、ヒール高!」

「……」


 セリアはヒールの高さに興味を持ってるけど、オリジン様は何故か驚いた表情で私を見てる。


「…アイラさん。異空間収納は神龍から教えてもらっていたのですか?」

「いいえ。使えないかな~って思って適当に動いてたら出来るようになってました。そういえば、神龍も無知状態で異空間収納を収得できるのはすごいって言ってました」

「そ、そうですか…。異空間収納を…無知で…」


 なんかオリジン様が呆然としてる。そんなにすごい事だったんだ…。


「私も異空間収納覚えた~い」

「アテーナとアルテの特訓に加えるわね」

「やっぱいいです…」


 セリアも異空間収納の収得を希望してきたけど、アテーナとアルテの護衛二人を絡ませると即取り消した。そこまで二人の特訓が嫌なのか。


「異空間収納の事は後程詳しく聞くとしまして、アイラさんにはこの服を着ていただいた後、そちらを全て身に着けてもらいまして、それらに神力と魔力をアイラさんご自身で流していただければ、服の完成と同時に各道具の発動が完了となります」

「道具と服を同時にやる必要性って…」

「その方が楽だと思いますよ。一つ一着ずつ神力を送るよりも」

「そりゃそうですけど…」


 もうなんでもいいや。とりあえず着替えよ。

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