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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第七章 それぞれの行動と進歩
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ノワール対アリス

 林の中でも割と開けている場所に移動し、ノワールとアリスはお互い向かい合う。

 この場所は足場こそ良くないものの、模擬戦を行うには十分なスペースとなっている。


「それでは…、いざ!」

「……」


 アリスは気合を入れて構える。対するノワールは無言不動。


「はあっ!」


 先に仕掛けたのはアリス。ノワールへ正面から斬りかかる。が…。


「なっ!?」


 ノワールはアリスの目で捉えきれない程のスピードでアリアンソードを振り、簡単にアリスの剣を弾いた。

 本来なら剣が交差する場面だったのだが、アリアンソードを振るノワールの速さと、アリアンソードその物の重さで、アリスの攻撃は小石が当たった程度でしかなかった。


 剣を弾かれたアリスは、一旦ノワールから距離をとって体勢を立て直す。ノワールからの追撃はない。


「フー…、はあああああっ!!」


 アリスはもう一度、今度はさらに力を込めて別角度から攻撃。


「甘いですね」

「!?」


 ノワールは一言発言して再びアッサリ攻撃を弾く。

 今回のアリスの攻撃は、本来ならばノワールは体勢を変えて防御しなければいけないはずの攻撃。しかしノワールは一切体勢を変えることなく、目線すら変えぬままアリスの攻撃を弾いた。

 ノワールはアリアンソードを持つ片腕のみを動かし、アリスの攻撃を弾いたのである。この事にアリスは驚きを隠せないでいた。


「…さすがは半精霊といったところでしょうか。ここまで桁違いとは…」

「誉め言葉として受け取っておきます。私としてはまだ未熟に感じていますが」


 ノワールを称えるアリスに、ノワールは未熟と語る。


(これでまだ未熟と言うのか…。これ以上になったらどうなるのだ?想像もつかない…)


 アリスはノワールの発言に驚きつつ、呼吸を整えて再び構える。


「スゥー…、……ふっ!」


 アリスは今まで以上に集中力を高め、全力でノワールへ斬りかかった。もはや手加減なし。模擬戦で出す実力ではなく、本当の戦闘を意識したアリスの全力全開での攻撃であった。だが。


「そちらが全力ならば、こちらも少し力を入れましょうか」


 ノワールはアリスが全力でかかってきている事に気が付いていた。それ故に手を抜いては失礼と感じたノワールは、多少の力を込めて対抗した。


 アリスが斬りかかろうとした瞬間に、ノワールはアリアンソードを高速で振る。

 剣を弾かれたアリスは、引くことなく何度もノワールへ連続攻撃を叩き出す。

 何度目かのアリスの攻撃をノワールが弾いたところで、ノワールは後ろへ大きく後退。そして後退直後にアリアンソードを振り、アリスに向かって波動を発生させた。


「なっ!?ぐううっ!」


 予想もしなかったノワールからの攻撃にアリスは驚愕し、本能的な危機感で慌てて防御態勢をとったものの、そのまま吹き飛ばされた。


 ノワールはアリアンソードを異空間収納に収納し、飛ばされ倒れたアリスのもとに駆け寄って声をかける。


「大丈夫ですか?もう終了で良いですよね?」


 ノワールは微笑みながら、アリスへ手を伸ばす。


「はい、私の負けです。シャロル殿に続いて全く歯が立たない勝負に会うなんて、こんなのいつぶりでしょう?」


 アリスも素直に負けを認め、微笑みながらノワールの手を握る。


「勝っておいて言うのも変かもしれませんが、私はまだアリアンソードに頼っているところが多くて、本来の実力的にはまだまだなんです。その点ではアリスさんの方がずっと上かもしれません」

「あら?そうですか?ではその点は追い越されないよう精進せねばなりませんね」


 二人は会話をしながら笑みを見せる。その近くで…。


(私のエグリトスに勝っておいて何言ってんのよ…)

(私のフリーザーを圧倒しておきながらまだ上を目指しますか…)

(俺のコレクション以外まで壊す気か?あいつは)


 話を聞いていた精霊達のうちの二人と一匹。アグナとネロアとベヒモスは、ノワールがまだ実力の向上を目指している事に呆れていた。


「さて、そろそろ城の門が開門する時間になるはずです。行きましょうか?」

「分かりました。行きましょう」


 アリスとノワールは、城の門に向かって歩き出す。


「そういえば女王陛下もお変わりになられたんですよ。ハルク神からのお導きがあったみたいで」

「そうですか。もしかすると、アイラ様とのバランスを取るためなのですかね?」

「あぁ!その可能性はありますね」

「女王陛下はどのようにお変わりになられたので?」

「えっとですね…、まず雰囲気がアイラ殿のように…」


 二人はグリセリアの雰囲気が変わった事を話しながら、ともに別館へと向かうのだった。


「…我々は裏の池へ戻りましょうか?」

「そうですね。しばらく休憩しましょう」

「俺もう疲れた…」

「ここでダラけないでよ。体毛全部燃やすわよ?」

「あははは…」


 二人を見ていた精霊達は城門前で足を止め、オリジンが城の裏手にある池へ戻る事を発案。

 ネロアはその案に賛成し、ベヒモスはその場でダラけた。

 アグナはベヒモスを脅して無理やり立たせ、それを見たシルフが苦笑いしている。


 こうして精霊達の『一人の少女に装備を継がせる』というプロジェクトは終わりを告げ、ノワール、精霊達は元々いた場所へと帰還したのであった。

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