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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第七章 それぞれの行動と進歩
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帰宅中一行

視点がアイラから外れます。

 アイラが帰り支度を始めようとしていた頃、ディゼフォーグ地帯から現れ、王都フェルゼンへと向かう集団がいた。

 ノワールと精霊達である。


「さて、ディゼフォーグ地帯から抜けました。あとは王都までひたすら歩くだけです」

「霧に包まれているのに周囲が見渡せるのは不思議な感覚ですね。まさか私まで霧に対応できるようになるとは思いませんでした。未だに興奮してます」


 オリジンがディゼフォーグ地帯から抜け、あとは歩くだけと宣言。隣でノワールが感心した様子でいる。


 ノワールは装備継承後の鍛錬と精霊達からの指導で、ディゼフォーグ地帯のような濃霧の中でも視界が保てる能力を使えるようになっていた。

 今までのノワールであれば本来習得は不可能。しかしオリジンとの戦闘中に半精霊化したため通常の人間とは異なる存在となり、使用が可能となっていた。


「アイラ様はもうお帰りになられたでしょうか?待たせていなければ良いのですが…」

「ハルクより情報はもらっていますが、アイラさんはまだ龍帝国にいるようです。私も詳細までは聞いていませんが、現地で色々問題が発生したようです」

「そ、そうなのですか!?無事に神龍様との契約を済ませていれば良いのですが…」


 オリジンから発せられたアイラの状況に、ノワールは驚き戸惑う。


「神龍との契約に関しては問題なく終わったそうです。しかしその後に色々あったようで。

 私も少し気になっています。おそらくは生贄に関する事だと思いますが」


 オリジンは契約に関しては問題なく行われた事をハルクから聞いていたため、その点では安心していた。しかしオリジン自身二千年前に生贄の事で苦労した過去があったため、今回アイラが同じように苦労しているのではないかと心配していた。


「めずらしいわね。オリジン様が誰かを心配するなんて」

「私も当時のアテーナを保護した時は苦労しましたから…。アイラが同じ目にあっていなければ良いのですが…」


 アグナの発言に対し、オリジンの表情は暗い。

 ハルクリーゼはオリジンに定期的に情報を伝えていたが、その情報量は必要最低限。これはオリジンはノワールの事に集中してほしいというハルクリーゼの思いからなるもので、そのためハルクリーゼはあまり情報を渡してはいなかった。

 なので当然、アイラが生贄を助け、その人物を首相にした事など、オリジンは知る由もない。


「なぁ、一旦休憩しねえか~?俺歩くの疲れた…」


 少し歩くと、ベヒモスが疲れた様子で愚痴りだした。


「ベヒモス様」

「ん?なんだよ」


 この愚痴に誰よりも早く反応したのがノワールだった。

 彼女はベヒモスに声をかけた後、収得した異空間収納を発動させて、そこからアリアンソードを取り出す。


「これでベヒモス様の体毛を全剃げば、きっと身軽になって歩けると思うんです」

「なに恐ろしいこと言ってんだお前ぇぇぇぇ!!」


 笑顔で恐ろしい発言をし、アリアンソードを向けてきたノワールに、ベヒモスは絶叫しながら逃げる。潜らずに地上を走って。


「走る力が残ってるならまだ歩けるでしょう。ノワールさん、今はまだ大丈夫そうです。この後本当に動かなくなったらお願いします」

「分かりました」


 オリジンは走って逃げるベヒモスを見てまだ体力が残っていると判断。ノワールに今はやめておくよう指示し、ノワールはアリアンソードを収納した。


「ぜぇ…、ぜぇ…。コレクションだけじゃなくて俺の体毛まで失わす気かよ。お前は」


 息切れしながら戻ってきたベヒモスはノワールに対して苦情を出す。だがその直後。


「ベヒモス、うるさいです」

「ぶえぇぇぇぇ!!」


 何故かネロアが笑顔でベヒモスにウォーターカッターレベルの水力で水を発射し、ベヒモスの顔面に直撃。

 撃たれたベヒモスは、飛ばされたと同時に顔面付近の体毛の一部が剃げた。

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