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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第七章 それぞれの行動と進歩
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新たなる協力者

 私の宣言に役人達や兵士達はざわめき始める。まぁ、仕方ない事だけど。

 その後いくら待ってもざわめきが治まらないので、私はキリカに静まらせるよう指示を出した。


「静まれ!!龍帝陛下のお話はまだ終わっていない!」


 キリカの迫力ある声で、ざわめきはピタッと治まった。キリカすげー。


「龍帝が政治の全てを掌握するなど、今までにない事です。皆さんが驚くのも無理ないでしょう。ですが現在の状況に対して太刀打ち出来る方はおりますか?自分ならば全ての者に言う事を聞かす事が出来るという方はいますか?我こそはと思う方がいるなら、今ここで名乗り出てください」


 謁見の間に沈黙が流れる。やっぱりいないみたい。


「権限の回収は一時的な対策です。いわば応急処置です。

 回収後は私が代役で政務をこなす一方で、同時進行で新たな人事も検討します。今現在各部署で一応の状態で指揮役の立場にいる方を昇進させる可能性もあれば、そうでない方を抜擢する可能性もあります。

 そうして新たな体勢が整った部署から順々に、回収した権限をお返しします。

 これは、屈強で誇り高き竜族が治めるこの国を、本来のあるべき姿に取り戻させるための策です。未だ部外者に等しい私が言える事ではないのかもしれませんが、皆さんのご理解とご協力をお願い致します。

 私が行う今回の件に関して、それ以外の事でも私に対して意見や疑問や文句がある方は私のもとまで直接来てください。納得されるまで話し合いましょう。それでは、私からは以上となります」


 私は話を終えて玉座に座り直す。謁見の間には沈黙が流れ続けていた。大勢の人がいるのに、誰一人言葉を発しない。多分みんな反応に困ってる。


「龍帝陛下からのお話は以上だ。今のお話が理解出来なかった者は、遠慮なく我々のもとに来い。

 では、この後は皆通常業務となる。すみやかに持ち場に戻れ」


 キリカはみんなに業務に戻るよう指示するが、誰も動く気配がない。


「何をしている!全員持ち場に戻れ!」


 キリカが強く言ってやっとみんな動き出した。やっぱみんな戸惑ってるよね…。

 それにみんなが動かなかったのには、もう一つの理由があるはず。それは私が動く手順。

 本来、これはどこの国でもそうなんだけど、通常謁見の間から出る時は国王等の偉い人が先に出て行く。でも今回私は、進行役のキリカに頼んでその部分を逆にしてもらった。

 その理由は、役人達や兵士達が私の政策を聞いてどういった反応を示すか、最後の最後まで見てみたかったからだ。


 みんな静かにぞろぞろと謁見の間から出て行く中、一人だけその場に立ち止まったままの男性がいた。

 あの人って確か、政務室で会ったニースさんだよね?ちょっとメンドイ人の。


「ニース殿?どうされました?あなたも仕事に戻ってください」


 ニースさんはキリカの指示に反応するわけでもなく、黙ったまま真剣な表情で玉座の前の階段の麓に膝を付いた。


「龍帝陛下。陛下の素晴らしいお考え、このニース、感服致しました。どうかそのお手伝い、自分にもさせてはいただけませんでしょうか?非力なのは重々承知の上ですが、どうか!」


 なんとニースさんは頭を下げて自ら協力を申し出てきた。これは意外だ。

 私は左右を見て他の四人の表情を窺った。四人とも異論は無いっぽい。


「あなたの自ら名乗り出てくださったその勇気を称え、積極的に協力してくださる事に感謝します。龍帝国の安寧のため、ともに頑張りましょう」

「陛下…!ありがとうございます!全身全霊を持って務めさせていただきます!」


 私が受け入れた事に何故かやたら喜ぶニースさん。


「政務室で無礼を働いた事を挽回したいのが理由だったりして~」

「ギクッ!……だ、断じてそのような理由ではない!言いがかりは止めてもらおうか!」


 ダーナがニヤニヤしながら政務室での出来事に対する挽回を名乗り出た予想理由としてあげたら、ニースさんが焦りながらダーナに怒った。

 けど最初に「ギクッ」て明らかに言ったし、直後汗ダラダラで焦ってるから、ダーナの予想は大当たりだね。分かりやすいな、この人。


「理由はどうと構いません。働きに期待してますよ。ニースさん」

「は、はい!よろしくお願い致します!」


 こうして若き女性三人に続いて、また一人協力者を増やす事が出来た。

 さーて、これから忙しくなりそう。

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