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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第七章 それぞれの行動と進歩
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神龍と念話

視点がアイラに戻ります。

 ひたすらダラダラしているうちに、気が付けば日が暮れる時間となってしまった。

 ものすごく無駄な時間を過ごしてしまった…。


「ふあぁぁ…、夜か。夕飯はいつ頃かしら~?」


 私はあくびをして背伸びをしながら独り言。別になんてない行動。

 しかし、その直後。


(ようやくこの地に参ったか。我が契約者よ)


「!?」


 何か声が聞こえた。どこからか聞こえるわけではなく、脳に直接響いている感じ。


(気のせいじゃないわよね?今確かに声が…)

(気のせいではない。我が話をかけた)


 …やっぱ聞こえた。しかもこっちの思考を読んでる。

 私は冷静に問いかけてみた。


(あなたは誰?)

(我は神龍なり。この島にて新たなる契約者を待っていた)


 まさかの神龍からの交信でした。こんなこと出来るんだ、神龍って。念話ってやつ?


(一体どこからどうやって私に声をかけているの?そもそも何故私が島にいる事を知っているの?)

(我は今、この島にある『龍の間』という洞窟にいる。明日、そなたと契約を交わす場所だ。

 我はここより島にいる者達の様子や思考を捉える事が出来る。そなたが竜の小娘に乗って島に来た時に、そなたから神気を感じてすぐにハルクの言っていたアイラであると確信した。

 こうして会話が出来るのは、我が念話を利用しているからだ)


 なるほどね。私が龍帝国に到着してからずっと見てたんだ。だったらもうちょっと早く声かけろよ。


(明日あなたと会うわけだけど、オリジン様が龍帝になった二千年前はアテーナが生贄にされてたと聞いてるわ。今回もどうやら生贄が用意されてるみたいだけど、生贄って必要ないんでしょ?どうするの?)

(確かに契約の際に生贄など必要ない。過去に我と契約した者のせいで竜族達が勘違いをしているようだ。しかし今対応策を考えたところで周囲に訴えようがない。

 明日、生贄とともに我のもとに来るがよい。その時に色々話をしよう)


 神龍は契約から生贄のことまで色々な話を全部明日にまわすつもりらしい。


(分かったわ。明日、よろしくね)

(正確には『明日からよろしく』であろう?ではこの辺で交信を切る)


 そして神龍の声は聞こえなくなった。

 確かに「明日よろしく」じゃなくて、「明日からよろしく」の方が正しいよね。

 それにしてもビックリした。まさか神龍から声をかけてくるとは思わなかった…。オリジン様、神龍が念話してくるなんて一言も言ってなかったけど…。


「……」


「……」


「……とりあえず、トイレ行こ」


 しばらく色々考えて、最初に浮かんだ事がこれだった。






 トイレを済ませて再びくつろいでいると、扉がノックされてルルが現れた。


「失礼致します。ご夕食の準備が整いましたので、お食事所までご案内致します」

「分かったわ。頼むわね」


 食事場所まで案内されて席に座ると、用意されていたのは再び中華。ていうか、この国は中華以外ないのか。

 でもこの中華料理のレシピとか材料とか知りたいな~。グレイシアに帰ったら作りたい。







 夕食を終えて客室に戻った後、間もなくしてキリカがやって来て明日の予定に関する説明を受けた。


「明日の朝、朝食を済ませていただいてから準備が整い次第、神龍様がおられます龍の間という場所へご案内致します。出発時に生贄も同行します。

 私と首相のコアトル、他にも少人数同行しますが、龍の間へ続く洞窟の入口からは陛下と生贄のお二人のみ中へ入っていただきます。

 陛下が無事に契約を終えて戻って来られるまでは、我々は入口にて待機しております。

 その後の予定は神龍様の動き、陛下の体調変化等の可能性を考慮し、予定は白紙となっております。

 龍帝就任式、龍帝国政府幹部との顔合わせ、民とのご交流等の企画もありますが、その内容や日程は全て未定となっています。

 結局のところ、陛下が神龍様と契約された以降は陛下のご都合次第というところですね」


 今の説明をメッチャ要約すると、明日の朝以降の予定がほとんどないじゃん。


「とにかく私が神龍と契約しないと何も動かないし、動けない。といったところかしら?」

「そういうことになりますね。説明は以上となります。何かご質問はありますか?」

「特にないわ。何がどうなるか分からないっていう状況なのは私もそっちも同じみたいだし」


 ほとんどの予定が未定だし、生贄に関しての対策も明日まわしになってるし、疑問点なんて浮かばない。


「あの…、生贄なんですが…」

「ん?何?」

「……いえ、何でもありません。失礼しました。では私はこれにて。引き続き何かありましたらルルへお願いします」

「え、ええ。分かったわ。ご苦労様」


 キリカは生贄の事で確かに何かを言おうとした。でも言わなかった。そしてそのまま去ってしまった。

 何やら険しい表情だった。…もしかすると、キリカと生贄にされてる人は接点があるのかも。


「…とりあえず、寝よう」


 考えてもキリがないので、明日の神龍との契約に備えて早めに就寝する事にした。

 精霊や神獣の時と違って、ここまで計画的に契約の構えをするのはなんだか変な感じ。

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