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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第七章 それぞれの行動と進歩
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龍帝補佐と龍帝使用人

前半はキリカ視点、後半はルル視点となります。

 龍帝陛下にご昼食の用意をする事を忘れていたと思い出したのは、お昼時を少し過ぎた頃だった。

 私は慌ててルルと厨房の者達に言うと、まさかの全員が忘れていた事態。

 料理人達が大慌てで料理を作り、私とルルで陛下の部屋まで運んで謝罪することにした。


 怒られる。最悪の場合怒鳴られることまで覚悟した。

 しかし陛下は怒るどころか気にすらしていない様子だった。そんな事で謝るな、と。


 陛下は私が思っている以上に優しい方なのかもしれない。グリセリア女王から貴族の人間だと聞いていたからもっと厳しい方なのかと…。


 しかし料理を運んできたのは正解だったみたい。陛下は最初、食事を抜いても平気というような対応を見せた。もし昼食を用意していなかったら、陛下は確実に昼食を抜いた事だろう。

 万が一それが原因で体調を崩されてしまったら、それは私にとって最悪の失態だったろう。


 龍帝陛下は最初見た時から不思議な人だ。神々しさ、神聖さ、迫力。そういった周囲を平伏させる要素が、あの方からは異常なまでに溢れ出している気がした。

 きっとあの方は普通の人間が持っていない力を持っている、と思う。そして通常ではありえない何かと関わっている。

 そう考えないと、あの異質的な雰囲気と合致出来ない。

 あの方が神龍様と契約されたら、何かとてもすごいものが見れそうな気がする。

 そしてあの優しさが本物なら、きっとあの子の事も救ってくれる…!


 これ以上コアトルの思い通りにさせてたまるか。仲間に陛下の事を報告しないと…。





*************************************





「今度来られる、新しい龍帝陛下の専属使用人を命じます」


 そうキリカ様に言われたのが一週間前。

 周りの同僚や上司は「すごい抜擢だ」てお祝いしてくれたし、両親も喜んでくれた。

 確かに龍帝陛下、しかも二千年ぶりの龍帝に仕える事はとても名誉ある事なのかもしれない。でも私は重圧と不安でいっぱいだった。

 政治権限をほとんど持たないにしろ、龍帝という支配権のある立場。選ばれた人はきっと恐い人なんだろうなと勝手に思い込んでいた。


 そして今日、指示待ちのために待機していると、キリカ様が慌てた様子でやって来た。でもって昼食の事を完全に忘れていて、キリカ様と謝罪をする事になった。

 ……最悪だ。ここまで印象の悪い初対面はないんじゃないんだろうか。初めてが謝罪とか。


 キリカ様から新しい龍帝陛下は女性で、貴族の人間だと聞いた。年齢もキリカ様と同い年とか。

 それでも私の頭の中からは恐いんだろうなという感じが消えなかった。


 そのアイラ様がいる客室に到着し部屋に入った時、一時的に全ての思考が聞かなくなった。

 整った綺麗な顔、そして引き込まれるような強烈な雰囲気。

 私は思わず棒立ちした。人なのか?と少し疑ってしまった。

 あの平伏したくなるような、祈ってしまいたくなるような感じはなんなのだろう?

 この人は普通じゃない。直感的にそう感じた。

 でも話してみるととても穏やかで優しい口調。しかも一切怒らない。さらにはいつか話そうと言い出した。仲良くなりたいと。

 まだ会ってから一日も経ってないけど、あの人とならうまくやっていけそう。

 これから専属使用人として頑張らなきゃ!

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