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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第七章 それぞれの行動と進歩
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こっちも出発

視点がノワールへ移ります。

 アイラ様がシュバルラング龍帝国へと向かわれた。これでしばらくアイラ様とは会えなくなる。

 そして、アイラ様が出発したということは、私も精霊窟へ向かう時が来たということだ。


 私は自室へ戻り、出立の準備をする。この準備だけで一時間以上かかってしまった。


(アイラ様は今どうしているかしら?おそらくまだ龍帝国には着いていないと思うけど…)


 無意識のうちにそんなことを思いつつ準備が済んだところで、女王陛下や側近の方々に出立を知らせるため、国家政務室へ向かった。


 政務室の前で扉をノックすると、入室許可の声が聞こえたので中に入る。


「失礼致します」

「ん~?ノワールじゃん」

「どうかされました?」


 最初に女王陛下が反応し、続いてリリア補佐官が声をかけてきた。

 …女王陛下スッゴイダラけているけど、仕事してるのかしら?


「あの、アイラ様に続くことになりますが、私も精霊窟へ向かいます」

「あ、そっか。アイラが出発した後に向かうって言ってたもんね」

「ノワール殿、ご武運をお祈りしております」

「あなたもしばらく帰れないのでしょう?お身体を壊されないようお気を付けて」

「試練を受けるって聞きました。本当にお気を付けて…。無事に帰ってきてくださいね」


 女王陛下を最初にアリスさん、オルシズ宰相、リリア補佐官がそれぞれ反応する。

 四人とも私がここをしばらく離れる事をちゃんと理解してくれているようだ。リリア補佐官に至っては心配そうな表情を見せている。

 アストラントにいた頃は私にそんな表情を見せる者などいなかった。私を受け入れてくれているからこその表情なのだろう。

 本当に、あの酷い家系から私を連れ出してくれたアイラ様には感謝ばかりだ。


 私は国家政務室を出た後、別館へと向かった。


「シャロルさん」

「あら、ノワールさん」


 別館の入口に着く前にシャロルさんがいたので声をかけた。おそらく別館へ戻る途中だろう。


「アイラ様が出発されましたので、私も精霊窟へ向かいます」

「そうですか。行かれるのですね。アイラ様にも申しましたが、私は別館でお帰りをお待ちしております。くれぐれもご無理なさいませんよう」

「ええ。シャロルさんも体調には気を付けて。行って参ります」

「行ってらっしゃいませ。ノワールさんにハルク神のご加護があらんことを」


 シャロルさんは深々とお辞儀をして見送ってくれた。

 私はシャロルさんに背を向け、荷物を取りに自室へ戻った。


 自室へ戻った私は、忘れ物がないか最終確認を行う。


「いよいよ出発ですね」


 突然目の前にオリジン様が現れた。


「そうですね。私もアイラ様とは違う理由でこことはしばらくお別れです」


 荷物の最終確認を終えた私は、荷物を持って立ち上がる。


「行きましょう、オリジン様。他の精霊様方は途中から合流ですか?」

「いいえ。精霊達もともにいますよ」


 直後、オリジン様の周りに精霊様方が一斉に現れた。


「しばらくよろしく。あなたの力、見させてもらうわよ」

「我々が付いていますので、あまり重く考えなくても大丈夫ですからね?」

「試練に不安だと思うけど、あんまり考えちゃうと、身体が壊れちゃう。えっと…、頑張ろ?」

「出発の前に俺のサングラス知らねえか?さっきまであったんだけどよ~」


 アグナ様、ネロア様、シルフ様が順々に声をかけてくる。そこまで重く考えてるつもりはないんだけどな。

 ベヒモス様のサングラスなら、ご自身の頭にかかってる…。多分他の精霊様方はわざと知らないフリしてるな。……私も黙っておこう。


「皆様本日よりよろしくお願い致します。色々とご迷惑お掛けしてしまうかと思いますが、何卒お手柔らかに」


 私は深々と頭を下げる。私はいくら鍛錬して初期指導を受けたと言っても戦闘未経験者だ。模擬戦すらしたことがない。なので色々と迷惑をかけてしまうことだろう。

 そういった意味できちんと挨拶をしておく。


「そんなに仰々しく気を使って礼儀正しくなさらなくても大丈夫ですよ。そのような姿勢を続けていては、精霊窟にいる間に疲れてしまいますから」

「は、はぁ…」


 ネロアさんはもっと気楽にと言いたいのだろうけど、私はそもそも現状以外の接し方が出来ない。正直アイラ様のような対等な接し方が羨ましい。


「とにかく行きましょう。皆様は一旦お姿を隠されるのですよね?」

「ええ。道順は耳元でお伝えします。人の気配がなくなり次第また現れますので」

「分かりました」


 私が了解すると、精霊様方は一斉に姿を消した。


 私は自室を出て城門へ向かう。人が活動する今の時間は門が常に開いているので、何もせずとも通行可能。

 城を出て王都の街を歩き、街からオリジン様の耳元誘導で精霊窟を目指す。


(アイラ様。私、必ず強くなって帰ってきます。ただご一緒にいるだけではなく、アイラ様のお役に立てるように。あなたのように、人を救える人になるために!)


 改めて心の中で決心を固め、道を歩き続ける。

 そして空を見上げ、もう一人のお世話になった人へ決心を送った。


(必ず装備を手に入れて、強く優しい人を目指します!頑張りますね、レイリーお姉様)

この先アイラ以外の視点が多発します。ご了承ください。

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