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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第六章 伝説との契約
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報告と、住処相談

 爺や、オルトロス、ザッハークの紹介を終え、私はこれまでの出来事を語った。

 全ての神獣との契約が完了した事。

 精霊、神獣と契約した事によって体内の魔力が増えすぎて、容量限界まで来ていた事。

 容量オーバーを回避するため、禁忌の儀式を行い魔力の一部切り離しをした事。

 そしてその儀式によってザッハークを生み出した事。

 神獣達の住処を私が用意しなくてはいけない事。

 私はいつどこでも神獣達を召喚出来る事。


 セリアはいつも通り他人事な感じで、他のみんなは興味深々に私の話を聞いていた。


「じゃあ、ザッハークはアイラさんが生み出したって事ですか!?しかもまだ生後半日も経ってないって事ですよね!?」

「ええ、その通り。私が生みの親になるわ」

「アイラ、随分癒し系な神獣生み出したね」


 リリアちゃんはザッハークは私が生み、まだ生後半日も経っていない事に驚いている。

 セリアもザッハークを癒し系と見ているようだ。私はその見方を否定する。


「ザッハークが癒し系なのは今の形態の時だけ。本来は誰もを恐怖させる姿よ」

「誰もを恐怖させる姿…、ですか?」


 私が現在のザッハークが本来の姿じゃない事を言うと、アリスがピンと来ないのか首を傾げた。


「ザッハークはね、私の魔力と私の心の中にある負の感情から生まれた存在なの」

「負の感情?」

「怒り、憎しみ、哀しみ、殺意、破壊衝動。そういったものね」

「こんなカワイイ見た目して中身はアイラが持ってた絶望心でいっぱいってことか」

「解釈それぞれだけど間違ってはないわ」


 負の感情という点にリリアちゃんが首を傾げ、私のさらなる説明をセリアが解釈する。


「あの、試しにザッハークの本来の姿を見ることは出来ますか?」

「私が命令すれば可能よ。でも今ここで本来の姿になったら王都中大混乱に陥るし、建物からなにからいろんな物壊れるわよ?」

「だったら止めておきます…」

「そうなさい。それでセリア、神獣達を人里の近くで暮らせるようにとかできる良い方法とかないかな?精霊の時みたいに人が寄りにくい場所があるとか」

「そう言われてもねぇ…。う~ん…」


 リリアちゃんの要望は諦めさせ、私はセリアに神獣達の住処に関する相談をする。

 やっぱり難しいようで、セリアは困った表情で唸る。


「アイラ様。突然そのような相談をされても困りましょう。神獣達には環境の好みがあったりもしますゆえ、それぞれ神獣達の意見を聞いた上で検討される事をお勧め致します。

 時間はかかっても問題ございません。神獣達は急かすような行為は決してしませんので」


 爺やが言うには神獣達には好みがあったりするらしい。

 急かさないと言われても、好みとか言われると余計難しい。


「そういえばトンジットとオルトロスとザッハークはどこに住むの?」


 セリアは気付いたように一人と二匹の住む場所を聞いてきた。


「オルトロスとザッハークはこの場所に居させるのが良いかと。オルトロスにとっては最も主に近い場所に居れることになりますし、ザッハークは生み親の傍にいさせた方が良いでしょうから」

「ワンワン!」


 爺やはオルトロスとザッハークを別館に居させる案を出してきた。

 オルトロスはなんか嬉しそうに吠えてるし、ザッハークもそれを望んでいるのか、回転しながらポヨンポヨンしてる。


「私もこの二匹はそれで良いかなって思う。セリア、良い?」

「私は別に構わないよ。異論はないさ」


 私も爺やの案に賛成する。セリアは快く受け入れてくれた。


「わたくしめは、これは個人的な我儘なのですが、アイラ様の執事兼使用人としてお仕えさせていただくことは出来ませんでしょうか?」


 爺やは私の執事兼使用人になることを希望してきた。やっぱ爺やそういう経験あるんだ。


「アイラが決めて良いよ。任せる」


 セリアも意見はないらしい。私の判断に委ねてきた。


「じゃあ、これからハミルトン侯爵家の執事兼使用人として迎えるわ。シャロルも異論はない?」

「ございません。むしろ海洋界の神獣であられる方とともに仕事が出来ようとは、私としては光栄です」


 新たな従者を迎える事に抵抗が無いかシャロルに聞いてみたけど、シャロルはむしろ大歓迎らしい。


「改めてこれからよろしくね。爺や。住む部屋は別館の使用人用部屋で良いよね?セリア」

「良いよ~。部屋まだ空いてるし」

「承知致しました。よろしくお願い致します。これよりはこの老骨めになんなりとお申し付けください」


 というわけで、新たにトンジット改め爺やが私の従者となった。いや、神獣として契約した時点で部下ではあるのか。


「他の神獣は私が見る限り、人目に触れても平気な環境になれば、王都でも普通に暮らせると思うんだけど…。それはやっぱ無理かなぁ?」

「確かに国民にアイラが精霊や神獣と契約した事を流して認めさせる手はあるけど、それをした時の国民の反応が予想付かないな…」


 他の神獣の住処対処で私とセリアは頭を悩ませる。他人事な反応をしておきながら、一緒に悩んでくれるセリアはやっぱり優しい。さすがは私の親友。

 前世の頃の学友達はどうしてセリアのこんな優しさに気付かなかったんだろうね。まったく。


 そのまま少し沈黙が続いていたら、シャロルが手を上げた。


「あの、私の考えなのですが、お嬢様は今度、神龍様と契約なさるわけですよね?お嬢様が龍帝になれば、その事は龍帝国から発表されてここにも伝わるんじゃないでしょうか?

 そうなればそれは国民にも伝わるわけで、その時に精霊様と神獣様の事をグレイシア政府から発表してはどうかと思ったのですが…」


 シャロルの意見にセリアも頷く。


「確かにその方法なら伝えやすいね。龍帝っていう後ろ盾も付くしね」


 シャロルの案の通り、私が龍帝に就任した後の方が伝える点では有効的。けどそれは私が龍帝になって龍帝国から帰ってきた後じゃないと、神獣達の住処は用意出来ないことになる。


「シャロルの案はアリにして、念のためそれ以外の策も考えとくか…」

「アイラ様。先程も申し上げましたが、そこまで急がなくても大丈夫ですよ」

「うん、分かってはいるんだけどねぇ」


 爺やの言う通り急ぐ案件ではないんだけど、出来ればちゃっちゃと決めてしまいたい。

 結局この後は話題が変わって、神獣住処の件は棚上げとなった。

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