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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第六章 伝説との契約
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オリジンのお話 その2

「さて次に、アイラさんは城へ帰る途中に私がハルクの生前と言ったのは覚えていますか?」

「はい。覚えてます」


 聞いた時から気になってしょうがなかった事だよ。


「実は私とハルク、それから天神界から降りた者と一部の精霊と神獣は、もともとこの世界で大昔にあなた方と同じように生活していた者なのです」

「え!?それって…」

「私ら同様、人間だったってこと?」


 私が反応に続いてセリアも反応する。セリアの解釈の通り、今の話だと現在の人々のご先祖様って事になる。


「グリセリアさんのおっしゃる通りです。今からおよそ二千年前、私もハルクも人間でした。

 生涯に幕を下ろした時、生前の功績が神々に認められて現在の存在となりました。それまではこの世界の神も精霊王も別の方がいましたが、その方々は現在別世界を見ていて、私が精霊、ハルクが神の座を受け継ぐ形で今に至ります」

「功績、ねぇ…。どんな功績?」


 セリアはハルク様やオリジン様が生前にどんな功績を残したのか気になるようだ。

 確かに神や精霊王の座に就ける程の功績ってなんだろう?


「ハルクは当時『全能なる聖女』と呼ばれ、多くの人々を惹きつけ、信仰の対象にされていました。

 それは戦争が各地で勃発し、国内での格差、民族や種族の違いによる差別等が当たり前に起きていた当時において、国や民族、種族を超えて愛されるという、まさに偉業でした。

 当時のハルクは仲間を引き連れ各地を周り、国家間対立を鎮め、格差のない政策を喧嘩を売られる覚悟で各国に考案し、種族の差別をなくすために奮闘していました。

 さらには武術と魔法両方に優れ、悪巧みする奴は徹底的に潰していましたし、怪我や病気に苦しむ人に会えば、それが誰であろうと治癒魔法を駆使して大勢の人々を救い続けていました。

 そんな彼女を人々は信仰し始めます。それがハルク教の始まりです。しかし彼女はそれに驕ることはなく、自分自身が病で力尽きる時まで決して人を救おうとする事を止めませんでした。

 その働きが神々の間で高く評価されたそうで、それでこの世界の新たな神としての役割を与えられました。

 現在ハルクの功績は時が経って神話となり、神の救いとして語り継がれています。そこは皆さんも学んできた事かと」


 そうだったんだ。あんな軽々しい中身残念美人が…。

 神様っぽくないところあるけど、やっぱりすごい人だったんだ。


「私は当時ハルクと親友の間柄でした。今のアイラさんとグリセリアさんのような仲ですね。

 私もハルクとともに各地を周り、彼女の右腕のような立場でともに活動していました」


 親しい仲だったんだ。そうなるとオリジン様もハルク様並の功績残してるんだろうな。

 でもって、当時の聖女様とやらがダラけてる姿とかも見てるんだろうな…。


「よくハルクの命を狙おうとする輩が出てきては、私が木端微塵にしたものです」


 オリジン様はなんか思い出に浸るように言ってるけど、木端微塵ってなにさ。

 人を木端微塵にしたってこと?だとしたらメッチャ恐いんだけど。


「そんな私は当時龍帝でもありました。二千年前に龍帝に君臨していた先代龍帝は私です」

「え?えええぇぇぇぇ!!」


 マジで!?オリジン様も神龍と契約してたの!?どうりで生贄とか知ってるわけだ。


「私とハルク以外で申しますと、天神界から降りた者の中でアテーナ以外の者とシルフと一部の神獣は元人間です。

 あとはアグナとネロアが元魔族。ベヒモスは元モグラ。アテーナは元竜族です」


 けっこういるな。元この世界の住人。そう考えると私やセリアに協力してくれてる人やこれから会う神獣はみんなご先祖様って事じゃん。なんかすごーい。

 でも『元モグラ』ってなによ。ベヒモスは今もモグラじゃん。どっからどう見ても。


「余談ですが、私が神龍と契約する際、生贄としてやってきた子がアテーナでした」

「そうだったんですか?オリジン様はどうやってアテーナの対応を?」

「当時の龍帝国にも生贄の必要性に疑問を持っていた者がいまして、その者達と協力して龍帝国には死んだと偽りの情報を流して、アテーナの身柄を私が当時いた国へ引き取って、名前を変えさせて人間として一緒に行動させてました。

 アテーナという名は私が名付けたものでして、彼女の本当の名は違うのですが本人は思い出す事が既に出来ないそうです」


 なんか、いろんなところでいろんな関係が…。

 もしかしてハルク様とオリジン様を中心に、天神界メンバーと精霊と神獣ってみんな元々は知り合いだったんじゃないの?


「これから一番伝説と関わりを持つアイラには有益な情報だよね~。私は誰が何であろうとやる事は変わんないしどうでも良いけど」

「なんだか、とてもすごい話を聞いてしまったような…」

「私、居ても良かったんでしょうか?」

「まぁ、これからあんた達に関する話もあるんでしょうし。ですよね?オリジン様」


 セリアは自分には深く関わらないと判断したのか、どうでもよさそうな態度だった。

 シャロルとノワールは自分が場違いだったんじゃないかと疑問視してる。

 私はそんな二人に関する話をオリジン様に振る。


「そうですね。過去の話はここまでにしまして、最後にシャロルさん、ノワールさん。あなた方に聞きたい事があります」

「わ、わたくしどもに、ですか?」

「な、なんでしょうか?」


 オリジン様がシャロルとノワールに声をかけると、二人はワタワタし始めた。

 そこまで慌てなくても…。


「お二人はここ最近または一年以内に身体や感覚等に違和感や不自然な事を感じたりしませんでしたか?」

「いいえ、特には…」

「私も思い当たりません」


 オリジン様の問いかけに二人は首を横に振る。

 オリジン様には一体何が見えているのかしら?

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