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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第六章 伝説との契約
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オリジンのお話

視点がアイラに戻ります。

 ひと眠りして起きると、既に陽が落ちて夜になっていた。

 リビングに行くと、なんとシャロルとノワールが夕食を作っていた。

 シャロルはメイドである以上解るけど、ノワールが料理を作れるとは思わなかった。

 聞いてみるとヘルモルト邸にいた頃、少人数の使用人の負担を減らすために自分とレイリー嬢の分の食事をよく作っていたんだとか。偉いね。本当に。


 アテーナとアルテミスはエウリアとメリッサと一緒に城の食事を食べに行っているそうで別館にはいない。

 ていうか護衛と警備が一斉にいないって良いのかよ。ダメだろ普通。

 セリアの側近達も今日はここには来ないらしいので、私とセリアとシャロルとノワールの四人で夕食となった。

 食事中、セリアが私が寝ている間の事をざっくり教えてくれた。


「そんでこの辺で過ごせる所が欲しかったみたいでね、城の裏側の方に小さいけどきれいな池がある場所があったから、そこを紹介しといた」

「そんな所があるのね。でも人里に近い場所で平気なの?」

「その池がある場所はあまり知られてなくて、道は無いしどこから行こうにもかなりの急斜面登んなきゃいけないから、近寄る人なんていないよ」

「ふ~ん。あんたはよく知ってるわね。そんな所」

「神力技の特訓してたら偶然見つけた」

「どういう特訓したら見つけられんの…?」


 動きながら特訓してたわけ?いや、動いてたとしてもどうしたらそんな所見つけられんのよ…。


「あと、オリジン様だけまたもう一度ここに来るってさ」

「ああ、もしかしてハルク様とオリジン様の話かな?帰る時に後で話すなんて言ってたし」

「それも言ってたけど、なんかシャロルとノワールの事で話があるって」

「私ですか!?」

「えぇ!?」


 セリアの発言にシャロルとノワールが同時に驚く。私もビックリ。


「ちょっとそれ、どういうこと?」

「私も分かんない。オリジン様はそれ以上言わなかった」

「私…、何か失礼な事でもしましたでしょうか?」

「覚えがない…」


 私はセリアに問うが、セリアもそれ以上は分からないらしい。

 シャロルとノワールは顔が青くなってる。何か仕出かしたかと思ってるようだ。

 私も寝ていたのでフォローのしようがない。







 夕食後、みんなそれぞれやる事を済ませた上で、私達はオリジン様が再び別館にやってくるのを待っていた。


「お嬢様…、もし今後お傍にいられなくなってしまったら申し訳ございません…」

「縁起の悪い事言わないで!きっと大丈夫だから!」


 シャロルとノワールは、オリジン様から話があると聞いてからずっと暗い。

 シャロルはこんな調子だし、ノワールも俯いて黙ったまま。


「もうオリジン様まだ~?暇だよ~」

「再び失礼致します」


 セリアが愚痴り始めたところで、オリジン様が現れた。


「夜分遅くに申し訳ありません。アイラさん、疲れは取れましたか?」

「はい。大丈夫です」

「それは良うございました。グリセリアさん、我々精霊の居場所の紹介、感謝致します」

「礼を言われるような事じゃないよ。そもそも自然はあんたら精霊の物じゃん」

「そう理解していただけると、こちらとしても嬉しいです。では本題に入りましょう」


 オリジン様が本題に入ろうとすると、シャロルとノワールの表情が強張った。


「まずはアイラさんの今後の動きについてです。神獣達は順調にグレイシア王国へ向かっているものと思われます。いつどこで会うかは私が後日お知らせします。ただ、もう間もなくと思っていてください」

「はい。分かりました」

「神獣との契約後、しばらく経ってからシュバルラング龍帝国の使者がここを訪れると思われます。その使者が訪れ次第、使者とともにアイラさんのみで龍帝国へ向かっていただき、神龍と契約を交わして龍帝に就任する事となります。

 龍帝国でどういう予定で進むかは向こうの者が考える事なので、それに合わせてください。滞在期間もあくまで予想ですが、およそ二週間から半月程と思われます」

「じゃあ私が龍帝国へ向かったら、しばらくはグレイシアには戻れないという事ですね?」

「そうなるかと。まぁ、本当に緊急事態となれば浮遊魔法を使って龍帝国から脱出も出来ますが」


 なるほどねぇ。神龍の事は龍帝国の都合とかもあるだろうからしょうがないかな。


「ハルクからの情報によると、現在神龍がアイラさんを契約者とするため、龍帝国をゆっくり陰から誘導しているそうです」


 ハルク様はオリジン様に情報をまわして私達に伝えてるんだ。どうりで最近夢に現れないわけだ。

 ところで神龍が国側を誘導ってどうやってるの?


「それと、これは歴史的にはほとんど知られていませんが、神龍と契約する際にその糧として竜族の者一人が生贄として奉げられる事になると思います」

「え!?」


 生贄って!?そんなの必要なの!?


「でも実は生贄は誤解で、本来は必要ありません。しかし龍帝国は未だに必要だと勘違いをしているままのようです。これに関しては神龍が解決を望んでいます。アイラさんのご負担となってしまいますが、神龍と契約した後、ともに解決策を検討していただければと思います。なので、生贄を奉げられても殺さないでくださいね」

「いや、殺しませんよ。殺したくありません」


 何の罪もない竜族の民を殺すなんて出来ないしやりたくない。

 …罪人だったら分かんないけど。

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