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異世界で最強 ~転生と神の力~  作者: 富岡大二郎
第六章 伝説との契約
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帰る途中

 精霊達と王都へ向かう。空は少しずつ明るくなっている。


「今後魔力の訓練をしていただいて、神獣や神龍と契約すればもっと強力で広範囲の魔法を使う事が出来るでしょう。同時に神力も上がると思いますから、新しい能力も生まれると思います。

 なのでしばらくは魔法の制御訓練と身体強化や神力の微調整が出来るようにするための訓練を中心に動かれる事をお勧めします」

「解りました。特訓場所を見つけないと」


 オリジン様の言うように魔法の力が加わったわけだから、今までの武術特訓にプラスして魔法の特訓もしないといけない。

 アテーナやアルテが付いてくれるだろうからその点は違うだろうけど、リースタインの屋敷の庭よりも広くて人の目に付きにくい場所を探さなきゃなぁ…。


「それと、これを差し上げます」


 オリジン様は二つの物を私に渡してきた。

 一つは太めのリボン。もう一つはひし形の小さな宝石らしき物が付いた輪っか。


「こっちのリボンは髪飾りです。髪を結ぶ時にご使用ください。魔力を通せる素材で作られた物です。あなたとの契約の証として精霊一同からの贈り物です。

 ちなみに魔力を通せる素材は神力も通せますよ」

「そうなんですね。ありがとうございます。大切にします」


 この世界では極稀に魔力を通せる素材が発見される事がある。しかし希少である事から、市場ではかなりの高値で取引される。何故魔力を通すかは解明されていない。

 こんな貴重な物を持っているとは。さすが精霊。しかも神力まで通すんだ。


「もう一つは首輪です。首飾りと思っていただければ。リボン同様魔力も神力も通しますが、身に付けると鉱石の部分が魔力や神力のバランスをとる役目をしてくれます」


 なるほど。これを付ければ神力と魔力の制御面をさらにアシストしてくれるわけか。


「なお、これは私や精霊からではなくハルクからの物です。私が代わりに渡す事になっていまして」

「え?ハルク様から?」


 どうしてハルク様から贈り物が?

 それに神はこの世界への干渉は出来ないはず。どうやってこれを入手したんだろう?


「ハルク様はこれをどこで入手されたんですか?この世界に神は干渉出来ないはずですけど…」

「実はそれはハルクが生前身に付けていた物なのです。それを私が預かっていました」

「え!?いや、ハルク様は神ですよね?生前ってどういう…」

「その話はグリセリアさんのもとに行ってからお話しましょう。まずはさっさと王都に着いてあなたの疲労を回復させることが優先です。今相当お疲れではありませんか?」

「はい、まぁ、夜通しだったんで眠いですけど…」


 眠気よりも今はハルク様の過去が気になる。生前ってどういう事よ?


「なぁ~、俺足が限界なんだけどよ~。一旦休憩しようぜ?掘って進むのは楽だけど、地上を歩くのは苦手なんだよ~」


 なんか急にベヒモスが休憩を希望してきた。コイツはモグラなのにずっと地上を歩いてる。

 他の精霊と比べて身長も歩幅も大きく違うため、歩き続けるのはキツイらしい。

 ていうか地上歩くの苦手なら潜って掘って進めば良いのに。なんでわざわざ苦手な方を選択するのさ。


「ベヒモス。すいませんが今は早く王都の城に到着する予定なので、休憩は一切ありません」

「えぇ~…」


 休憩を断ったオリジン様にベヒモスが若干ごねるような態度をとる。


(あ、そうだ。良い事思い付いた)


 ちょっと閃いた私は、手にツタを出現させた。


「ベヒモス、ちょっとじっとしてて」

「ん?なんだようあぁ!!」


 私は出現させていたツタをベヒモスに向かって勢い良く伸ばし、彼の身体を拘束した。


「おい!急に何すんだ!」

「これで解決。行きましょ。皆さん」

「ちょっと待て!引きずるなぁ!これだったら自分で歩くわぁ!」


 私が閃いた事とは、ベヒモスをツタで縛って引きずってしまおうというものだ。

 やたら休憩させろと我儘言われるより、よっぽど効率的。


「良いわね。良いアイディアよ」

「冴えてますね。アイラさん」

「城前までこれで行きましょう。お願いしますね」

「はい分かりました。城門前でツタを解きます」

「話を聞け~!お~い!引きずんなって言ってんだろ!コラー!」


 アグナさんとネロアさんは称賛を送ってくれた。

 オリジン様に解放場所を言われたので、私はそれに従う。

 ベヒモスは引きずられながら叫んでもがいてくるが、私も精霊達も無視した。


「そういえば、ハルクを通してアテーナとアルテもアイラさんの指導役になったと聞いています。あの二人ならば間違いないでしょう」

「はい。二人とも私の護衛兼指導役になってくれました」


 オリジン様はやっぱりハルク様からいろんな情報を得ているみたい。二人の事なんて一切言ってないのに。

 でも確かに天神界にいた専門家たる二人なら、言う事に間違いはないだろう。

 戦闘の専門家がいてくれるのは助かる。独学特訓だと限界があるからね。


「あっちぃ!冷てぇ!眩しい!俺で遊ぶなぁ!いい加減解放しろおぉぉぉ!!」


 私とオリジン様の後ろでは、縛られたままのベヒモスにアグナさんが火傷しない程度の火を放ち、ネロアさんが多めの量の水をかけ、ルーチェがカメラのフラッシュみたいな光をひたすら浴びせてる。

 完全に玩具にされているベヒモスは、もがきながら叫んでるけど、縛られてるからそれ以上の事は出来ない。

 ちなみにベヒモスのサングラスはパリカーが持ってる。


 そんな他の精霊のやりとりは放っておいて私とオリジン様は会話を続けた。

 ベヒモスは王都が近づくまでずっと騒いでいた。

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