〜第1話3部〜 桜と柚のバスケ勝負!!決着は如何に
“ダッ・・・!!”と地面を蹴り、左手でボールを地面に叩きつけ、ドリブルをする。その姿はまるで獲物を狩るトラそのものである。鋭い目付きで柚を見て、相手の胸より下の低い姿勢を保ちながらものすごい速さでドリブルをする。柚に近づいた所で右に移動すると、柚もそれに合わせて右へ移動する。だが、そこで桜はフェイントをかけ、クルリと一回転して左側に移動する。
桜「よし・・・抜いたッ-」
そう確信した瞬間だった。柚が桜の目の前に居たのである。小柄な為細かい動きにもついていける柚はニヤリと笑みを浮かべ、桜の左手を狙い、自身の右手を伸ばす。桜はドリブルしながらも2〜3歩後退し、間合を取ろうとする・・・が!!その隙も与えまいと柚が約1mの距離を詰めボールに右手を伸ばす。
桜は“キュイッ・・・”と靴の音を立て柚の股の間にボールを投げる。途端、桜は走り出し柚を抜き去り前に投げたボールを右手で受け止める。桜は確信を持つ。シュートを決められると。桜は1歩、2歩、と前に出てジャンプする。
桜がボールをゴールに入れようとした瞬間-。
数分後、桜は目を開ける。何故か空を見上げているのだ。立ち上がれば、柚の方を向き、にこりと微笑む。その微笑みが何を意味しているのかは柚には分からない、が・・・。
柚「私の勝ちね?」
ニヤリと笑みを浮かべ、桜を見つめる。
桜「流石柚だね!!あ〜あ・・・負けちゃった・・・」
その日、桜は柚に負けた悔しさを糧にし、公園を後にした。