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異世界漫遊するおっさん  作者: 田舎老人唯爺
第一章 聖シルバーナ皇国 王都ルパーナ編
7/23

閑話 学ぶおっさん

解説を兼ねた閑話です。

 召喚された儂は、着替えさせられた後に髪を切られた。

 今の格好で髷は流石に似合わんやろうし、元々短髪で過ごしてたんで髪を切られるのは全く問題なかった。 神官たちと同じ髪型で所謂スポーツ刈りやった。 儂の向こうでの髪型と一緒やん。 慣れた髪型の方が安心や。


 散髪後はクラバルに連れられ、礼拝堂や神官達の談話室、図書室など敷地内を色々と案内された。

 その後にこれから2~3日程滞在する為の部屋に案内される。

 4帖半程の部屋で入口横にドアが有り、ベッドと小机、椅子が置かれ奥に小さな木製の桟のガラス窓がある。


 ガラスがあるんか。

 まあガラスの歴史は古いから有っても可笑し無いけど、日本にガラスの製法が来たんが遅いんで、ファンタジー小説なんかでは主人公がガラスで儲けたり、作って驚かれたりするんやけど儲けの手段が一つ消えたな。


 「ここで暫くは寝泊まりして頂く。 好きに使用して貰って構わない。 トイレとバスルームはこちらだ。」


 クラバルは言いながら右横のドアを示す。

 儂がドアの中を覗くとユニットバスやった。

 しっかり固形石鹸も置いてる。

 シャンプーは無いな。

 トイレは洗水式やし、湯船も有るしシャワーまである。

 流石に湯船はFRPやなく、石造りなんやな。


 「驚いたと思うが、この世界は過去に幾度も危機が訪れその度に幾人もの異世界人が召喚されている。 貴方の世界から召喚されるのはニホン人が最も多いのだがニホン人は特に生活に拘るようで様々な生活様式をもたらし食文化や衛生環境が激変した。 恐らくは貴方が生活していた環境と比べると若干不便なのだろうが、そこは寛恕願いたい。」


 見ると左右にハンドルが付いたよく風呂で見る蛇口があってシャワーもある。

 左右どちらのハンドル近くに青くて丸い小さい石が引っ付いてるけど左のハンドルには赤く丸い石も付いてる。

 なんかビジネスホテルの部屋みたいや。


 「貴方の世界に有った家電一般は魔導具の形で再現されている。 これも先程述べたように過去の召喚者からもたらされたものだ。 使い方は魔石を嵌め込んで貴方の世界で使用していた様に操作するだけだ。」

 「魔石って何なんですか? そこの色付きの丸い石ですか?」

 「魔石は魔物の心臓近くに有る石で、これを有するか否かで動物と魔物が区別される。 大きさは様々であるが、概ね強い魔物ほど大きな魔石を持っている。 魔導具の使用には魔石が必要となる。 様々な色の魔石が有るが使用済みの物は透明になるので区別がつくと思う。」

 「話は変わるんですが、何故召喚されるのは日本人が多いんですか?」

 「この世界はカルローリアと称し、4つの大陸からなる。 各々の大陸に管理する神が居り更にその神々を管理される大神カルブァナルが居られる。 創造神や戦神等も居られる多神教の世界なのです。 貴方が住まわれる世界には一神教なる滑稽な考えが有る様ですが、その教えを信じる方は召喚の際に世界から弾かれます。 世界が受容しないのです。 しかし、ニホン人は多神教を信じ神に対して柔軟な考えを持つ様で貴方の世界から召喚される場合は自然と多くなるようです。 過去にはインドなる国やチュウゴクと言う国の方も召喚された事が有りますが、そんなに多くは無いですね。 こう言った常識の話等は明日からお教えさせて頂く。 今日はゆっくり休んでほしい。」


 クラバルは言うと、礼拝堂の方へと去って行った。

 明日から勉強かいな。

 そう思いながらベッドに横になると、儂は眠りに誘われて行った。


 翌朝からは結構ハードスケジュールだった。

 6時起床で6時半から食事、7時から勉強が始まった。

 創世の話から4つの大陸の話各大陸の主要な国の話。

 この国の現在の話など昼休みの1時間を除き、延々と教え込まれた。

 ステータスが関係してるんか、意外と覚えられたんは有難かった。

 勉強のし過ぎか、部屋に戻ると疲れてたみたいで少し寝てもうた。 夜中に起きて風呂に入って、また寝たんやけど頭を使いすぎてなんぼでも寝れるようやった。

 

 来て3日目には文化や習慣、貨幣制度、身分制度など生活に必須な勉強が多かった。


 学んだ所によると、この世界はカルローリアと言う事、儂の元々()った世界は名前が付いて無いので便宜上アースと呼ばれている事、今()るんはベロニカ大陸の聖シルバーナ皇国の王都ルパーナの主神殿であり、王城の一角にある。

 大神カルブァナルを崇める宗教国家で皇王が治める。

 教皇が皇王となり政教一致の国家である。

 司法院、立法院、行政院に別れて一応三権分立が行われている。

 司法院は教団、行政院は皇王が任命、立法院は貴族院と国民投票による民衆院の2院からなる。

 行政院の官僚は登用試験があるが、概ねは貴族の次男や三男がなるものらしい。

 

 この世界には奴隷制が存在する。

 犯罪奴隷、借金奴隷に大別されるが、犯罪奴隷は罪の軽重により短期奴隷、無期奴隷に分けられ基本的には人権は無く国が所有し、戦争や公共事業の肉体労働に従事させられる。 借金奴隷には人権尊重があり、基本的には無給の労働者である。

 住む所と最低1日2食の食事、週1日の休養を与える事が義務付けられている。 違法行為があった場合は所有者が罰せられる。


 ずっとこの国に()るかは判らんけど概ね習ったのはこんな所だった。

誤字脱字ありましたらご連絡ください。

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