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異世界漫遊するおっさん  作者: 田舎老人唯爺
第一章 聖シルバーナ皇国 王都ルパーナ編
4/23

おっさん冒険者ギルドへ行く

第4回目の投稿となります。


2018/08/11 お金の単位変更しました。

2018/09/17 おっさんの現在の肉体に関して表現を改めました。

 おっさんはガラの悪い冒険者達に囲まれていた。


 【テンプレって起こるもんなんやな】

 

 召喚されて4日目の朝、聖シルバーナ皇国主神殿での一般常識の学習が終了し、革鎧と長剣(ロングソード)、ナイフ、背嚢、ウエストポーチ、小銀貨100枚を譲渡されおっさんは神殿を出された。

 この国の貨幣の主体は銅貨と小銀貨であり銅貨は概ね100円、小銀貨は千円に相当する様だ。

 他に、賤貨、大銀貨、小金貨、大金貨が存在する。

 概ねの感覚では、

 賤貨=10円 銅貨=100円 小銀貨=千円

 大銀貨=1万円 小金貨=100万円 大金貨=1億円

 大凡この様な換算となっている。

 つまりおっさんは約10万円を渡された勘定になる。

 

 今おっさんがいる街は聖シルバーナ皇国の首都ルパーナである。

 ルパーナは主神殿、王宮がある非常に大きな街だ。

 おっさんはこれからの生活の為に冒険者ギルドに登録し、身分証と仕事を得る事を勧められた。

 主神殿では身分証の類いは僧侶に発行する聖印のメダルしか無く都市によっては通用しない為ギルドを勧められたのだ。

 あらゆる所で通用する身分証を発行できるのは冒険者ギルド、商業ギルド位のもので他のギルドは街内での身分の証明位なのである。


 神殿で冒険者ギルドの場所を教えられ、向かった挙げ句がガラの悪い冒険者に囲まれるという現状を生んでいた。

 

 冒険者ギルドに入り中を見回すと受付カウンターが5つ、買い取りカウンター3つが横並びになり、入ったドアの横の壁やドアと受付カウンターの間の壁一杯に依頼掲示板があった。 奥はやや大きめの酒場となり数人の冒険者らしき男が酒を飲んでいる様だ。

 おっさんは受付カウンターに向かいギルドに入りたい旨を告げると、酒場にいたガラの悪い4人組の冒険者が絡んで来た。

 おっさんの今の肉体は日本では大柄と言われる身体では有るのだが、この世界で比べると細身で身長も高く無いため貧相に見えてしまう様で絡まれ易いのだ。


 「ハッハッハー。その年で新人ったあ、大笑いだ。 冒険者ってのは怪我が付き物だ。 大きな怪我をしないうちに、その革鎧やロングソードを置いて家に帰りな。」


 おっさんより10歳程若そうな中堅冒険者っぽいボロい革鎧に、腰に長剣(ロングソード)を履いた下卑た人相の短髪の男が酒息混じりに恫喝して来る。

 どうやら一団のリーダーらしいその男に、おっさんは密かに鑑定を掛ける。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前  バタネル

称号  小悪党

職業  剣士

年齢  33

レベル 10


HP 322/322  MP 260/260

筋力 95   敏捷 68  器用 73

知力 56   耐久 83  幸運 49

物攻 142  物防 147

魔攻 118  魔防 125

スキル 剣術2 窃盗1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 他の3人も窃盗が強盗だったり傷害だったりして似たようなレベルとスキル構成だった。


 【称号 小悪党でスキル 窃盗1持ってて、この話し方やと恐喝する気満々やんけ。】

 「革鎧と、長剣(ロングソード)が目当てのチンピラか。」


 思わず、おっさんは呟いたのだかバタネルに聞こえていたらしく、激高した様に顔が紅く染まる。


 「このおっさんが!」


 バタネルは踏み込みながら右の拳を放つ。

 おっさんはすかさず左へ歩を進めバタネルの右腕を引き込みながら右膝を外側から斜めに踏み付けるように蹴り込む。

 メキリともグチャリともいう複合した音と共にバタネルの膝が有り得ない方角に曲がる。

 引き込んで体重が右脚に乗ってからの一撃だったためバタネルは痛みの余り泡を吹いて気絶する。

 一緒にいた3人はおっさんに怯える様にバタネルを担ぎ早々に逃げ出した。

 

 おっさんは中高で柔道をしていた頃に、様々な格闘技や技に興味を持ち色々と研究をしていたし、実際に電柱等で拳撃や蹴りの練習もしていた。

 密かに危ない奴だったのである。

 破壊への衝動が強い分、それを抑えるように医療系の知識を吸収し柔道整復師の道を目指したのだ。

 異世界に来て神殿で人の命の安さを学んだおっさんは、自分の身を守るためならば躊躇しないと心に誓ったのだ。

 だから、おっさんは最も効果的に敵対者を排除する為に膝を折ったのだ。

 それと共に神殿で一定額を払えば治癒を行っているのも学んでいたので、より躊躇する気持ちが湧かなかったのだ。

 おっさんが元いた世界では膝をあらぬ方向に折ると手術しか治癒方法は無く、まともに治る確率も低いため人工関節手術となりやすい。

 そう考えると魔法で治るなんて何て良い世界だと漠然とおっさんは思っている。


 おっさんは冒険者ギルドの受付に向き直る。


 「先程言ったとおり、ギルドに加入したいのですが?」

 「いらっしゃいませ。 冒険者ギルド、ルパーナ支部へようこそ。 私は受付のマリーベルと申します。 ご入会という事ですが、まず先程の揉め事の件となりますが、貴方様は冒険者ギルド加入の意思を示されておられましたが、ギルドにはまだ未加入の為一般人だと認識致します。 当ギルド所属の冒険者と一般人のトラブルとなりますので治安当局への報告が義務付けられております。 暫くしますと治安当局の者が此方に参りますので、それまで加入の手続きをさせて頂きます。」


 マリーベルは整った容貌の若い女性だったが冷静におっさんに告げる。

 

 「ではこの能力珠に手を置いて下さい。 貴方の職業適正が分かりますので、それを参考に職業を決めて下さい。 その後、此方の入会用紙を記入して下さい。 代筆は必要ですか?」

 「代筆は必要ありません。 職業は此方で決められるのですか?」

 「此方で職業の決定、変更等も行えます。 ギルドカードに記載された職業が貴方の職業となります。 適正候補の中から成りたい職業を決定して頂き入会用紙に記入します。 用紙をギルドカード発行用の魔道具に通しますと職業が決定されます。 職業を変更する場合はギルドカードの再発行となります。」


 おっさん的には折角異世界に来たので、剣士を目指したい。

 ステータス上の職業は大賢者だしパラメータやスキル的にも魔法職だろうとは思うのだが、大賢者で得れるスキルは全て所持しているので、この上大賢者で進む気は起きないのだ。

 おっさんは、磨りガラスの様な丸い珠に手を置いた。

 すると、ステータス表示に類似したウィンドウが目の前に出てくる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

適正職業

戦士 剣士 魔導士 呪術士 神官 騎士

魔導師 呪術師 両術士 魔導戦士 魔剣士

両術師 魔導神官 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 おっさんはこの世界がほぼ「Rein(リーイン)carnation(カーネーション)」と同じで、ゲームシステム上不都合な部分が改変されているのだと考えていたのだか、どうやら違う様だと想いだした。

 まず、ゲーム上では職業変更はギルドの受付では無くギルド酒場にいる職業変更専門のキャラが行っていた。

 職業変更はこう言う風に改変されているのだと想ったのだが、職業候補の内容がゲームと大分違う。

 初期職業らしき名称からして違うし無い職業もある。

 似た世界であるが別の世界であると意識して行動しなければとおっさんは考えた。


 【侍の初期職業の足軽が無いな・・・】


 用紙を記入する際に名前は貴族や王族、高位神官以外はファミリーネームが無い世界だと習ったので登録名をユージとする。

 職業は剣士と記入し、その他は未記入で受付へと入会用紙を渡す。

 受付嬢は用紙を受け取り確認すると、ギルドカード発行用と言っていた四角い魔道具の細長いスリット状に開いた部分へ用紙を入れて行く。

 入れて直ぐに赤銅色のクレジットカード位の大きさのプラスチックと思われるカードが出てきた。

 受付嬢がおっさんにカードを渡す。


 「表面に記載されている名前と職業を確かめ、ランクと書かれた部分がGか確認して下さい。 確認して間違いが無ければ裏面右下に白い丸がありますので其処に血を一滴垂らして下さい。」


 おっさんは名前が「ユージ」、職業が「剣士」となっており、ランク部分が「G」と表示されているのを確認して裏面右下に手持ちのナイフで血を一滴垂らした。

 すると、おっさんの持つギルドカードが一瞬虹色に光った。


 「此れで入会完了です。」


 マリーベルはにっこり微笑んで続ける。


 「ギルドランクですが、SからGまでの8段階となります。 Gランクは見習となりギルド講習受講の義務があり、受けられる依頼は街中の物に限り雑用等が主となります。 街の外での依頼はFランクからとなりEFが初級、BCDの3ランクが中級、SAの2ランクが上級冒険者と呼ばれています。 SAの2ランク関してはAランクが当支部におりますが、この大陸でも数名しかいませんので余り気に掛ける必要はないと思われます。 昇級は依頼の達成数とギルドへの貢献度が加味され判断されます。 初級から中級、中級から上級へ昇級する際にギルドから昇級テストが存在します。 細かい細則は此方の冊子に記載されていますので後で結構ですのでお読みください。 説明は以上となりますがご質問はございますか?」

 「仰っていたギルド講習はいつありますか?」


 マリーベルは手元の書類を確認して話す。


 「早ければ明日の昼、若しくは4日後の朝、7日後の昼となります。 如何しますか?」


 と話していると、ギルドのドアを開け鈑金胴鎧(ブレストプレート)長剣(ロングソード)、手に槍を持った男達が3人やって来て受付に声を掛ける。

誤字脱字等ございましたら、ご指摘頂ければ幸いです。


ギルドランク

S 上級 人外

A 上級 ほぼ人類の上限

B 中級 達人クラス

C 中級 一般的にはここが上限 大多数

D 中級 大多数

E 初級 大多数

F 初級 何とか冒険者

G 見習、駆出し

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